NDフィルターを使って長時間露光してみよう [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
みなさんは、「NDフィルター」を使ったことはあるでしょうか。
ND(Neutral Density)フィルターとは、減光フィルターともいい、暗くするためだけに使用するフィルターです。
ただ暗くするのではなく、色味に影響が生じないよう極力ニュートラルに減光するように設計されています。
どのような時に使うかというと、
このようなときに、NDフィルターを使用します。
具体的には、前者は昼間の屋外のポートレート*3等、後者は水の流れや人混みの表現等に使用することが多いです。
今回の記事では、後者の「流れ」の表現をしてみようと思います。
NDフィルターは「ND○○」といった感じに、「ND」の後に番号が記載されています。
この番号は「入射する光を何分の一にするか」を表していて、例えば「ND8」であれば「1/8」に、「ND400」であれば「1/400」になります。
上の写真の左がND400、右がND8です。番号が大きいほど、フィルターは暗くなっています。
重ねて取り付けることもでき、その場合は番号を掛け合わせたフィルターと同等の効果となります。
今回は、ケンコー・トキナーのNDフィルター「Kenko PRO ND8」と「Kenko MC ND400」を使用し、長時間露光*4してきました。
普通に撮影した場合とどのように違うのか、どんな写真が撮れるのか、少しでも参考になればと思います。
カメラ・レンズは「PENTAX K-1」と「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」を使用しました。
写真はRAWモードで撮影し、RAW現像・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。
また、今回は「長時間露光」、すなわちシャッタースピードを長くしての撮影のため、三脚を使用しています。
まずは、噴水を何も考えずに撮ってみました。
絞りは開放(F4.5)で、シャッタースピードは1/320秒となりました。
噴水から上がった水しぶきと、泡立つ水面の様子を写し撮っていますが、ちょっと中途半端に感じます。
(比較のためにはもっとシャッタースピードを速くしたかったのですが、このレンズではこれ以上絞りを開けることはできませんでした)
そこで、次に「ND8」フィルターを取り付け、絞りをF11まで絞って撮影してみました。
どうでしょうか。シャッタースピードは1/8秒、流れる水が白い線となり、より滑らかに写りました。
「一瞬」の再現であれば「絞りを開け、速いシャッタースピード」の撮影がいいですが、「流れ」の再現であれば「絞り込んで、遅いシャッタースピード」の撮影がいいですね。
明るい環境で「遅いシャッタースピード」で撮影しようとすると、かなり絞らないといけません。
しかし、絞りすぎると「回折ボケ*5」により解像感*6が失われてしまいます。
NDフィルターを使って光量自体を減らすことで、あまり絞らずに遅いシャッタースピードを実現できます。
こちらは、NDフィルターを付けずに絞り開放(F4.5)、シャッタースピードは1/1600秒で撮影。
逆光*7の午後の日差しを活かすため、SILKYPIXのテイスト「ハードモノクローム」を使ってハイコントラスト*8に表現してみました。
手前の水面の輝きによって生じたボケと、奥の噴水による躍動感が印象的になったのではないかと思います。
一方、こちらは「ND400」フィルターを取り付けてF11まで絞り込んで撮影。
噴水の手前に流れを感じさせるものが少なかったため、絞り込んだことで平坦な雰囲気になってしまいました。
むしろ絞りは開放のまま撮影し、手前の水面のボケを際立たせた方がよかったかもしれません。
表現意図に応じてNDフィルターの使い分けや設定の変更が必要ですね。
今度は砂浜と海を撮影してみます。
F11まで絞ってもシャッタースピードは1/500秒、太陽が写真に写っていることからも、とても眩しい条件だったことが分かります。
飛んでいるカモメも止まって写っていますね。
次に、「ND8」フィルターと「ND400」フィルターを重ね、「ND3200」相当として撮影してみました。
シャッタースピードは5秒、先程の噴水と同じように、海面が滑らかに写っていますね。
この日は風が強かったこともあり、雲の流れも面白くなりました。
もっと遅いシャッタースピードとすることで、雲の流れを大きくできます。
フィルターを重ねたことで、反射面が増えたことによりゴースト*9が生じていますが、こればかりは仕方ないですね。
どちらの表現が、みなさんの好みでしょうか。
以前も撮影した場所ですが、先程と同じ条件(「ND3200」相当、F11、5秒)で撮影。
滑らかな水面が輝きを放ち、思った通りのハイコントラストで写ってくれました。
(ちょっと目立ったゴーストが入ってしまいましたが…)
風が強いと三脚の設置や撮影中の揺れ等に気をつかう必要がありますが、その分印象的な空になると思います。
こちらも、「ND3200」相当で、F11、4秒間。
現像時にSILKYPIXのテイスト「スウィートライトブルー」を使い、露出*10を明るくして柔らかく表現してみました。
コントラストの違いやホワイトバランス*11の違いなど、先程とはほぼ真逆の調整です。
「瞬間」や「流れ」の表現はあくまで「入口」、その先にどのような調整をするか、意図に応じて変えてみましょう。
今回は、NDフィルターを使った表現について、ご紹介しました。
シャッタースピードと絞りの調整による表現は撮影後の画像処理では難しいため、現在でもNDフィルターは用いられることが多いフィルターといえます。
速いシャッタースピードによる「瞬間」の表現に、遅いシャッタースピードによる「流れ」の表現。
人間の視覚では捉えられない現象を写真に写し込めますので、ぜひ活用してみてください。
きっと写真の表現の幅が広がるはずです。
*1 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
記事に戻る
*2 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
記事に戻る
*3 ポートレートとは、人物を主題とした写真のことをいいます。
記事に戻る
*4 長時間露光とは、長い時間シャッターを開けて撮影することです。
記事に戻る
*5 回折ボケとは、絞りを絞り込んだときに生じる回折(光の回り込み現象)により、写真がぼやけることをいいます。
記事に戻る
*6 解像とは、レンズを通した像がしっかりと結像していることをいいますが、写真を見たときに解像しているように見える度合いを解像感といいます。
記事に戻る
*7 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
記事に戻る
*8 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
記事に戻る
*9 ゴーストとは、レンズに強い光が入ったときに内部で反射して生じる光の漏れのうち、はっきりとした形状となって表れるものをいいます。 フードを付け、余計な光が入らないようにすることで防止することができますが、逆光などの条件ではどうしても出てしまうことがあります。
記事に戻る
*10 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
記事に戻る
*11 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
記事に戻る
みなさんは、「NDフィルター」を使ったことはあるでしょうか。
ND(Neutral Density)フィルターとは、減光フィルターともいい、暗くするためだけに使用するフィルターです。
ただ暗くするのではなく、色味に影響が生じないよう極力ニュートラルに減光するように設計されています。
どのような時に使うかというと、
このようなときに、NDフィルターを使用します。
具体的には、前者は昼間の屋外のポートレート*3等、後者は水の流れや人混みの表現等に使用することが多いです。
今回の記事では、後者の「流れ」の表現をしてみようと思います。
NDフィルターは「ND○○」といった感じに、「ND」の後に番号が記載されています。
この番号は「入射する光を何分の一にするか」を表していて、例えば「ND8」であれば「1/8」に、「ND400」であれば「1/400」になります。
上の写真の左がND400、右がND8です。番号が大きいほど、フィルターは暗くなっています。
重ねて取り付けることもでき、その場合は番号を掛け合わせたフィルターと同等の効果となります。
今回は、ケンコー・トキナーのNDフィルター「Kenko PRO ND8」と「Kenko MC ND400」を使用し、長時間露光*4してきました。
普通に撮影した場合とどのように違うのか、どんな写真が撮れるのか、少しでも参考になればと思います。
カメラ・レンズは「PENTAX K-1」と「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」を使用しました。
写真はRAWモードで撮影し、RAW現像・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。
また、今回は「長時間露光」、すなわちシャッタースピードを長くしての撮影のため、三脚を使用しています。
まずは、噴水を何も考えずに撮ってみました。
絞りは開放(F4.5)で、シャッタースピードは1/320秒となりました。
噴水から上がった水しぶきと、泡立つ水面の様子を写し撮っていますが、ちょっと中途半端に感じます。
(比較のためにはもっとシャッタースピードを速くしたかったのですが、このレンズではこれ以上絞りを開けることはできませんでした)
そこで、次に「ND8」フィルターを取り付け、絞りをF11まで絞って撮影してみました。
どうでしょうか。シャッタースピードは1/8秒、流れる水が白い線となり、より滑らかに写りました。
「一瞬」の再現であれば「絞りを開け、速いシャッタースピード」の撮影がいいですが、「流れ」の再現であれば「絞り込んで、遅いシャッタースピード」の撮影がいいですね。
明るい環境で「遅いシャッタースピード」で撮影しようとすると、かなり絞らないといけません。
しかし、絞りすぎると「回折ボケ*5」により解像感*6が失われてしまいます。
NDフィルターを使って光量自体を減らすことで、あまり絞らずに遅いシャッタースピードを実現できます。
こちらは、NDフィルターを付けずに絞り開放(F4.5)、シャッタースピードは1/1600秒で撮影。
逆光*7の午後の日差しを活かすため、SILKYPIXのテイスト「ハードモノクローム」を使ってハイコントラスト*8に表現してみました。
手前の水面の輝きによって生じたボケと、奥の噴水による躍動感が印象的になったのではないかと思います。
一方、こちらは「ND400」フィルターを取り付けてF11まで絞り込んで撮影。
噴水の手前に流れを感じさせるものが少なかったため、絞り込んだことで平坦な雰囲気になってしまいました。
むしろ絞りは開放のまま撮影し、手前の水面のボケを際立たせた方がよかったかもしれません。
表現意図に応じてNDフィルターの使い分けや設定の変更が必要ですね。
今度は砂浜と海を撮影してみます。
F11まで絞ってもシャッタースピードは1/500秒、太陽が写真に写っていることからも、とても眩しい条件だったことが分かります。
飛んでいるカモメも止まって写っていますね。
次に、「ND8」フィルターと「ND400」フィルターを重ね、「ND3200」相当として撮影してみました。
シャッタースピードは5秒、先程の噴水と同じように、海面が滑らかに写っていますね。
この日は風が強かったこともあり、雲の流れも面白くなりました。
もっと遅いシャッタースピードとすることで、雲の流れを大きくできます。
フィルターを重ねたことで、反射面が増えたことによりゴースト*9が生じていますが、こればかりは仕方ないですね。
どちらの表現が、みなさんの好みでしょうか。
以前も撮影した場所ですが、先程と同じ条件(「ND3200」相当、F11、5秒)で撮影。
滑らかな水面が輝きを放ち、思った通りのハイコントラストで写ってくれました。
(ちょっと目立ったゴーストが入ってしまいましたが…)
風が強いと三脚の設置や撮影中の揺れ等に気をつかう必要がありますが、その分印象的な空になると思います。
こちらも、「ND3200」相当で、F11、4秒間。
現像時にSILKYPIXのテイスト「スウィートライトブルー」を使い、露出*10を明るくして柔らかく表現してみました。
コントラストの違いやホワイトバランス*11の違いなど、先程とはほぼ真逆の調整です。
「瞬間」や「流れ」の表現はあくまで「入口」、その先にどのような調整をするか、意図に応じて変えてみましょう。
今回は、NDフィルターを使った表現について、ご紹介しました。
シャッタースピードと絞りの調整による表現は撮影後の画像処理では難しいため、現在でもNDフィルターは用いられることが多いフィルターといえます。
速いシャッタースピードによる「瞬間」の表現に、遅いシャッタースピードによる「流れ」の表現。
人間の視覚では捉えられない現象を写真に写し込めますので、ぜひ活用してみてください。
きっと写真の表現の幅が広がるはずです。
*1 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*2 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*3 ポートレートとは、人物を主題とした写真のことをいいます。
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*4 長時間露光とは、長い時間シャッターを開けて撮影することです。
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*5 回折ボケとは、絞りを絞り込んだときに生じる回折(光の回り込み現象)により、写真がぼやけることをいいます。
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*6 解像とは、レンズを通した像がしっかりと結像していることをいいますが、写真を見たときに解像しているように見える度合いを解像感といいます。
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*7 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*8 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*9 ゴーストとは、レンズに強い光が入ったときに内部で反射して生じる光の漏れのうち、はっきりとした形状となって表れるものをいいます。 フードを付け、余計な光が入らないようにすることで防止することができますが、逆光などの条件ではどうしても出てしまうことがあります。
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*10 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*11 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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お手軽マクロ、してみませんか?(お手持ちのレンズにクローズアップ編) [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
今回もお安くお手軽に「マクロ撮影*1」をしてみようというお話です。
「マクロ撮影」は身近な世界をクローズアップして撮ることで、普段とは異なる写真を撮ることができます。
被写体を探しやすいことから、標準ズームレンズ*2の次に検討する交換レンズとしてマクロレンズ*3が候補に挙がることも多いですね。
ですが、比較的高価なマクロレンズも多く、なかなか購入に踏み切れない方もいると思います。
また、いざ買ってみても「標準レンズに加えてもう一本持ち出すと荷物が多くなるし、かといってマクロレンズだけだと不安…」と二の足を踏む方もいるかと思います。
以前「レンズを逆向きに付けるとマクロ撮影ができる」という記事を掲載しました。
しかし、この方法は「マニュアルでの露出合わせ」「マニュアルでのピント合わせ」となり、少々敷居の高い方法です。
もっと簡単な方法が、今回ご紹介する「クローズアップレンズ」を使ったマクロ撮影です。
「クローズアップレンズ」とは、カメラ用アクセサリとしてはレンズの前面に取り付ける「フィルター(レンズフィルター)」に分類されます。
ただし、通常の「フィルター」が平板ガラスを使っているのに対し、「クローズアップレンズ」はその名の通り「レンズ」です。
使い方は簡単で、交換レンズの前に、更に「クローズアップレンズ」を付けるだけ。
これだけで、より「近付いて、大きく撮影」することができるようになります。
クローズアップレンズには「No.x」と番号が記載されていて、この番号が大きいほど大きく撮影できるようになります。
また、画質は落ちますが複数のクローズアップレンズを重ね合わせて使用することで、更に大きく撮影できるようになります。
この方法の一番の利点は「フィルターと同じように取り付けるだけ」という点。
カメラ・レンズの機能をほとんど損なうことがないため、露出*4調整は普段通りカメラ任せのオートモードを活用できます。
ピント*5合わせも同様にオートフォーカス*6を使用できます。
(マニュアルフォーカス*7の方がピントを合わせやすいかもしれません)
値段も数千円からと手頃で、サイズも少し厚めのフィルター程度であるため、持ち出しも苦にならないはずです。
前回の記事では色々とカメラの知識が必要でしたが、今回は更にお手軽ですね。
欠点を挙げるとすれば、「フィルター径に合わせたクローズアップレンズが必要」なことくらいでしょうか。
また、クローズアップレンズを取り付けた状態では「ピントの合う範囲をずらした」ような状態のため、無限遠にはピントが合わなくなります。
画質は「専用に設計された」マクロレンズにはさすがに負けると思いますが、お手軽に撮影するのなら問題ないと思います。
さて、作例とまいりましょう。
今回、カメラには「PENTAX K-1」、レンズには「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」を使用しました。
クローズアップレンズとして、複数のレンズにより色収差*10を補正したアクロマート*11レンズの「Kenko ACクローズアップレンズ No.2」を使用しました。
写真はRAW*12モードで撮影し、RAW現像*13・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。
花壇に咲いていたヒメキンセンカ。冬場でも咲き誇る、まさしく寒さ知らずの花ですね。
「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」は最大撮影倍率が0.19倍。
ひと昔前のレンズとはいえ、このクラスの標準ズームとしては一般的な倍率です。
ヒメキンセンカはこの時期の花としては大きいため、あまり気になりませんでしたが、やはり「もう少し寄りたい」と思うケースがよくあります。
そこで、クローズアップレンズを取り付けて再度撮影してみました。
かなり大きくなりましたね。
