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オールドレンズ遊びのご案内 [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
今回の記事からは、「オールドレンズ」について、お話ししたいと思います。
今回の記事では、ベースとなる「マウントアダプター」について、そして次回以降にオールドレンズや、撮影時に気を付ける点についてのお話や、実際の作例についてもお見せしようと思います。

さて、早速マニアックな話題から入りましたが、みなさん「マウントアダプター」ってご存知でしょうか。
レンズをカメラに取り付ける部分をマウントといいます。
そして、マウントは各社異なる形状をしています。
各社のマウントにも複数の種類があり、長い歴史の変遷や、最近ではセンサのサイズによって異なるマウント形状をしています。
ニコンFマウントのカメラには、ニコンFマウントのレンズしか取り付けることができません。
他のマウントのレンズ、たとえば、キヤノンEFマウントのレンズは、ニコンFマウントのカメラには取り付けることはできません。
マウントアダプターとは、このマウントを変換するための部品です。
たとえば、こちらのRayqual(近代インターナショナル)のNF-EOSを使うことで、上記の「キヤノンEFマウントのカメラにニコンFマウントのレンズ」が実現できます。
色々なカメラとレンズの組み合わせで撮影ができてしまう、そんな魔法のアダプターです。
デジタルカメラでの撮影ではフィルムのコストが掛からず、そしてインターネットの普及によってフィルム時代の安価な中古レンズが入手しやすくなりました。
後述のフランジバックの関係から、ミラーレス一眼では特に、マウントアダプターによる「オールドレンズ遊び *1 」が人気となっています。
マウントアダプターにどのようなものがあるのか、そしてどう使うのかについては、マップカメラのこちらのページがわかりやすいと思いますので、興味があれば見てみるといいでしょう。
「オールドレンズ」という言葉にしっかりした定義はないですが、フィルム時代の古いレンズで、操作がマニュアルのものを指すことが多いです。
古いレンズの場合、意匠性に富むもの、金属の質感やガラスの重量感、そして操作するときのフィーリングが感じられるものが多いです。
見た目にもインパクトがあり、自分だけのお気に入りの組み合わせを楽しむことができます。
仕様や見た目、そして描写も含め、様々なレンズが存在するため、「どんな描写だろう」「写りは微妙だが見た目はカッコイイ」などなど、まさしくハマると泥沼状態。
そんな物欲にまみれた状態を「レンズ沼」と呼びます。
「レンズ沼」タグでは、そんな様々なレンズを紹介し、レンズの見た目や、「マウントアダプター」を使ったレンズの描写を楽しみたいと思います。
実は、これまで投稿した「今日の一枚」の中にも、オールドレンズを使用したものがありますので、探してみてください。
また、以前「Voigtlander APO-LANTHAR 90mm F3.5 SL Close Focus」で撮影した記事を掲載しましたが、このレンズも「オールドレンズ」に片足を突っ込んでいるレンズと言えます。

撮影したくなる要素として、様々なものがありますが、最新のレンズにはない独特な描写をするレンズや、他にもカタログスペックだけでは計れないものを持つレンズも多いと思います。
(機材の見た目や、持った時の感触、フォーカスの滑らかさ、絞りリングのクリック感などなど…)

マウントアダプターの多くは、単に形状を変換し、レンズのマウントからセンサまでの距離(フランジバックといいます)を調整するだけの部品です。
「色々な組み合わせ」と先ほど書きましたが、基本的にはお使いのカメラのフランジバックより、フランジバックが長いマウントのレンズを付けることができます。
それ以外の場合、単に付けるだけだと「常にレンズを繰り出した状態」になるため、無限遠での撮影ができません(常にマクロでの撮影になるか、全然写らなくなります)。
焦点位置を調整するための補正光学系を内蔵するアダプターも存在しますが、補正光学系による「拡大・縮小」「画質の変化」が(若干ですが)生じるため、嫌う人もいると思います。
また、マウントアダプターを使用した撮影においては様々な制約が生じます。
というのも、最近のカメラ・レンズは様々な撮影時の情報(レンズの焦点距離や、絞りなど)をマウント面の接点を通じて電気的にやり取りしています。
マウントアダプターは、基本的に「マウント形状を変換し、ただ繋げる」だけのものが多いため、こうした情報のやり取りができずにいくつかの機能が制限されます。
制約には、
・オートフォーカス(AF)機能によるピント合わせ
・自動露出(AE)による絞り・シャッタースピードの制御
・レンズの収差(歪曲や色収差など)の自動補正
・撮影時の一部情報(レンズの焦点距離や絞りなど)の記録 *2 
などがあり、カメラによっては「レンズが取り付けられていない」と認識してしまい、設定から「レンズなしレリーズ」のような項目を有効にしないとシャッターが切れないものもあります。

スタッフIさん所有のソニー製LA-EA4のような最新の高級なマウントアダプターの場合、通常のレンズと同じようにAFやAEが使用可能なものもあります。
また、レンズによっては「形状が特異なもの」や、「独自仕様のために部品が干渉して取り付けられない」ものもあり、「取り付けることで故障のおそれがある」ものもあります。
マウントアダプターを使う場合はこうした様々な制約があることを事前に知っておく必要があります。
当然、撮影時に何か起こっても「自己責任」ですので、注意しましょう。
中には素晴らしい描写のレンズももちろんありますが、基本的にシャープネスやコントラスト等は最新のレンズに分があります。
利便性や画質、正確さを望むのであれば最新の純正レンズを使うのが一番なので、あくまで「レンズ遊び」というわけです。

次回から、様々なオールドレンズの紹介と、マウントアダプターを使って取り付けた様子や、実際に撮影した作例を載せていきたいと思います。

*1 最近こそ、このような「レンズ遊び」が一般的になったように思いますが、元はもっと実用的な意図が背景にあります。 たとえば、「メーカーがマウントを変更する時に、古いレンズの互換性をとるため」や「望遠鏡や顕微鏡など、異なるシステムと接続するため」といったものです。記事に戻る

*2 撮影したファイルには、Exifという規格に基づいて、撮影時の様々な情報が格納されています。記事に戻る

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