先程の写真では左側に写っていた花壇のフェンスが邪魔な感じがしましたが、花だけを写すことができました。
花の大きさでざっくりと計算すると、0.3倍くらいには撮影できているようです。
取り付け前と比べて、気持ちもう一歩寄れる、といった感じでしょうか。
満開のツワブキの花。こちらもこの時期に目立つ花ですね。
逆光*14で撮影し、現像時にハイキー*15に調整。
あえてホワイトバランス*16を赤方向にずらしてみました。
広角*17気味ですが、背景の葉が輝いていたため見事にボケてくれました。
クローズアップレンズを付けることで、このようになりました。
背景の大きさだけでなく、ボケの大きさも変化しています。
この被写体の場合、クローズアップレンズを付けた方がいいのかは意見が割れそうな気もしますね。
撮影時の意図に応じて、使い分けが必要です。
無機質なテントウェイトを撮影。
SILKYPIXのテイスト「ハードモノクローム」でコントラスト*18を高めて、更に無機質っぽさを強調してみました。
クローズアップレンズを付けて撮影。
先程は「複数のウェイトの並び」がわかりましたが、ここまで寄ると周りを取り除くことができます。
「ウェイト表面のザラザラした質感」が、より感じられる写真になりました。
ふと、手すりにカメムシがとまっていたので、背景の葉を活かして撮影。
絞り*19をF11まで絞り込むことで、六角形の絞り形状を反映させています。
どうやら「ミナミトゲヘリカメムシ」という南国に多いカメムシのようですね。
調整時にSILKYPIXのテイスト「ノスタルジックトイカメラ」を使用しています。
クローズアップレンズを付けて撮影。
さすがにカメムシは動いてしまいましたが、印象はかなり変わりました。
よりクローズアップした様子が分かるかと思います。
今回は、「クローズアップレンズ」を使ったお手軽マクロ撮影をご紹介しました。
一眼カメラは標準ズームレンズしか持っていないけど、ちょっとマクロ撮影に興味が出てきた、そんな時にいかがでしょうか。
あるいは、既にマクロレンズを持っているけどあまり出番が無い、そんな方にもオススメです。
道端で、旅先で、あるいはちょっとしたお出かけで気になるものを見かけたら、クローズアップレンズを付けて近寄ってみましょう。
もう一歩踏み込んだ写真は、きっといつもの写真と少し違って見えてくるはずです。
*1 マクロ撮影とは、被写体に近づいて拡大して撮影することです。
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*2 広角から望遠までの一般的なシーンの撮影に向いたズームレンズを標準ズームレンズといいます。35mm判換算で28-80mm(APS-Cで18-55mm)のものが多いです。
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*3 マクロレンズは、小さな被写体を大きく写すことのできるレンズです。
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*4 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*5 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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*6 オートフォーカス(AF)とは、ピントをカメラが自動的に合わせる機能のことです。
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*7 ピント合わせを撮影者が手動で行う方式をマニュアルフォーカスといいます。
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*8 最短撮影距離とは、レンズがピントを合わせることのできる最短の距離のことで、レンズ交換が可能なカメラでは通常センサから被写体までの距離となります。
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*9 焦点距離とは、レンズの中心点(主点)から焦点までの距離のことです。焦点距離が短いと画角が広く、長いと画角が狭くなります。
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*10 色収差とは、レンズの分散が原因で像に色ズレが生じることをいいます。
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*11 アクロマートとは、屈折率と分散の異なるレンズを組み合わせ、2つの波長で色収差を補正したレンズのことをいいます。
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*12 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
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*13 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*14 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*15 ハイキーとは、意図的に露出オーバーにする(明るくする)ことを言います。写真全体を明るくすることで、爽やかな印象に仕上げることができます。RAW現像では撮影後に露出補正やトーンカーブで調整することができます。
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*16 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*17 広角とは、画角(写る範囲)が広いことをいいます。35mm判換算で50mm付近の焦点距離を標準といい、これよりも短い焦点距離を広角といいます。
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*18 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*19 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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今回もお安くお手軽に「マクロ撮影*1」をしてみようというお話です。
「マクロ撮影」は身近な世界をクローズアップして撮ることで、普段とは異なる写真を撮ることができます。
被写体を探しやすいことから、標準ズームレンズ*2の次に検討する交換レンズとしてマクロレンズ*3が候補に挙がることも多いですね。
ですが、比較的高価なマクロレンズも多く、なかなか購入に踏み切れない方もいると思います。
また、いざ買ってみても「標準レンズに加えてもう一本持ち出すと荷物が多くなるし、かといってマクロレンズだけだと不安…」と二の足を踏む方もいるかと思います。
以前「レンズを逆向きに付けるとマクロ撮影ができる」という記事を掲載しました。
しかし、この方法は「マニュアルでの露出合わせ」「マニュアルでのピント合わせ」となり、少々敷居の高い方法です。
もっと簡単な方法が、今回ご紹介する「クローズアップレンズ」を使ったマクロ撮影です。
「クローズアップレンズ」とは、カメラ用アクセサリとしてはレンズの前面に取り付ける「フィルター(レンズフィルター)」に分類されます。
ただし、通常の「フィルター」が平板ガラスを使っているのに対し、「クローズアップレンズ」はその名の通り「レンズ」です。
使い方は簡単で、交換レンズの前に、更に「クローズアップレンズ」を付けるだけ。
これだけで、より「近付いて、大きく撮影」することができるようになります。
クローズアップレンズには「No.x」と番号が記載されていて、この番号が大きいほど大きく撮影できるようになります。
また、画質は落ちますが複数のクローズアップレンズを重ね合わせて使用することで、更に大きく撮影できるようになります。
この方法の一番の利点は「フィルターと同じように取り付けるだけ」という点。
カメラ・レンズの機能をほとんど損なうことがないため、露出*4調整は普段通りカメラ任せのオートモードを活用できます。
ピント*5合わせも同様にオートフォーカス*6を使用できます。
(マニュアルフォーカス*7の方がピントを合わせやすいかもしれません)
値段も数千円からと手頃で、サイズも少し厚めのフィルター程度であるため、持ち出しも苦にならないはずです。
前回の記事では色々とカメラの知識が必要でしたが、今回は更にお手軽ですね。
欠点を挙げるとすれば、「フィルター径に合わせたクローズアップレンズが必要」なことくらいでしょうか。
また、クローズアップレンズを取り付けた状態では「ピントの合う範囲をずらした」ような状態のため、無限遠にはピントが合わなくなります。
画質は「専用に設計された」マクロレンズにはさすがに負けると思いますが、お手軽に撮影するのなら問題ないと思います。
- ・「なぜクローズアップレンズを取り付けるとマクロ撮影できるの?」
- しっかりと原理から説明すると難しくなってしまうので、ここではざっくりとした説明のみとさせていただきます。
「クローズアップレンズ」とは、実は単純な「凸レンズ」。 「交換レンズ(=凸レンズ)」の前に「凸レンズ」を付けているわけですね。
(もちろん、光学的な特性がしっかりしたものを使用しています)
(あくまで図はイメージです)
凸レンズは、光を収束させる働きをします。虫眼鏡と同じです。
虫眼鏡を通して見ると、実際の物体よりも大きくなった虚像を見ることができるため、物体を拡大して見ることができます。
人間の眼も「レンズ」ですので、「クローズアップレンズ」は、カメラの交換レンズ用の「虫眼鏡」というわけです。
(実際に虫眼鏡で代用することもできますが、画質的にも「お試し」程度に留めた方がいいと思います) - ・「具体的な最大撮影倍率は何倍になるの?」
- 撮影倍率の計算には、レンズの構成を踏まえてしっかりと計算しないといけないため結構厄介なお話になってきます。
(レンズの近接撮影時の繰り出し量と焦点距離が分かれば近似計算は可能です)
あらかじめ最短撮影距離*8で同じ被写体を撮影し、撮影倍率を計算しておくのが一番分かりやすいかもしれません。
(元のレンズが0.3倍で1000pxの大きさで写り、取り付け後に2000pxで写ったのであれば0.6倍です) ちなみに、焦点距離*9が長いレンズの方が効果が大きいです。 - ・「最短撮影距離は何cmまで寄れるの?」
- これも難しく、レンズによって異なりますが、逆に「何cmから寄れるのか」はすぐに分かります。
実はクローズアップレンズにはそれ自身の焦点距離が記載されていて、取り付ける交換レンズのピント位置が無限遠の時、撮影距離はクローズアップレンズの焦点距離となります。
例えば、クローズアップレンズの焦点距離が500mmの場合、ピント位置「無限遠」は「50cm(=500mm)」となり、具体的な最短撮影距離は分かりませんが50cm未満の距離でピントが合うようになります。
さて、作例とまいりましょう。
今回、カメラには「PENTAX K-1」、レンズには「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」を使用しました。
クローズアップレンズとして、複数のレンズにより色収差*10を補正したアクロマート*11レンズの「Kenko ACクローズアップレンズ No.2」を使用しました。
写真はRAW*12モードで撮影し、RAW現像*13・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。
花壇に咲いていたヒメキンセンカ。冬場でも咲き誇る、まさしく寒さ知らずの花ですね。
「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」は最大撮影倍率が0.19倍。
ひと昔前のレンズとはいえ、このクラスの標準ズームとしては一般的な倍率です。
ヒメキンセンカはこの時期の花としては大きいため、あまり気になりませんでしたが、やはり「もう少し寄りたい」と思うケースがよくあります。
そこで、クローズアップレンズを取り付けて再度撮影してみました。
かなり大きくなりましたね。
先程の写真では左側に写っていた花壇のフェンスが邪魔な感じがしましたが、花だけを写すことができました。
花の大きさでざっくりと計算すると、0.3倍くらいには撮影できているようです。
取り付け前と比べて、気持ちもう一歩寄れる、といった感じでしょうか。
満開のツワブキの花。こちらもこの時期に目立つ花ですね。
逆光*14で撮影し、現像時にハイキー*15に調整。
あえてホワイトバランス*16を赤方向にずらしてみました。
広角*17気味ですが、背景の葉が輝いていたため見事にボケてくれました。
クローズアップレンズを付けることで、このようになりました。
背景の大きさだけでなく、ボケの大きさも変化しています。
この被写体の場合、クローズアップレンズを付けた方がいいのかは意見が割れそうな気もしますね。
撮影時の意図に応じて、使い分けが必要です。
無機質なテントウェイトを撮影。
SILKYPIXのテイスト「ハードモノクローム」でコントラスト*18を高めて、更に無機質っぽさを強調してみました。
クローズアップレンズを付けて撮影。
先程は「複数のウェイトの並び」がわかりましたが、ここまで寄ると周りを取り除くことができます。
「ウェイト表面のザラザラした質感」が、より感じられる写真になりました。
ふと、手すりにカメムシがとまっていたので、背景の葉を活かして撮影。
絞り*19をF11まで絞り込むことで、六角形の絞り形状を反映させています。
どうやら「ミナミトゲヘリカメムシ」という南国に多いカメムシのようですね。
調整時にSILKYPIXのテイスト「ノスタルジックトイカメラ」を使用しています。
クローズアップレンズを付けて撮影。
さすがにカメムシは動いてしまいましたが、印象はかなり変わりました。
よりクローズアップした様子が分かるかと思います。
今回は、「クローズアップレンズ」を使ったお手軽マクロ撮影をご紹介しました。
一眼カメラは標準ズームレンズしか持っていないけど、ちょっとマクロ撮影に興味が出てきた、そんな時にいかがでしょうか。
あるいは、既にマクロレンズを持っているけどあまり出番が無い、そんな方にもオススメです。
道端で、旅先で、あるいはちょっとしたお出かけで気になるものを見かけたら、クローズアップレンズを付けて近寄ってみましょう。
もう一歩踏み込んだ写真は、きっといつもの写真と少し違って見えてくるはずです。
*1 マクロ撮影とは、被写体に近づいて拡大して撮影することです。
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*2 広角から望遠までの一般的なシーンの撮影に向いたズームレンズを標準ズームレンズといいます。35mm判換算で28-80mm(APS-Cで18-55mm)のものが多いです。
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*3 マクロレンズは、小さな被写体を大きく写すことのできるレンズです。
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*4 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*5 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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*6 オートフォーカス(AF)とは、ピントをカメラが自動的に合わせる機能のことです。
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*7 ピント合わせを撮影者が手動で行う方式をマニュアルフォーカスといいます。
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*8 最短撮影距離とは、レンズがピントを合わせることのできる最短の距離のことで、レンズ交換が可能なカメラでは通常センサから被写体までの距離となります。
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*9 焦点距離とは、レンズの中心点(主点)から焦点までの距離のことです。焦点距離が短いと画角が広く、長いと画角が狭くなります。
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*10 色収差とは、レンズの分散が原因で像に色ズレが生じることをいいます。
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*11 アクロマートとは、屈折率と分散の異なるレンズを組み合わせ、2つの波長で色収差を補正したレンズのことをいいます。
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*12 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
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*13 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*14 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*15 ハイキーとは、意図的に露出オーバーにする(明るくする)ことを言います。写真全体を明るくすることで、爽やかな印象に仕上げることができます。RAW現像では撮影後に露出補正やトーンカーブで調整することができます。
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*16 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*17 広角とは、画角(写る範囲)が広いことをいいます。35mm判換算で50mm付近の焦点距離を標準といい、これよりも短い焦点距離を広角といいます。
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*18 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*19 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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モノクロ写真をフィルターを使って撮ってみよう [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
以前の記事でモノクロフィルム*1を使った撮影について書きましたが、そのときちらっと「モノクロ用フィルター*2の使い分け」と書いたのを覚えている方がいるかもしれません。
というわけで、今回は「モノクロ用フィルター」について。
といっても、フィルムを使うと結構お高くなってしまうので、今回はデジタルカメラ*3で撮影した写真をベースに書いていこうと思います。
(若干難しい話になってしまいましたが...)
なお、撮影にはリコーの「GR」を使い、RAW現像*4・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用していますが、カメラやRAW現像ソフト・レタッチ*5ソフトは特に決まりはありません。
まず、「モノクロ用フィルター」と聞いて、どんなものかわからない方も多いのではないかと思います。
「モノクロ用フィルター」とは、文字通り「モノクロ写真」の撮影で使用するフィルターです。
見た目はこんな感じで、色の付いたフィルターです。
今回はこの3枚の「イエロー(Y2)」、「オレンジ(YA3)」、「レッド(R1)」のフィルターを使用しました。
使用したのはそれぞれケンコー・トキナーの黒白用フィルター「Kenko MC Y2」「Kenko MC YA3」「Kenko MC R1」です。
初めて見る方は「こんな濃い色なの?」と思うかもしれませんね。
実際にフィルターを通して見ると、フィルターの色に染まった世界が見えます。
カラー写真では(色彩効果や特殊効果を除き)まず使うことがありません。
まず、こちらは普通に撮影したカラー写真です。
そして、実際にフィルターを通してカラーで撮影したものはこのようになります。
ホワイトバランス*6は固定しておく必要があります。
Y2フィルター、YA3フィルター、R1フィルターの順です。
見事にフィルターの色味が反映されていますね。
それぞれ並べると、こんな感じです。
それでは、先ほどの写真をモノクロにしてみます。
まず、普通に撮影したカラー写真をモノクロ化したものです。
そして、実際にフィルターを通してカラーで撮影したものを、モノクロ化。
後述しますが、モノクロ用フィルターを通すと露出*7も変わりますので、ここでは木の幹を同じくらいの露出に調整しています。
また、フィルターの効果をわかりやすくするため、彩度*8を0にしてモノクロ化しました。
先程と同じく、Y2フィルター、YA3フィルター、R1フィルターの順です。
並べると、こんな感じです。
特に空の濃さが大きく違いますね。
フィルターの無い状態では、空は明るいグレーで、右の雲とのコントラスト*9も弱いですね。
Y2フィルター、YA3フィルター、R1フィルターの順に空が濃くなり、雲とのコントラストも強くなっていくのがわかります。
このように「モノクロ用フィルター」は「コントラストの強調」をすることができます。
一般的な風景であれば、ちょっと暗くなるくらいのY2フィルターで十分でしょうか。
どんよりとした雲を印象的にしたいような場合や、不安感を煽りたい場合などは、コントラストが強烈になるR1フィルターがよさそうです。
では、なぜ空の色だけが変化したのでしょうか。
モノクロ用フィルターを通した光は、波長によって透過特性が異なります。
特に今回使用した3種類は、それぞれの色の波長以下をカットする特性を持っています。
可視光線を波長の順に色で表すと、紫~青~緑~黄~橙~赤の順に波長が長くなります。
つまり、Y2フィルター(黄)、YA3フィルター(橙)、R1フィルター(赤)の順にカットされる波長の範囲が広くなっています。
青空は、元は太陽光で、青い光を中心に、他の色の波長も連続的に含んでいます。
光を最もカットするR1フィルターが、一番青空を暗くすることができるわけですね。
さて、青空以外についても考えてみましょう。
小学校で習ったように、ほとんどの物は光を反射することでその色に見えています。
例えば「赤い花」であれば赤い光を反射し、「緑の葉」は緑の光を反射しています。
「白い紙」だと可視光線全てを反射し、「黒い服」はほとんどの光を吸収しています。
ここで、次のような写真を撮影してきました。
メインの被写体はサザンカの花。タイトルを付けるなら「紅一点」でしょうか。
文字通り、サザンカの花が鮮やかで、とても綺麗です。
残念ながらあまり多く咲いていなかったというのもありますが、ワンポイントで撮影してみました。
ところが、これをモノクロ化すると、こんな感じに。
「サザンカの花」と「葉」そして「枝」が、ほとんど同じ濃さになってしまいました。
作り物のような雰囲気にするならいいですが、メインとしたい「サザンカの花」の紅一点さがまったく感じられません。
明るさの度合いに色の情報は含まれていないため、「違う色」で「同じ明るさ」のものがあると、まったく同じ濃さになります。
ここで「人間が感じる鮮やかさ」と「実際の明るさ」は異なるというのもポイントです。
そこで、R1フィルターを取り付け、同じように撮影。
露出は枝の辺りが同じくらいとなるように調整しています。
当然赤くなるわけですが、このままでもモノクロ化したときにどうなるか分かりそうです。
「サザンカの花」=「赤い花」は赤い光を多く反射していますので、花から反射した光はフィルターを通過し、明るくなります。
そして、「緑の葉」はあまり赤い光を反射していないため、フィルターを通過する光が少なく、暗くなります。
これをモノクロ化すると、当然こんな感じに。
狙い通りに、メインの被写体である「サザンカの花」が明るく、それ以外が暗くなりました。
並べると、かなりの差です。これならタイトルを「紅一点」としてもよさそうです。
モノクロ用フィルターを有効活用してメインの被写体を際立たせることで、視線誘導*10を行うことができますね。
撮影後のレタッチで「色抽出」を行い、メインの被写体だけ鮮やかにするのと同じような感覚です。
基本的に、人間の眼は色のある世界を見ています。
一方、モノクロ写真の世界は「モノクロ」すなわち「単色」の世界です。
一般的には「モノクロ写真」=「白黒写真」ですので、「白と黒の濃淡」だけで表現されることになります。
つまり、モノクロ化した後には白黒の濃淡しか残らないので、いかに色を割り当てるか、コントラストを強調するかがポイントになるというわけです。
「モノクロ用フィルター」は、用途別に分けると次のようなものがあります。
イエロー(Y)、オレンジ(YA/O)、レッド(R)の3つは光の透過特性が急峻で、それぞれのフィルター色の光の波長よりも短い波長の光をほぼ完全にカットすることができます。
イエロー(Y)、オレンジ(YA/O)、レッド(R)の順にカットする範囲が広くなるため、コントラストも強くなります。
今回の例のように青空と雲のコントラストを上げたり、緑の中の花を目立たせたりすることができます。
また、短い波長の光は散乱しやすいためコントラストが下がりやすく、特にフィルムカメラではこれらのフィルターがよく使われていました。
モノクロフィルムが主流の時代、一般的な撮影では適度なコントラストのイエローが常用フィルターとされていました。
今回は使っていませんが、これに対してグリーン(PO/G)は比較的なだらかな透過特性のフィルターで、人間の眼に近い特性となっています。
新緑を明るく写したり、ポートレート*11撮影で肌や唇を落ち着かせるのに使います。
また、これとは別に赤外撮影用フィルターもありますが、ここでは説明は割愛し紹介のみとしておきます。
当然ですがこれらのフィルターを使うと光量も落ちるため、普通に撮影するときと比べて絞り*12を開けたりシャッタースピード*13を遅くする必要があります。
以前の記事で紹介した「PLフィルター」でも同様でしたね。
大まかな目安は「露出倍数*14」「フィルター係数」として段*15数が記載されていることが多いので、これを参考にしてください。
一般的には、イエロー(Y2)が1段、オレンジ(YA3)が2段、レッド(R1)が3段くらいですが、フィルターによって、そして被写体の反射光によって変わってきます。
あくまでも目安とお考えください。
モノクロ用フィルターを使うことで、写真のコントラストを調整・強調することができます。
有効に使うことで、見た時の印象に近付ける、あるいはより独創的なイメージを作り出すことができます。
今は、デジタルでの画像処理で撮影後にお好みの調整ができますね。
デジタルカメラでモノクロ用フィルターを再現する設定が使用できる機種もあります。
ただ白黒にするだけでなく、どのように白黒に置き換えるか。色々と考えると、非常に奥の深い世界です。
白黒なのにカラーで考えなくてはいけないというのが、モノクロ写真の面白さ。
フィルターを使用しての撮影を実際に行うことで、写真をどのように仕上げるかイメージしやすくなるかもしれません。
デジタルカメラであればやり直しがいくらでもできますので、ぜひ試行錯誤しつつ楽しんでみてください。
*1 モノクロフィルムとは、白黒写真の写真フィルムのことをいいます。カラーフィルムと異なり銀粒子が写真を形成するため、独特の粒子感があります。
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*2 フィルターとは、レンズに取り付けることで様々な効果を得ることのできるアクセサリーです。レンズ前面に取り付けるもののほか、レンズに内蔵されているもの等があります。
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*3 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*4 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*5 レタッチ(フォトレタッチ)とは、画像データを加工や修正のことです。
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*6 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*7 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*8 彩度とは、色の三属性の一つで、鮮やかさを表します。無彩色では0で、純色で最大となります。
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*9 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*10 視線誘導とは、写真を見る人の視線を主題に引き寄せることを言います。構図の工夫や明暗差により行うことができます。
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*11 ポートレートとは、人物を主題とした写真のことをいいます。
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*12 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*13 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*14 露出倍数とは、フィルターなどによって減少する光量の補正値のことです。
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*15 露出の単位として、段が用いられることがあります。これは2倍もしくは1/2倍を1段とし、例えば「1段絞る」=「F値を約1.4倍にする」となります。
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以前の記事でモノクロフィルム*1を使った撮影について書きましたが、そのときちらっと「モノクロ用フィルター*2の使い分け」と書いたのを覚えている方がいるかもしれません。
というわけで、今回は「モノクロ用フィルター」について。
といっても、フィルムを使うと結構お高くなってしまうので、今回はデジタルカメラ*3で撮影した写真をベースに書いていこうと思います。
(若干難しい話になってしまいましたが...)
なお、撮影にはリコーの「GR」を使い、RAW現像*4・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用していますが、カメラやRAW現像ソフト・レタッチ*5ソフトは特に決まりはありません。
目次
- 「モノクロ用フィルター」とはどんなもの?
- 「モノクロ用フィルター」を使って風景を撮ってみた
- 「モノクロ用フィルター」を使って花の写真を撮ってみた
- 「モノクロ用フィルター」の種類と撮影時の注意点
- まとめ
1. 「モノクロ用フィルター」とはどんなもの?
まず、「モノクロ用フィルター」と聞いて、どんなものかわからない方も多いのではないかと思います。
「モノクロ用フィルター」とは、文字通り「モノクロ写真」の撮影で使用するフィルターです。
見た目はこんな感じで、色の付いたフィルターです。
今回はこの3枚の「イエロー(Y2)」、「オレンジ(YA3)」、「レッド(R1)」のフィルターを使用しました。
使用したのはそれぞれケンコー・トキナーの黒白用フィルター「Kenko MC Y2」「Kenko MC YA3」「Kenko MC R1」です。
初めて見る方は「こんな濃い色なの?」と思うかもしれませんね。
実際にフィルターを通して見ると、フィルターの色に染まった世界が見えます。
カラー写真では(色彩効果や特殊効果を除き)まず使うことがありません。
2. 「モノクロ用フィルター」を使って風景を撮ってみた
まず、こちらは普通に撮影したカラー写真です。
そして、実際にフィルターを通してカラーで撮影したものはこのようになります。
ホワイトバランス*6は固定しておく必要があります。
Y2フィルター、YA3フィルター、R1フィルターの順です。
見事にフィルターの色味が反映されていますね。
それぞれ並べると、こんな感じです。
フィルター無 | Y2フィルター |
---|---|
YA3フィルター | R1フィルター |
それでは、先ほどの写真をモノクロにしてみます。
まず、普通に撮影したカラー写真をモノクロ化したものです。
そして、実際にフィルターを通してカラーで撮影したものを、モノクロ化。
後述しますが、モノクロ用フィルターを通すと露出*7も変わりますので、ここでは木の幹を同じくらいの露出に調整しています。
また、フィルターの効果をわかりやすくするため、彩度*8を0にしてモノクロ化しました。
先程と同じく、Y2フィルター、YA3フィルター、R1フィルターの順です。
並べると、こんな感じです。
フィルター無 | Y2フィルター |
---|---|
YA3フィルター | R1フィルター |
特に空の濃さが大きく違いますね。
フィルターの無い状態では、空は明るいグレーで、右の雲とのコントラスト*9も弱いですね。
Y2フィルター、YA3フィルター、R1フィルターの順に空が濃くなり、雲とのコントラストも強くなっていくのがわかります。
このように「モノクロ用フィルター」は「コントラストの強調」をすることができます。
一般的な風景であれば、ちょっと暗くなるくらいのY2フィルターで十分でしょうか。
どんよりとした雲を印象的にしたいような場合や、不安感を煽りたい場合などは、コントラストが強烈になるR1フィルターがよさそうです。
では、なぜ空の色だけが変化したのでしょうか。
モノクロ用フィルターを通した光は、波長によって透過特性が異なります。
特に今回使用した3種類は、それぞれの色の波長以下をカットする特性を持っています。
可視光線を波長の順に色で表すと、紫~青~緑~黄~橙~赤の順に波長が長くなります。
つまり、Y2フィルター(黄)、YA3フィルター(橙)、R1フィルター(赤)の順にカットされる波長の範囲が広くなっています。
青空は、元は太陽光で、青い光を中心に、他の色の波長も連続的に含んでいます。
光を最もカットするR1フィルターが、一番青空を暗くすることができるわけですね。
3. 「モノクロ用フィルター」を使って花の写真を撮ってみた
さて、青空以外についても考えてみましょう。
小学校で習ったように、ほとんどの物は光を反射することでその色に見えています。
例えば「赤い花」であれば赤い光を反射し、「緑の葉」は緑の光を反射しています。
「白い紙」だと可視光線全てを反射し、「黒い服」はほとんどの光を吸収しています。
ここで、次のような写真を撮影してきました。
メインの被写体はサザンカの花。タイトルを付けるなら「紅一点」でしょうか。
文字通り、サザンカの花が鮮やかで、とても綺麗です。
残念ながらあまり多く咲いていなかったというのもありますが、ワンポイントで撮影してみました。
ところが、これをモノクロ化すると、こんな感じに。
「サザンカの花」と「葉」そして「枝」が、ほとんど同じ濃さになってしまいました。
作り物のような雰囲気にするならいいですが、メインとしたい「サザンカの花」の紅一点さがまったく感じられません。
明るさの度合いに色の情報は含まれていないため、「違う色」で「同じ明るさ」のものがあると、まったく同じ濃さになります。
ここで「人間が感じる鮮やかさ」と「実際の明るさ」は異なるというのもポイントです。
そこで、R1フィルターを取り付け、同じように撮影。
露出は枝の辺りが同じくらいとなるように調整しています。
当然赤くなるわけですが、このままでもモノクロ化したときにどうなるか分かりそうです。
「サザンカの花」=「赤い花」は赤い光を多く反射していますので、花から反射した光はフィルターを通過し、明るくなります。
そして、「緑の葉」はあまり赤い光を反射していないため、フィルターを通過する光が少なく、暗くなります。
これをモノクロ化すると、当然こんな感じに。
狙い通りに、メインの被写体である「サザンカの花」が明るく、それ以外が暗くなりました。
並べると、かなりの差です。これならタイトルを「紅一点」としてもよさそうです。
フィルター無 | R1フィルター | |
---|---|---|
モノクロ変換前 | ||
モノクロ変換後 |
モノクロ用フィルターを有効活用してメインの被写体を際立たせることで、視線誘導*10を行うことができますね。
撮影後のレタッチで「色抽出」を行い、メインの被写体だけ鮮やかにするのと同じような感覚です。
基本的に、人間の眼は色のある世界を見ています。
一方、モノクロ写真の世界は「モノクロ」すなわち「単色」の世界です。
一般的には「モノクロ写真」=「白黒写真」ですので、「白と黒の濃淡」だけで表現されることになります。
つまり、モノクロ化した後には白黒の濃淡しか残らないので、いかに色を割り当てるか、コントラストを強調するかがポイントになるというわけです。
4. 「モノクロ用フィルター」の種類と撮影時の注意点
「モノクロ用フィルター」は、用途別に分けると次のようなものがあります。
- ・色彩強調、コントラスト強調用
- Y(イエロー)、YA/O(オレンジ)、R(レッド)
- ・色彩強調用
- PO/G(グリーン)
- ・赤外撮影用
- R72など
イエロー(Y)、オレンジ(YA/O)、レッド(R)の3つは光の透過特性が急峻で、それぞれのフィルター色の光の波長よりも短い波長の光をほぼ完全にカットすることができます。
イエロー(Y)、オレンジ(YA/O)、レッド(R)の順にカットする範囲が広くなるため、コントラストも強くなります。
今回の例のように青空と雲のコントラストを上げたり、緑の中の花を目立たせたりすることができます。
また、短い波長の光は散乱しやすいためコントラストが下がりやすく、特にフィルムカメラではこれらのフィルターがよく使われていました。
モノクロフィルムが主流の時代、一般的な撮影では適度なコントラストのイエローが常用フィルターとされていました。
今回は使っていませんが、これに対してグリーン(PO/G)は比較的なだらかな透過特性のフィルターで、人間の眼に近い特性となっています。
新緑を明るく写したり、ポートレート*11撮影で肌や唇を落ち着かせるのに使います。
また、これとは別に赤外撮影用フィルターもありますが、ここでは説明は割愛し紹介のみとしておきます。
当然ですがこれらのフィルターを使うと光量も落ちるため、普通に撮影するときと比べて絞り*12を開けたりシャッタースピード*13を遅くする必要があります。
以前の記事で紹介した「PLフィルター」でも同様でしたね。
大まかな目安は「露出倍数*14」「フィルター係数」として段*15数が記載されていることが多いので、これを参考にしてください。
一般的には、イエロー(Y2)が1段、オレンジ(YA3)が2段、レッド(R1)が3段くらいですが、フィルターによって、そして被写体の反射光によって変わってきます。
あくまでも目安とお考えください。
5. まとめ
モノクロ用フィルターを使うことで、写真のコントラストを調整・強調することができます。
有効に使うことで、見た時の印象に近付ける、あるいはより独創的なイメージを作り出すことができます。
今は、デジタルでの画像処理で撮影後にお好みの調整ができますね。
デジタルカメラでモノクロ用フィルターを再現する設定が使用できる機種もあります。
ただ白黒にするだけでなく、どのように白黒に置き換えるか。色々と考えると、非常に奥の深い世界です。
白黒なのにカラーで考えなくてはいけないというのが、モノクロ写真の面白さ。
フィルターを使用しての撮影を実際に行うことで、写真をどのように仕上げるかイメージしやすくなるかもしれません。
デジタルカメラであればやり直しがいくらでもできますので、ぜひ試行錯誤しつつ楽しんでみてください。
*1 モノクロフィルムとは、白黒写真の写真フィルムのことをいいます。カラーフィルムと異なり銀粒子が写真を形成するため、独特の粒子感があります。
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*2 フィルターとは、レンズに取り付けることで様々な効果を得ることのできるアクセサリーです。レンズ前面に取り付けるもののほか、レンズに内蔵されているもの等があります。
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*3 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
記事に戻る
*4 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*5 レタッチ(フォトレタッチ)とは、画像データを加工や修正のことです。
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*6 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*7 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*8 彩度とは、色の三属性の一つで、鮮やかさを表します。無彩色では0で、純色で最大となります。
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*9 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*10 視線誘導とは、写真を見る人の視線を主題に引き寄せることを言います。構図の工夫や明暗差により行うことができます。
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*11 ポートレートとは、人物を主題とした写真のことをいいます。
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*12 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*13 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*14 露出倍数とは、フィルターなどによって減少する光量の補正値のことです。
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*15 露出の単位として、段が用いられることがあります。これは2倍もしくは1/2倍を1段とし、例えば「1段絞る」=「F値を約1.4倍にする」となります。
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幻想的な多重露光撮影を試してみませんか? [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
前回の記事では、少し昔のデジタルカメラ*1での撮影と、SILKYPIXを使ったJPEG写真の現像(調整)について紹介しました。
そのとき、ふと「JPEG撮影といえば多重露光かな」と思ったので、今回は多重露光について。
多重露光(多重露出)とは、フィルムの巻き上げ操作をせずにもう一度露光*2を行うことです。
こうすることで、フィルム1コマに対して2つのシーンを重ねることができます。
本来はありえない被写体の繋ぎ合わせができますので、幻想的な写真や、意図的な表現が可能です。
デジタルカメラではフィルムの巻き上げはもちろんないので、レタッチ*3での合成と何が違うのかと思うかもしれませんし、実際に得られる写真は合成と変わりません。
ですが、カメラ単体での多重露光は撮影時に行う操作であるため、後処理での合成よりも撮影時の意図を反映させやすいと私は考えています。
ある程度マニュアルでの操作が可能なカメラであれば、撮影メニューの中に「多重露光」や「多重露出」といった項目があると思います。
今回はリコーの「GR」を使って撮影しましたが、GRでは「撮影設定」の中に「多重露光撮影」があります。
具体的な撮り方ですが、多重露光では「露光していない(暗い)部分」に「別の像を重ねる」ことが基本となります。
ある程度明暗差のある被写体を選ぶことで、よりはっきりとした重ね合わせが可能となります。
とはいえ、撮影後のイメージに「慣れ」が必要な手法ですので、まずは色々な被写体で試してみるといいかと思います。
以下、写真は撮影後にJPEGで記録される多重露光した画像に対し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」で調整しました。
全て三脚等は使わず、手持ちでの撮影です。
まずは、2枚の多重露光です。
1枚目には木を見上げて葉の影を撮影し、2枚目は花を撮影しました。
何もないところに、無理矢理分割構図*4を作り出した感じです。
もう少し1枚目を白飛び*5させてしまい、境界をはっきりさせてもよかったですね。
ありきたりですが、手をかざして多重露光。
こちらは3枚での多重露光で、最初の一枚は空に手をかざした写真、2枚目と3枚目で花を撮影して重ねています。
空に手をかざすと、明るい空が白飛び気味になり、暗く写った手の部分に残りのモチーフを入れることができます。
曇り空だったので、雲の部分はぼんやりとした写り込みになりました。
最終的に、SILKYPIXのテイスト「ノスタルジックトイカメラ」を適用して全体的に彩度を下げてみました。
ノスタルジックトイカメラにより周辺が暗くなりますので、中心部分への視線誘導*6の効果も持たせることができます。
イルミネーションの撮影にも、多重露光がよく使われます。
こちらは1枚目でピント*7を外してイルミネーションをぼかして撮影し、2枚目でイルミネーションにピントを合わせて撮影しました。
普通に撮影すると光がただの点になってしまいますが、実際にイルミネーションを見た時の雰囲気とは異なることが多いと思います。
特に、文字や絵をかたどって配置したイルミネーションを撮影するような場合、ピントを合わせて撮影してもわかりにくいです。
多重露光を用いることで、ソフトフィルターとは違った感じの写真に仕上がり、文字や絵をかたどったイルミネーションもわかりやすくなります。
1枚目と2枚目をなるべく同じ位置から撮るようにしましたが、あえて違う位置から重ねても面白いです。
イルミネーションがないところに、その場の雰囲気を写し込むのも方法のひとつ。
脳裏によぎった瞬間や、心象風景を描くのにぜひ活用してみてください。
今回は、多重露光について紹介しました。
1枚の写真に写し込める景色が増えると、表現も大幅に増やすことができます。
とはいえ見ている景色と異なる写真を撮るということは、冒頭にも説明したとおりイメージが難しいですね。
デジタルカメラでは、失敗を恐れずに色々と試してみるのが一番だと思います。
普段の何気ない景色からイルミネーションまで、色々な撮影方法を試してみてください!
*1 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*2 露光とは、露出ともいい、フィルムにレンズを通した光を当てることをいいます。
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*3 レタッチ(フォトレタッチ)とは、画像データを加工や修正のことです。
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*4 分割構図とは、写真の構図のひとつで、画面内をいくつかの領域に分割する構図のことです。
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*5 白飛びとは、本来明るさに階調を持つ部分が、真っ白に記録されてしまっていることをいいます。
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*6 視線誘導とは、写真を見る人の視線を主題に引き寄せることを言います。構図の工夫や明暗差により行うことができます。
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*7 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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前回の記事では、少し昔のデジタルカメラ*1での撮影と、SILKYPIXを使ったJPEG写真の現像(調整)について紹介しました。
そのとき、ふと「JPEG撮影といえば多重露光かな」と思ったので、今回は多重露光について。
多重露光(多重露出)とは、フィルムの巻き上げ操作をせずにもう一度露光*2を行うことです。
こうすることで、フィルム1コマに対して2つのシーンを重ねることができます。
本来はありえない被写体の繋ぎ合わせができますので、幻想的な写真や、意図的な表現が可能です。
デジタルカメラではフィルムの巻き上げはもちろんないので、レタッチ*3での合成と何が違うのかと思うかもしれませんし、実際に得られる写真は合成と変わりません。
ですが、カメラ単体での多重露光は撮影時に行う操作であるため、後処理での合成よりも撮影時の意図を反映させやすいと私は考えています。
ある程度マニュアルでの操作が可能なカメラであれば、撮影メニューの中に「多重露光」や「多重露出」といった項目があると思います。
今回はリコーの「GR」を使って撮影しましたが、GRでは「撮影設定」の中に「多重露光撮影」があります。
具体的な撮り方ですが、多重露光では「露光していない(暗い)部分」に「別の像を重ねる」ことが基本となります。
ある程度明暗差のある被写体を選ぶことで、よりはっきりとした重ね合わせが可能となります。
とはいえ、撮影後のイメージに「慣れ」が必要な手法ですので、まずは色々な被写体で試してみるといいかと思います。
以下、写真は撮影後にJPEGで記録される多重露光した画像に対し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」で調整しました。
全て三脚等は使わず、手持ちでの撮影です。
まずは、2枚の多重露光です。
1枚目には木を見上げて葉の影を撮影し、2枚目は花を撮影しました。
何もないところに、無理矢理分割構図*4を作り出した感じです。
もう少し1枚目を白飛び*5させてしまい、境界をはっきりさせてもよかったですね。
ありきたりですが、手をかざして多重露光。
こちらは3枚での多重露光で、最初の一枚は空に手をかざした写真、2枚目と3枚目で花を撮影して重ねています。
空に手をかざすと、明るい空が白飛び気味になり、暗く写った手の部分に残りのモチーフを入れることができます。
曇り空だったので、雲の部分はぼんやりとした写り込みになりました。
最終的に、SILKYPIXのテイスト「ノスタルジックトイカメラ」を適用して全体的に彩度を下げてみました。
ノスタルジックトイカメラにより周辺が暗くなりますので、中心部分への視線誘導*6の効果も持たせることができます。
イルミネーションの撮影にも、多重露光がよく使われます。
こちらは1枚目でピント*7を外してイルミネーションをぼかして撮影し、2枚目でイルミネーションにピントを合わせて撮影しました。
普通に撮影すると光がただの点になってしまいますが、実際にイルミネーションを見た時の雰囲気とは異なることが多いと思います。
特に、文字や絵をかたどって配置したイルミネーションを撮影するような場合、ピントを合わせて撮影してもわかりにくいです。
多重露光を用いることで、ソフトフィルターとは違った感じの写真に仕上がり、文字や絵をかたどったイルミネーションもわかりやすくなります。
1枚目と2枚目をなるべく同じ位置から撮るようにしましたが、あえて違う位置から重ねても面白いです。
イルミネーションがないところに、その場の雰囲気を写し込むのも方法のひとつ。
脳裏によぎった瞬間や、心象風景を描くのにぜひ活用してみてください。
今回は、多重露光について紹介しました。
1枚の写真に写し込める景色が増えると、表現も大幅に増やすことができます。
とはいえ見ている景色と異なる写真を撮るということは、冒頭にも説明したとおりイメージが難しいですね。
デジタルカメラでは、失敗を恐れずに色々と試してみるのが一番だと思います。
普段の何気ない景色からイルミネーションまで、色々な撮影方法を試してみてください!
*1 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*2 露光とは、露出ともいい、フィルムにレンズを通した光を当てることをいいます。
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*3 レタッチ(フォトレタッチ)とは、画像データを加工や修正のことです。
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*4 分割構図とは、写真の構図のひとつで、画面内をいくつかの領域に分割する構図のことです。
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*5 白飛びとは、本来明るさに階調を持つ部分が、真っ白に記録されてしまっていることをいいます。
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*6 視線誘導とは、写真を見る人の視線を主題に引き寄せることを言います。構図の工夫や明暗差により行うことができます。
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*7 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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少し昔のデジタルカメラを持って ~SILKYPIXでJPEG調整編~ [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
今回は、少し昔のデジタルカメラ*1を持って、幕張を散歩してきました。
持って行ったのは、2004年発売(なんと12年前!)のコンパクトデジタルカメラ*2「Ricoh Caplio R1S」。
本体前面のスライド式の電源スイッチが特徴的な、小さい割にずっしりと金属感のあるコンパクトデジタルカメラです。
一般的な「JPEG画像*3」の記録のみに対応したデジタルカメラで、「RAW*4モード」での撮影はできません。
当ブログ(少なくとも「撮影に行こう」カテゴリ)では、これまでJPEG記録のみに対応したカメラで撮影した写真はあまり取り扱っていませんでした。
「RAW現像*5」での調整が最も効果的なのは、当然ながら情報量の豊富な「RAWデータ」を現像するときです。
ですが、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」をはじめとするSILKYPIXシリーズでは、「JPEG画像」であっても拡張して処理することで高画質な画像調整を行うことができます。
処理自体はレタッチ*6ですが、RAW現像と同じ調整項目を使用して調整できることがメリットです。
JPEG専用に特化した「SILKYPIX Jpeg Photography 7」もあり、こちらはRAWデータを取り扱えない分お安くなっています。
と、少し宣伝が入ってしまいましたね。
以下、写真は「Ricoh Caplio R1S」のJPEG画像に対し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」で調整しています。
今回はカメラの色を残したかったため、JPEG画像から色味をあまり変更しないように調整しています。
まずは、空を見上げての一枚。
調整したのは、調子(コントラスト*7)とシャープネス*8、ノイズリダクション*9。
画素数*10は400万画素、2016年現在のデジタルカメラとは比較になりませんが、それ以外は今でも十分通用すると思います。
シャープネスにはSILKYPIXの「ナチュラルシャープ」を使用。
効かせ過ぎには注意ですが、細部の輪郭をくっきりと強調させることができます。
コンパクトデジタルカメラといえば、マクロ*11モードが売りの一つ。
近場のマリーゴールドに寄って撮影してみました。
「ボカすのが難しい」と言われることの多いコンパクトデジタルカメラですが、マクロモードを活用することでボケ表現が可能です。
公園の樹と、空の対比を一枚。
コントラストの激しい被写体をJPEGで撮影する場合は、意図しない白飛び*12・黒つぶれ*13をいかに防ぐかが重要になります。
このシーンでは空が飛ばないようマイナスに露出補正*14をして撮影し、SILKYPIXの覆い焼き*15で芝生のシャドウ*16部分を持ち上げました。
さすがにシャドウ部分はディティール*17が潰れてしまっていますが、全体のバランスを考えて調整しています。
こちらも、前の一枚と同じような調整を行っています。
さすがに拡大するとディティールも粗いですが、そこは雰囲気を楽しんでいただければ。
マクロモードで、お休み中のアキアカネに寄ってみました。
逆光*18ともなると、さすがに露出が細かく調整できないコンパクトデジタルカメラでの撮影は難しいですね。
後から露出を全体的に持ち上げ、調整しています。
調整を頑張ったおかげで、お気に入りの一枚です。
今回は、12年前のデジタルカメラ「Ricoh Caplio R1S」で撮影した写真をSILKYPIXで調整してみました。
さすがに画素数が心許無かったですが、初心に返ってピント*19合わせと手ブレ*20、そして露出補正に気を付けて撮影してきました。
(そういう意味では、いつもとあまり変わらないかもしれません)
画素数の小ささ故、極端なトリミング*21や引き伸ばしての印刷には向かないですが、ちょっとした散歩のお供や2L判くらいまでの印刷であれば十分といえます。
みなさんのお手元に少し古いデジタルカメラが転がっていたら、久しぶりに写真を撮ってみるのもいいかもしれませんよ。
RAW現像ソフトの多くは、RAWデータだけでなくJPEG画像の調整も可能です。
よく撮影中に「普段はRAWモードで撮影していて、たまたまJPEGモードに切り替わっていた」なんてときもあると思います。
そのようなときも、RAWほどではありませんが調整できますので、ぜひ活用してみてください。
*1 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*2 カメラにレンズが一体化され、小型軽量に設計されたデジタルカメラのことをいいます。
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*3 JPEGとは静止画像の圧縮形式のひとつで、一般的に用いられる画像のフォーマットです。
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*4 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
記事に戻る
*5 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*6 レタッチ(フォトレタッチ)とは、画像データを加工や修正のことです。
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*7 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*8 シャープネスとは、画像のコントラストを調整して輪郭をはっきりと見えるようにする処理のことです。
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*9 ノイズリダクションとは、画像のノイズを軽減する処理のことです。
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*10 デジタルカメラのイメージセンサには受光素子が並んでいますが、この素子の数のことを画素数といいます。
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*11 マクロ撮影とは、被写体に近づいて拡大して撮影することです。
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*12 白飛びとは、本来明るさに階調を持つ部分が、真っ白に記録されてしまっていることをいいます。
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*13 黒つぶれとは、本来明るさに階調を持つ部分が、真っ黒に記録されてしまっていることをいいます。
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*14 露出補正とは、カメラが決定した適正露出から撮影者の意図に応じて露出を調整する機能のことです。
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*15 覆い焼きとは、写真の露出が不足している部分を明るくする処理のことをいいます。
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*16 シャドウとは、写真の中で暗い部分や黒い部分のことをいいます。
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*17 ディティールとは、写真の細部のことです。
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*18 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*19 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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*20 手ブレとは、シャッターが開いている間に撮影者が動くことにより生じるブレです。写真が何枚も重なったように写り、写真の鮮明さが損なわれます。
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*21 トリミングとは、撮影後に画像の周囲を削り、画像の一部分を切り出すことをいいます。
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今回は、少し昔のデジタルカメラ*1を持って、幕張を散歩してきました。
持って行ったのは、2004年発売(なんと12年前!)のコンパクトデジタルカメラ*2「Ricoh Caplio R1S」。
本体前面のスライド式の電源スイッチが特徴的な、小さい割にずっしりと金属感のあるコンパクトデジタルカメラです。
一般的な「JPEG画像*3」の記録のみに対応したデジタルカメラで、「RAW*4モード」での撮影はできません。
当ブログ(少なくとも「撮影に行こう」カテゴリ)では、これまでJPEG記録のみに対応したカメラで撮影した写真はあまり取り扱っていませんでした。
「RAW現像*5」での調整が最も効果的なのは、当然ながら情報量の豊富な「RAWデータ」を現像するときです。
ですが、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」をはじめとするSILKYPIXシリーズでは、「JPEG画像」であっても拡張して処理することで高画質な画像調整を行うことができます。
処理自体はレタッチ*6ですが、RAW現像と同じ調整項目を使用して調整できることがメリットです。
JPEG専用に特化した「SILKYPIX Jpeg Photography 7」もあり、こちらはRAWデータを取り扱えない分お安くなっています。
と、少し宣伝が入ってしまいましたね。
以下、写真は「Ricoh Caplio R1S」のJPEG画像に対し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」で調整しています。
今回はカメラの色を残したかったため、JPEG画像から色味をあまり変更しないように調整しています。
まずは、空を見上げての一枚。
調整したのは、調子(コントラスト*7)とシャープネス*8、ノイズリダクション*9。
画素数*10は400万画素、2016年現在のデジタルカメラとは比較になりませんが、それ以外は今でも十分通用すると思います。
シャープネスにはSILKYPIXの「ナチュラルシャープ」を使用。
効かせ過ぎには注意ですが、細部の輪郭をくっきりと強調させることができます。
コンパクトデジタルカメラといえば、マクロ*11モードが売りの一つ。
近場のマリーゴールドに寄って撮影してみました。
「ボカすのが難しい」と言われることの多いコンパクトデジタルカメラですが、マクロモードを活用することでボケ表現が可能です。
公園の樹と、空の対比を一枚。
コントラストの激しい被写体をJPEGで撮影する場合は、意図しない白飛び*12・黒つぶれ*13をいかに防ぐかが重要になります。
このシーンでは空が飛ばないようマイナスに露出補正*14をして撮影し、SILKYPIXの覆い焼き*15で芝生のシャドウ*16部分を持ち上げました。
さすがにシャドウ部分はディティール*17が潰れてしまっていますが、全体のバランスを考えて調整しています。
こちらも、前の一枚と同じような調整を行っています。
さすがに拡大するとディティールも粗いですが、そこは雰囲気を楽しんでいただければ。
マクロモードで、お休み中のアキアカネに寄ってみました。
逆光*18ともなると、さすがに露出が細かく調整できないコンパクトデジタルカメラでの撮影は難しいですね。
後から露出を全体的に持ち上げ、調整しています。
調整を頑張ったおかげで、お気に入りの一枚です。
今回は、12年前のデジタルカメラ「Ricoh Caplio R1S」で撮影した写真をSILKYPIXで調整してみました。
さすがに画素数が心許無かったですが、初心に返ってピント*19合わせと手ブレ*20、そして露出補正に気を付けて撮影してきました。
(そういう意味では、いつもとあまり変わらないかもしれません)
画素数の小ささ故、極端なトリミング*21や引き伸ばしての印刷には向かないですが、ちょっとした散歩のお供や2L判くらいまでの印刷であれば十分といえます。
みなさんのお手元に少し古いデジタルカメラが転がっていたら、久しぶりに写真を撮ってみるのもいいかもしれませんよ。
RAW現像ソフトの多くは、RAWデータだけでなくJPEG画像の調整も可能です。
よく撮影中に「普段はRAWモードで撮影していて、たまたまJPEGモードに切り替わっていた」なんてときもあると思います。
そのようなときも、RAWほどではありませんが調整できますので、ぜひ活用してみてください。
*1 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*2 カメラにレンズが一体化され、小型軽量に設計されたデジタルカメラのことをいいます。
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*3 JPEGとは静止画像の圧縮形式のひとつで、一般的に用いられる画像のフォーマットです。
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*4 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
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*5 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*6 レタッチ(フォトレタッチ)とは、画像データを加工や修正のことです。
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*7 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*8 シャープネスとは、画像のコントラストを調整して輪郭をはっきりと見えるようにする処理のことです。
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*9 ノイズリダクションとは、画像のノイズを軽減する処理のことです。
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*10 デジタルカメラのイメージセンサには受光素子が並んでいますが、この素子の数のことを画素数といいます。
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*11 マクロ撮影とは、被写体に近づいて拡大して撮影することです。
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*12 白飛びとは、本来明るさに階調を持つ部分が、真っ白に記録されてしまっていることをいいます。
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*13 黒つぶれとは、本来明るさに階調を持つ部分が、真っ黒に記録されてしまっていることをいいます。
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*14 露出補正とは、カメラが決定した適正露出から撮影者の意図に応じて露出を調整する機能のことです。
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*15 覆い焼きとは、写真の露出が不足している部分を明るくする処理のことをいいます。
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*16 シャドウとは、写真の中で暗い部分や黒い部分のことをいいます。
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*17 ディティールとは、写真の細部のことです。
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*18 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*19 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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*20 手ブレとは、シャッターが開いている間に撮影者が動くことにより生じるブレです。写真が何枚も重なったように写り、写真の鮮明さが損なわれます。
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*21 トリミングとは、撮影後に画像の周囲を削り、画像の一部分を切り出すことをいいます。
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コンパクトカメラを片手に夕焼けの幕張の浜へ [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
今回は、市川ソフトラボラトリーからも近い「幕張の浜」へ夕焼けを撮りに行ってきました。
持って行ったのは、以前の記事でも使っているコンパクトデジタルカメラ*1「PENTAX MX-1」。
クラシカルな外観が特徴のコンパクトデジタルカメラです。
一眼カメラ*2は高画質ですが大きくて重いので、ふとどこかへ出かけたくなったり、ちょっと持ち歩く場合はコンパクトカメラ*3の方が便利なことも多いですね。
「PENTAX MX-1」をはじめ「高級コンパクトデジタルカメラ」と呼ばれるカメラは、RAW*4形式での保存が可能で、普段の持ち歩きやスナップ*5、更には一眼カメラの補助用途としても活躍できるように作られています。
以下、写真は「PENTAX MX-1」のRAWモードで撮影し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」で調整・RAW現像しました。
夕焼けっぽさを出すため、ホワイトバランス*6を黄色・赤色方向に調整し、コントラスト*7を強めにして調整してみました。
まずは、夕陽に照らされた砂浜を一枚。
斜めからの日を受けた、砂浜の波跡の陰影がとても綺麗です。
幕張の浜は遊泳禁止となっていますが、とてものんびりしていて散歩にはいいと思います。
雲の形が翼のようで印象的だったため、近くの流木と対比させて撮影してみました。
絞り*8はF5.6、被写界深度*9を深くして手前の流木から背景の対岸まではっきりと写してみました。
コンパクトデジタルカメラの多くはフード*10が無いので、この写真のように逆光*11だとゴースト*12が出やすいです。
ですが、これはこれで眩しさが感じられて、いい味付けになったと思います。
ぐっとカメラを地表付近に下げて、広角*13マクロ*14的な一枚。
先程と同じF5.6ですが、遠景をボカすために思い切り近付きました。
波打ち際が下がっているため、元々広角側で撮影したことに加えて遠近感を強調できたと思います。
こちらは絞りをF2.0まで開け、花壇のマリーゴールドをマクロ撮影。
広角でマクロ撮影するメリットとして、背景を一緒に写し込めることがあげられます。
撮影後の結果が直感的にわかるので、一眼レフであっても液晶モニタを見ながらのライブビュー撮影の方が撮りやすいです。
橋の形がおもしろかったので、撮ってみました。
金属の曲面は、日が当たると綺麗ですね。
帰り道、ふと上を見上げるとジョロウグモがいました。
シルエットが綺麗だったので撮影してみました。
今回は、コンパクトデジタルカメラでのスナップ撮影でした。
デジタルカメラでの撮影では、普段はホワイトバランスをオートにしている方が多いと思います。
ほとんどのシーンではオートで問題ないのですが、夕焼け時には「夕焼けっぽさ」を補正して、普通の写真にしてしまうことがあります。
もしRAWモードが無いカメラの場合は「曇り」や「日陰」に設定してみましょう。
こうすることで黄色味が強くなり、夕焼けっぽさを強調することができます。
黄色味が強すぎると思った場合や、空の青も綺麗に撮りたい場合は、「太陽光」がオススメです。
うまく夕焼けが撮れないと思ったら、一度ホワイトバランスを見直してみてください。
RAWモードで撮影したのであれば、今回のように後からホワイトバランスを変更し、納得のいくまで調整することができます。
*1 カメラにレンズが一体化され、小型軽量に設計されたデジタルカメラのことをいいます。
記事に戻る
*2 一眼カメラとは、レンズ交換が可能なカメラ全般を指します。実際の撮影イメージを光学ファインダーで確認することができる一眼レフカメラと、液晶画面によって確認することができるミラーレスカメラがあります。
記事に戻る
*3 コンパクトカメラとは、小型軽量に設計されたカメラのことです。レンズ交換が可能なカメラに対し、レンズ交換が不可能なカメラの総称としても用いられます。
記事に戻る
*4 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
記事に戻る
*5 スナップとは、日常の風景、人物の飾らない様子や素振りなど、気になったものや瞬間を素早く撮ることをいいます。
記事に戻る
*6 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*7 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*8 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*9 被写界深度とは、ピントの合っているように見える範囲のことを言います。
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*10 レンズフードとは、撮影用レンズの先端部に取り付けることで、不要な光線を遮るアクセサリーです。
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*11 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*12 ゴーストとは、レンズに強い光が入ったときに内部で反射して生じる光の漏れのうち、はっきりとした形状となって表れるものをいいます。 フードを付け、余計な光が入らないようにすることで防止することができますが、逆光などの条件ではどうしても出てしまうことがあります。
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*13 広角とは、画角(写る範囲)が広いことをいいます。35mm判換算で50mm付近の焦点距離を標準といい、これよりも短い焦点距離を広角といいます。
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*14 マクロ撮影とは、被写体に近づいて拡大して撮影することです。
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今回は、市川ソフトラボラトリーからも近い「幕張の浜」へ夕焼けを撮りに行ってきました。
持って行ったのは、以前の記事でも使っているコンパクトデジタルカメラ*1「PENTAX MX-1」。
クラシカルな外観が特徴のコンパクトデジタルカメラです。
一眼カメラ*2は高画質ですが大きくて重いので、ふとどこかへ出かけたくなったり、ちょっと持ち歩く場合はコンパクトカメラ*3の方が便利なことも多いですね。
「PENTAX MX-1」をはじめ「高級コンパクトデジタルカメラ」と呼ばれるカメラは、RAW*4形式での保存が可能で、普段の持ち歩きやスナップ*5、更には一眼カメラの補助用途としても活躍できるように作られています。
以下、写真は「PENTAX MX-1」のRAWモードで撮影し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」で調整・RAW現像しました。
夕焼けっぽさを出すため、ホワイトバランス*6を黄色・赤色方向に調整し、コントラスト*7を強めにして調整してみました。
まずは、夕陽に照らされた砂浜を一枚。
斜めからの日を受けた、砂浜の波跡の陰影がとても綺麗です。
幕張の浜は遊泳禁止となっていますが、とてものんびりしていて散歩にはいいと思います。
雲の形が翼のようで印象的だったため、近くの流木と対比させて撮影してみました。
絞り*8はF5.6、被写界深度*9を深くして手前の流木から背景の対岸まではっきりと写してみました。
コンパクトデジタルカメラの多くはフード*10が無いので、この写真のように逆光*11だとゴースト*12が出やすいです。
ですが、これはこれで眩しさが感じられて、いい味付けになったと思います。
ぐっとカメラを地表付近に下げて、広角*13マクロ*14的な一枚。
先程と同じF5.6ですが、遠景をボカすために思い切り近付きました。
波打ち際が下がっているため、元々広角側で撮影したことに加えて遠近感を強調できたと思います。
こちらは絞りをF2.0まで開け、花壇のマリーゴールドをマクロ撮影。
広角でマクロ撮影するメリットとして、背景を一緒に写し込めることがあげられます。
撮影後の結果が直感的にわかるので、一眼レフであっても液晶モニタを見ながらのライブビュー撮影の方が撮りやすいです。
橋の形がおもしろかったので、撮ってみました。
金属の曲面は、日が当たると綺麗ですね。
帰り道、ふと上を見上げるとジョロウグモがいました。
シルエットが綺麗だったので撮影してみました。
今回は、コンパクトデジタルカメラでのスナップ撮影でした。
デジタルカメラでの撮影では、普段はホワイトバランスをオートにしている方が多いと思います。
ほとんどのシーンではオートで問題ないのですが、夕焼け時には「夕焼けっぽさ」を補正して、普通の写真にしてしまうことがあります。
もしRAWモードが無いカメラの場合は「曇り」や「日陰」に設定してみましょう。
こうすることで黄色味が強くなり、夕焼けっぽさを強調することができます。
黄色味が強すぎると思った場合や、空の青も綺麗に撮りたい場合は、「太陽光」がオススメです。
うまく夕焼けが撮れないと思ったら、一度ホワイトバランスを見直してみてください。
RAWモードで撮影したのであれば、今回のように後からホワイトバランスを変更し、納得のいくまで調整することができます。
*1 カメラにレンズが一体化され、小型軽量に設計されたデジタルカメラのことをいいます。
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*2 一眼カメラとは、レンズ交換が可能なカメラ全般を指します。実際の撮影イメージを光学ファインダーで確認することができる一眼レフカメラと、液晶画面によって確認することができるミラーレスカメラがあります。
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*3 コンパクトカメラとは、小型軽量に設計されたカメラのことです。レンズ交換が可能なカメラに対し、レンズ交換が不可能なカメラの総称としても用いられます。
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*4 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
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*5 スナップとは、日常の風景、人物の飾らない様子や素振りなど、気になったものや瞬間を素早く撮ることをいいます。
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*6 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*7 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*8 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*9 被写界深度とは、ピントの合っているように見える範囲のことを言います。
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*10 レンズフードとは、撮影用レンズの先端部に取り付けることで、不要な光線を遮るアクセサリーです。
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*11 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*12 ゴーストとは、レンズに強い光が入ったときに内部で反射して生じる光の漏れのうち、はっきりとした形状となって表れるものをいいます。 フードを付け、余計な光が入らないようにすることで防止することができますが、逆光などの条件ではどうしても出てしまうことがあります。
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*13 広角とは、画角(写る範囲)が広いことをいいます。35mm判換算で50mm付近の焦点距離を標準といい、これよりも短い焦点距離を広角といいます。
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*14 マクロ撮影とは、被写体に近づいて拡大して撮影することです。
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意外と近い「浦山ダム」へ登ってみた [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
今回も、前回に引き続き秩父の記事です。
カメラは「PENTAX K-1」、写真の調整・現像には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。
ところで、みなさん旅へ行くときって何か目的がある方が多いのではないかと思います。
有名な景勝地や史跡を探訪したり、おいしい食べ物を食べに行ったり、あるいは温泉で疲れを癒したり…
前回の記事では秩父鉄道沿線のヒガンバナについて取り上げましたが、そのときふと地図を見て気になったのが「浦山ダム」。
秩父鉄道の浦山口駅からそれほど遠くなく、調べると徒歩で行けるとのこと。
ダムというと山の中、車が無いと行きづらいイメージがありますが、意外と公共交通機関のみで比較的簡単に行けるところも結構あります。
というわけで、今回は急遽目的を「ダム巡り」に変更し、いざ浦山ダムへ!
ダムまでは、舗装された車道が続きます。
この辺りは秩父札所巡りのコースでもあるので、そちらでご存知の方もいるかもしれませんね。
ダム下流のこちらの橋「諸上橋(もろかみはし)」まで来れば、目の前にダムが。
やはり大きいですね!
浦山ダムは、重力式コンクリートダム。
しっかりとした地盤に大量のコンクリートで建造した堤体の堅牢な見た目が特徴的です。
ダムの真ん中に見える白い筋はなんと放流中の水。
撮影した橋ですら結構な高さなので、高いところが苦手な方は登るのはやめておいた方が賢明です。
ちなみにこの写真、同じ場所から行きに撮ったところものすごく逆光だったので、帰りに撮ったものを掲載しています。
浦山ダム、この角度だと見事に南向きなんですね。
ダムが見えても、さすがに巨大建造物。
もう少しだけ道が続きます。
苔生した感じが、あまり歩く人がいないことを物語っていそうです。
ダム下には駐車場があり、実際車で来る人の方が多いと思います。
ダムの真下、利水放流ゲートまで来ました。
ここまで来たら、そのままダム内部へ入りエレベーターで上へ行くことができます。
…ですが、そのまま登っても面白くないと思った方はぜひこちらへどうぞ。
ダムの脇には、約500段の階段が待ち受けています。
結構な急階段で、段差も高めに作られています。
標準時間は20分くらいだそうです。筆者は10分ちょっとで登ったのでヘトヘトでした。
特に階段で登ったからといって、何か貰えるわけではないですけどね。
最上部付近から堤体を見るのも、なかなか面白いですね。
奥に見える建物は資料館「うららぴあ」。
資料館の食堂では噂の「ダムカレー」を食することができます。
ダム湖は「秩父さくら湖」と名付けられています。
名前の通り桜の季節はとても綺麗だそうです。
近くには展望台もあり、とてもいい眺望でした。
頑張って登った後の景色は、とても達成感がありますね。
もちろんエレベーターで昇っても、綺麗な景色は変わりません。
今回は、秩父の「浦山ダム」へ行ってきました。
ダムという巨大建造物を楽しめて、景色も楽しめる、まさしく一石二鳥なスポットですね。
特撮やドラマなど、ダムでロケが行われることも多いため、テレビで見たことがある風景が広がっているかもしれません。
また、こちらの浦山ダムをはじめ、全国各地のダムにて「ダムカード」というコレクションカードが配布されています。
コレクションを楽しみながらダムの種類や仕組みについても学べますので、手始めに身近なダムへ行ってみてはいかかでしょうか。
今回も、前回に引き続き秩父の記事です。
カメラは「PENTAX K-1」、写真の調整・現像には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。
ところで、みなさん旅へ行くときって何か目的がある方が多いのではないかと思います。
有名な景勝地や史跡を探訪したり、おいしい食べ物を食べに行ったり、あるいは温泉で疲れを癒したり…
前回の記事では秩父鉄道沿線のヒガンバナについて取り上げましたが、そのときふと地図を見て気になったのが「浦山ダム」。
秩父鉄道の浦山口駅からそれほど遠くなく、調べると徒歩で行けるとのこと。
ダムというと山の中、車が無いと行きづらいイメージがありますが、意外と公共交通機関のみで比較的簡単に行けるところも結構あります。
というわけで、今回は急遽目的を「ダム巡り」に変更し、いざ浦山ダムへ!
ダムまでは、舗装された車道が続きます。
この辺りは秩父札所巡りのコースでもあるので、そちらでご存知の方もいるかもしれませんね。
ダム下流のこちらの橋「諸上橋(もろかみはし)」まで来れば、目の前にダムが。
やはり大きいですね!
浦山ダムは、重力式コンクリートダム。
しっかりとした地盤に大量のコンクリートで建造した堤体の堅牢な見た目が特徴的です。
ダムの真ん中に見える白い筋はなんと放流中の水。
撮影した橋ですら結構な高さなので、高いところが苦手な方は登るのはやめておいた方が賢明です。
ちなみにこの写真、同じ場所から行きに撮ったところものすごく逆光だったので、帰りに撮ったものを掲載しています。
浦山ダム、この角度だと見事に南向きなんですね。
ダムが見えても、さすがに巨大建造物。
もう少しだけ道が続きます。
苔生した感じが、あまり歩く人がいないことを物語っていそうです。
ダム下には駐車場があり、実際車で来る人の方が多いと思います。
ダムの真下、利水放流ゲートまで来ました。
ここまで来たら、そのままダム内部へ入りエレベーターで上へ行くことができます。
…ですが、そのまま登っても面白くないと思った方はぜひこちらへどうぞ。
ダムの脇には、約500段の階段が待ち受けています。
結構な急階段で、段差も高めに作られています。
標準時間は20分くらいだそうです。筆者は10分ちょっとで登ったのでヘトヘトでした。
特に階段で登ったからといって、何か貰えるわけではないですけどね。
最上部付近から堤体を見るのも、なかなか面白いですね。
奥に見える建物は資料館「うららぴあ」。
資料館の食堂では噂の「ダムカレー」を食することができます。
ダム湖は「秩父さくら湖」と名付けられています。
名前の通り桜の季節はとても綺麗だそうです。
近くには展望台もあり、とてもいい眺望でした。
頑張って登った後の景色は、とても達成感がありますね。
もちろんエレベーターで昇っても、綺麗な景色は変わりません。
今回は、秩父の「浦山ダム」へ行ってきました。
ダムという巨大建造物を楽しめて、景色も楽しめる、まさしく一石二鳥なスポットですね。
特撮やドラマなど、ダムでロケが行われることも多いため、テレビで見たことがある風景が広がっているかもしれません。
また、こちらの浦山ダムをはじめ、全国各地のダムにて「ダムカード」というコレクションカードが配布されています。
コレクションを楽しみながらダムの種類や仕組みについても学べますので、手始めに身近なダムへ行ってみてはいかかでしょうか。
秩父路へ、ヒガンバナを訪ねて [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
しばらく記事が空いてしまいましたが、みなさん写真の方はいかがでしょうか。
さすがは秋の空模様、台風や突然の雨も多く、なかなか狙った写真を撮るのが難しい今日この頃です。
私はというと、先日「PENTAX K-1」片手に秩父へ小旅行に行ってきました。
今回は秩父の紹介も兼ねて、いくつか撮ってきた写真をお見せしたいと思います。
以下、写真は「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」にて調整・現像しています。
さて、秩父にはローカル線「秩父鉄道」が走っています。
筆者は何度か秩父に行ったことがありますが、今回は秩父鉄道沿線を楽しもうと思いました。
現在(編注:2016年10月現在)秩父鉄道ではラッピングトレイン「秩父ジオパークトレイン」と「秩父三社トレイン」が走っています。
車内まで施されたラッピングはとても綺麗ですので、ぜひ一度見に行かれてはいかがでしょうか。
普通列車ですので、普通乗車券のみで楽しむことができますよ。
この日は「沿線でヒガンバナが見頃」と聞いていたので、こちらの上長瀞駅で下車しました。
写真が前後しますが、駅のホームから見るとこんな感じ。
奥の方にヒガンバナが咲いており、駅から歩いて近付くことができます。
お隣の長瀞駅の方が大きく、「長瀞ライン下り」や「宝登山ロープウェイ」の最寄りとなっているため、ここで降りる人は少なかったです。
ちなみに、駅の近くには名物「秩父そば」のお店もありますので、お腹が空いたら一休みするのもいいですね。
ヒガンバナは、真っ赤な花がとても印象的です。
秩父の近くだと、同じく埼玉県の「巾着田」がヒガンバナの群生地として有名ですね。
稀に白いヒガンバナもありますが、日本に土着しているヒガンバナは全て遺伝的に同一なものだそうです。
秩父鉄道沿線のヒガンバナは、数こそ多くないものの、やはり鉄道と絡めた写真を撮ることができるのが楽しいですね。
こちらは秩父鉄道5000系電車。
元々は都営地下鉄6000形電車で、秩父鉄道では他の路線で活躍した電車を見ることができます。
また、秩父鉄道では蒸気機関車「C58 363号機」による「SLパレオエクスプレス号」が運行されていますが、この日も通過時間近くになると多くの鉄道ファンで賑わっていました。
ただの扇風機ですが、これでも立派な鉄道写真です(笑
普通列車も車内に丸い扇風機が見られるレトロな車両ですので、鉄道好きな方なら退屈しないと思います。
そうでない方も、のんびりと景色を楽しみながら電車の旅を楽しむことができるはずです。
秩父鉄道沿線にはヒガンバナの他にも様々な見どころがあります。
秋の花で言えば、コスモスやソバの花なども沿線で楽しむことができます。
都心からも近いですので、もし秩父へ行ったことが無いのであれば、ぜひ週末の小旅行に行かれてはいかがでしょうか。
しばらく記事が空いてしまいましたが、みなさん写真の方はいかがでしょうか。
さすがは秋の空模様、台風や突然の雨も多く、なかなか狙った写真を撮るのが難しい今日この頃です。
私はというと、先日「PENTAX K-1」片手に秩父へ小旅行に行ってきました。
今回は秩父の紹介も兼ねて、いくつか撮ってきた写真をお見せしたいと思います。
以下、写真は「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」にて調整・現像しています。
さて、秩父にはローカル線「秩父鉄道」が走っています。
筆者は何度か秩父に行ったことがありますが、今回は秩父鉄道沿線を楽しもうと思いました。
現在(編注:2016年10月現在)秩父鉄道ではラッピングトレイン「秩父ジオパークトレイン」と「秩父三社トレイン」が走っています。
車内まで施されたラッピングはとても綺麗ですので、ぜひ一度見に行かれてはいかがでしょうか。
普通列車ですので、普通乗車券のみで楽しむことができますよ。
この日は「沿線でヒガンバナが見頃」と聞いていたので、こちらの上長瀞駅で下車しました。
写真が前後しますが、駅のホームから見るとこんな感じ。
奥の方にヒガンバナが咲いており、駅から歩いて近付くことができます。
お隣の長瀞駅の方が大きく、「長瀞ライン下り」や「宝登山ロープウェイ」の最寄りとなっているため、ここで降りる人は少なかったです。
ちなみに、駅の近くには名物「秩父そば」のお店もありますので、お腹が空いたら一休みするのもいいですね。
ヒガンバナは、真っ赤な花がとても印象的です。
秩父の近くだと、同じく埼玉県の「巾着田」がヒガンバナの群生地として有名ですね。
稀に白いヒガンバナもありますが、日本に土着しているヒガンバナは全て遺伝的に同一なものだそうです。
秩父鉄道沿線のヒガンバナは、数こそ多くないものの、やはり鉄道と絡めた写真を撮ることができるのが楽しいですね。
こちらは秩父鉄道5000系電車。
元々は都営地下鉄6000形電車で、秩父鉄道では他の路線で活躍した電車を見ることができます。
また、秩父鉄道では蒸気機関車「C58 363号機」による「SLパレオエクスプレス号」が運行されていますが、この日も通過時間近くになると多くの鉄道ファンで賑わっていました。
ただの扇風機ですが、これでも立派な鉄道写真です(笑
普通列車も車内に丸い扇風機が見られるレトロな車両ですので、鉄道好きな方なら退屈しないと思います。
そうでない方も、のんびりと景色を楽しみながら電車の旅を楽しむことができるはずです。
秩父鉄道沿線にはヒガンバナの他にも様々な見どころがあります。
秋の花で言えば、コスモスやソバの花なども沿線で楽しむことができます。
都心からも近いですので、もし秩父へ行ったことが無いのであれば、ぜひ週末の小旅行に行かれてはいかがでしょうか。
モノクロネガフィルムの写真を取り込んで調整してみよう(「Nikon SP」による東京の作例付き) [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
前回の記事から、少し間が空いてしまいました。
今回は、前回の記事で使ったモノクロフィルム*1について、どのような調整をしたかを書いていきたいと思います。
以前の記事「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」にてカラーネガフィルム*2のデジタル化を説明しています。
フィルムの「取り込み(=デジタル化)」についてはほぼ同じ手順となりますので、こちらの記事を参照していただければと思います。
ニコンのレンジファインダーカメラ*3「Nikon SP」を使い、何回かに分けて『スタッフRの「撮影に行こう」』にて記事を掲載しています。
見ていない方や、「一か月以上も空いて覚えてない!」という方はこちらもご覧ください。
・ニコンのレンジファインダー機「Nikon SP」片手に東京さんぽ
「Nikon SP」の紹介とカラーネガフィルム「Fujifilm 業務用 100」によるスナップ*4作例です。
・ニコンのレンジファインダー機「Nikon SP」にモノクロフィルムを入れて川越に行ってきた
モノクロネガフィルム「Fujifilm NEOPAN 100 ACROS」によるスナップ作例です。
また、フィルムカメラ*5で撮影したネガフィルムの取り込みについて、以前に記事を掲載しています。
・ネガフィルムをデジタル化してみませんか?
「一眼カメラ*6」に「スライド*7コピーアダプター」と「ベローズ*8ユニット」という装置を使って、ネガフィルムを「RAWデータ*9」で取り込んで調整する方法について説明しています。
これ以外にも、何回かフィルムを使った作例や機材紹介があります。
こちらの「フィルムカメラ」タグにて追えるようになっていますので、興味があればご覧ください。
「フィルムカメラは敷居が高い」と思っている方も、ぜひ気軽に使って楽しんでいただければと思います。
デジタル化するだけなら「フィルムのプリントをスキャナで取り込む」のが一番簡単ですが、ネガフィルムにはこれ以上の情報が含まれています。
RAW現像*10をされている方であれば、「ネガフィルム」=「RAWデータ」、「プリント」=「JPEG画像」と考えるとわかりやすいかもしれません。
ですので、ここはやはりRAWデータで取り込んでおきたいところ。
取り込み方については、こちらの記事「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」の「2. RAWモードでの撮影によるデジタル化」をご覧ください。
ネガフィルムは一般的にラチチュード*11が広く、写真屋さんやDPE店等でプリントするときに補正されてプリントされます。
現像やプリントをするときに補正をどうするか指定することもできますが、何も指定が無ければお店の人任せもしくは機械による自動補正となります。
例えば、逆光*12で人物を撮ると、普通は人物をちょうどいい明るさにして、背景や空が真っ白でプリントされることが多いと思います。
ところが、実際には背景や空の色がしっかりと残っていることも多いです。
情報量の多いRAWで記録することで、写真屋さんの「補正してプリントへ焼き付ける」作業をRAW現像によってシミュレートすることができます。
RAW現像はデジタルの非破壊処理なので、いくらでもやり直しが効くのもお手軽で便利なところですね。
次項より、デジタルカメラ*13でRAWデータとして記録したモノクロネガ画像を取り込んだ後、SILKYPIXで調整する場合の簡単な手順を説明します。
ここではRAW現像ソフトとしてSILKYPIXを使用していますが、トーンカーブ*14の調整可能な画像編集ソフトであれば同様の処理が可能です。
カラーネガフィルムの取り込みでは、フィルムベース*16(多くはオレンジ色をしているため、オレンジベースとも呼ばれます)の色を除去する必要がありました。
(「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」の「3. RAW現像でネガ反転とレベル補正」を参照してください)
モノクロフィルムの場合、フィルムベースはグレーであることがほとんどですので、オレンジベースの色を除去する必要はありません。
そのため、ホワイトバランスは光源*17に合わせて、フィルムの色を正しく白黒にします。
「グレーバランスツール」を使用する場合、フィルム全体がモノクロのためどこを指定しても大丈夫です。
もちろん、撮影時にホワイトバランスを合わせていれば省略可能です。
カラーネガフィルムと同じC-41現像*18処理を行うものなど、一部のモノクロフィルムはベース色がグレーではないものもあります。
ベース色を除去したほうがいい場合もありますので、必要に応じて適宜使い分けてみてください。
取り込んだ画像はカラー画像ですので、まずはモノクロ画像にします。
SILKYPIXをお使いの場合は「カラー」のテイスト「モノクロ」もしくは「モノクロ2」を選択します。
あるいは、「カラー」の「彩度*19」をゼロにします。
元がモノクロの画像のため、どの方法でも大差ない結果になるはずです。
この時点までは、モノクロのネガデータのままです。
以前の記事で使用した、こちらのテイスト「ネガ反転」が使用できます。
ZIPにて圧縮していますので、ダウンロード後展開し、SILKYPIXにインポートしてください。
詳しくはこちら(SILKYPIX「創像」テイストの使用方法)を参考にしてください。
(上記テイストはSILKYPIX DSP7 / DSP6 / DS7 / DS6にてご使用いただけます)
余談ですが、カラーネガフィルムの取り込み結果をお持ちの方は、レベル補正*20前のヒストグラムを見比べてみてください。
カラーネガフィルムに比べフィルムの発色層の数が少ない分、モノクロネガフィルムのほうが多くの情報(階調*21)を持っていることが分かるかと思います。
この情報量の多さ、階調性の豊かさが、モノクロネガフィルムが今も人気がある理由の一つです。
取り込んだままではネガフィルムの広いラチチュードがそのまま反映されて、コントラスト*22の低い、いわゆる「眠い」画像となっています。
まずはRGBチャンネルの「レベル補正」によりコントラストを調整します。
目安としては、「ハイライト*23として飛ばしたいところ」「シャドウ*24として落としたいところ」を意識すると調整しやすいと思います。
(カラーネガフィルムではRGBの発色層が別々となっているため、チャンネル毎に「レベル補正」を行いました)
ただし、ネガ反転後の調整となるため、「ハイライト」「シャドウ」は左右反転した状態となっています。
後は好みに応じて、各種調整を行います。
トーンカーブにより、コントラストを調整します。
トーンカーブの調整では、「S字カーブ」を描くと「明るいところをより明るく」「暗いところをより暗く」することになり、「コントラストが高く」なります。
逆に、「逆S字カーブ」を描くと「明るいところを暗く」「暗いところを明るく」することになり、「コントラストが低く」なります。
ただし、ネガ反転後の調整となるため、左右反転した状態でトーンカーブを描く必要があることに注意しましょう。
撮影時の露光*25時間や現像時の現像時間でコントラストは変わってきますので、面倒でも一枚ずつ調整する必要があります。
レベル補正と同じく、写真全体の「ハイライト」と「シャドウ」、そして「中間調*26」を自分のイメージに合わせて調整していきます。
今回の写真では、西日の強い中で撮影したものであるため、ハイコントラストにしたいと考えて調整しました。
この写真は、ここまで調整した時点で完成です。
調整後の大きいサイズのものを載せておきました。
モノクロ写真について話をしたとき「セピア写真と何が違うの?」と聞かれたことがあります。
セピア写真とは、本来「古くなって褐色に経年劣化したモノクロ写真」のことを指します。
見た目のレトロ感やノスタルジックさのある風合いが人気で、一時期は専用フィルムが出ていたこともありますね。
現在でも、画像編集で意図的に処理することも多いです。
このような「モノクロ写真に色を加える」ことを「調色」といいます。
調色はデジタルになってから生まれたものではなく、モノクロ写真のプリントにおいてもベースの紙の色や調色剤によって行われます。
セピアのような茶色系の調色を「温黒調」、ブルー系の調色を「冷黒調」といいます。
また、このような「黒1色」に「更にもう1色」で調整することを「ダブルトーン」といいます。
トーンカーブでは、RチャンネルとBチャンネルを個別に調整することで、セピア調にしたりブルー調にしたりといった調色が可能です。
こちらもネガ反転後の調整となるため、(通常とは逆に)「Rチャンネルを下げ」「Bチャンネルを上げ」ることでセピア調となります。
逆に「Rチャンネルを上げ」「Bチャンネルを下げ」ることでブルー調となります。
通常の(ネガ反転処理をしていない)モノクロ写真であれば、「Rチャンネルを下げ」「Bチャンネルを上げ」ることでブルー調に、「Rチャンネルを上げ」「Bチャンネルを下げ」ることでセピア調になります。
今回はわかりやすくするため、ちょっと強めに調色を掛けてみました。
今回調整に使用した路地の写真では、セピア調の方が温かみがあっていいですね。
もちろん、赤や緑といった、これ以外の色に調色することもできます。
実は筆者は24枚撮りフィルムを使うことが多く、普段の撮影では「24枚」という制限が癖になっています。
36枚撮りの「Fujifilm NEOPAN 100 ACROS」を使って前回の作例を撮ったら、見事に10枚ほど余ってしまいました。
というわけで、せっかくなので残り枚数で東京駅付近をスナップ撮影してきました。
今回は調色も含めて調整してみました。
全てフィルターなしでの撮影結果を掲載しています。
また、デジタル化した写真のRAW現像は「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」にて行っています。
画像中に取り込み時のゴミが見られますが、ご了承ください。
まずはセピア調に調色した写真から。
東京駅を縦位置で。
レトロな外観の建物には、やはりセピア調でレトロ感を強調するのに向いていますね。
雑踏を、セピア調にしてみました。
どこか懐かしさや、優しさが漂うのが不思議なところです。
一方、逆にブルー調にしてみたのがこちらの写真。
ビルの合間を切り取ってみました。
無機質な構造物のシャープさや冷たさを感じさせるのに向いていますね。
午後の日差しを浴びた、ビルの側面。
寂しさや物悲しさを感じさせるブルー調と、温かみのあるセピア調とで悩みました。
さて、今回はモノクロ写真の取り込みとデジタル化、そして調整方法の一例として「調色」をご紹介しました。
単純にグレーだけと思われるモノクロ写真ですが、ひと手間「調色」を加えることで雰囲気を変えることができます。
一言に「モノクロ写真」といっても、なかなか奥が深いですね。
みなさんも、ぜひ色々な雰囲気の作品として仕上げてみてください。
*1 モノクロフィルムとは、白黒写真の写真フィルムのことをいいます。カラーフィルムと異なり銀粒子が写真を形成するため、独特の粒子感があります。
記事に戻る
*2 ネガフィルムとは写真フィルムの一つであり、明暗や色が反転した状態で記録されるフィルムのことです。写真フィルムとしては最も身近で、印画紙へのプリント時に補正がしやすいという特徴があります。
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*3 レンジファインダーカメラとは、撮影用レンズとは別に光学式距離計を搭載したカメラのことです。
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*4 スナップとは、日常の風景、人物の飾らない様子や素振りなど、気になったものや瞬間を素早く撮ることをいいます。
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*5 フィルムカメラとは、被写体像をフィルム(写真フィルム)に露光するカメラです。フィルムの感光剤に銀化合物(銀塩)を用いることから銀塩カメラともいいます。
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*6 一眼カメラとは、レンズ交換が可能なカメラ全般を指します。実際の撮影イメージを光学ファインダーで確認することができる一眼レフカメラと、液晶画面によって確認することができるミラーレスカメラがあります。
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*7 スライドとは、映写機を用いてフィルムを拡大投影すること、または投影に用いるマウントに収めた状態のポジフィルムのことです。
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*8 ベローズとは、蛇腹のことで、紙や布等で山折りと谷折りを繰り返した構造のことをいいます。カメラではピント調整機構として使用され、調整範囲を大きくすることが容易なため接写装置として用いられます。
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*9 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
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*10 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*11 ラチチュードとは、フィルムが記録可能な露出の範囲のことをいいます。
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*12 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*13 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*14 トーンカーブとは、画像の諧調を補正するツールのことです。グラフの横軸が補正前の画像のデータ、縦軸が補正後の画像のデータとなっており、明るさの補正やコントラストの調整などを細かく行うことができます。
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*15 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*16 フィルムベースとは、写真用フィルムのベースとなる材料のことです。
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*17 光源とは、被写体を照らす光のことです。太陽光等の天然光源の他、蛍光灯や電球等の人工光源を総称していいます。
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*18 C-41現像とは、カラーネガフィルムの現像に用いられる標準的な方法です。
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*19 彩度とは、色の三属性の一つで、鮮やかさを表します。無彩色では0で、純色で最大となります。
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*20 レベル補正とは、黒として補正する輝度値と、白として補正する輝度値を指定する補正のことです。
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*21 階調とは、濃淡の段階数のことです。
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*22 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*23 ハイライトとは、写真の中で明るい部分や白い部分のことをいいます。
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*24 シャドウとは、写真の中で暗い部分や黒い部分のことをいいます。
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*25 露光とは、露出ともいい、フィルムにレンズを通した光を当てることをいいます。
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*26 中間調とは、写真の中で中間の輝度の部分のことをいいます。
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前回の記事から、少し間が空いてしまいました。
今回は、前回の記事で使ったモノクロフィルム*1について、どのような調整をしたかを書いていきたいと思います。
以前の記事「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」にてカラーネガフィルム*2のデジタル化を説明しています。
フィルムの「取り込み(=デジタル化)」についてはほぼ同じ手順となりますので、こちらの記事を参照していただければと思います。
目次
1. これまでの記事について
ニコンのレンジファインダーカメラ*3「Nikon SP」を使い、何回かに分けて『スタッフRの「撮影に行こう」』にて記事を掲載しています。
見ていない方や、「一か月以上も空いて覚えてない!」という方はこちらもご覧ください。
・ニコンのレンジファインダー機「Nikon SP」片手に東京さんぽ
「Nikon SP」の紹介とカラーネガフィルム「Fujifilm 業務用 100」によるスナップ*4作例です。
・ニコンのレンジファインダー機「Nikon SP」にモノクロフィルムを入れて川越に行ってきた
モノクロネガフィルム「Fujifilm NEOPAN 100 ACROS」によるスナップ作例です。
また、フィルムカメラ*5で撮影したネガフィルムの取り込みについて、以前に記事を掲載しています。
・ネガフィルムをデジタル化してみませんか?
「一眼カメラ*6」に「スライド*7コピーアダプター」と「ベローズ*8ユニット」という装置を使って、ネガフィルムを「RAWデータ*9」で取り込んで調整する方法について説明しています。
これ以外にも、何回かフィルムを使った作例や機材紹介があります。
こちらの「フィルムカメラ」タグにて追えるようになっていますので、興味があればご覧ください。
「フィルムカメラは敷居が高い」と思っている方も、ぜひ気軽に使って楽しんでいただければと思います。
2. ネガフィルムの取り込み・デジタル化について
デジタル化するだけなら「フィルムのプリントをスキャナで取り込む」のが一番簡単ですが、ネガフィルムにはこれ以上の情報が含まれています。
RAW現像*10をされている方であれば、「ネガフィルム」=「RAWデータ」、「プリント」=「JPEG画像」と考えるとわかりやすいかもしれません。
ですので、ここはやはりRAWデータで取り込んでおきたいところ。
取り込み方については、こちらの記事「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」の「2. RAWモードでの撮影によるデジタル化」をご覧ください。
ネガフィルムは一般的にラチチュード*11が広く、写真屋さんやDPE店等でプリントするときに補正されてプリントされます。
現像やプリントをするときに補正をどうするか指定することもできますが、何も指定が無ければお店の人任せもしくは機械による自動補正となります。
例えば、逆光*12で人物を撮ると、普通は人物をちょうどいい明るさにして、背景や空が真っ白でプリントされることが多いと思います。
ところが、実際には背景や空の色がしっかりと残っていることも多いです。
情報量の多いRAWで記録することで、写真屋さんの「補正してプリントへ焼き付ける」作業をRAW現像によってシミュレートすることができます。
RAW現像はデジタルの非破壊処理なので、いくらでもやり直しが効くのもお手軽で便利なところですね。
次項より、デジタルカメラ*13でRAWデータとして記録したモノクロネガ画像を取り込んだ後、SILKYPIXで調整する場合の簡単な手順を説明します。
ここではRAW現像ソフトとしてSILKYPIXを使用していますが、トーンカーブ*14の調整可能な画像編集ソフトであれば同様の処理が可能です。
3. RAW現像によるモノクロネガの調整方法について
3.1 「グレーバランスツール」でホワイトバランス*15を決定
カラーネガフィルムの取り込みでは、フィルムベース*16(多くはオレンジ色をしているため、オレンジベースとも呼ばれます)の色を除去する必要がありました。
(「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」の「3. RAW現像でネガ反転とレベル補正」を参照してください)
モノクロフィルムの場合、フィルムベースはグレーであることがほとんどですので、オレンジベースの色を除去する必要はありません。
そのため、ホワイトバランスは光源*17に合わせて、フィルムの色を正しく白黒にします。
「グレーバランスツール」を使用する場合、フィルム全体がモノクロのためどこを指定しても大丈夫です。
もちろん、撮影時にホワイトバランスを合わせていれば省略可能です。
カラーネガフィルムと同じC-41現像*18処理を行うものなど、一部のモノクロフィルムはベース色がグレーではないものもあります。
ベース色を除去したほうがいい場合もありますので、必要に応じて適宜使い分けてみてください。
3.2 「カラー」によるモノクロ化
取り込んだ画像はカラー画像ですので、まずはモノクロ画像にします。
SILKYPIXをお使いの場合は「カラー」のテイスト「モノクロ」もしくは「モノクロ2」を選択します。
あるいは、「カラー」の「彩度*19」をゼロにします。
元がモノクロの画像のため、どの方法でも大差ない結果になるはずです。
この時点までは、モノクロのネガデータのままです。
3.3 「トーンカーブ」によりネガ反転
以前の記事で使用した、こちらのテイスト「ネガ反転」が使用できます。
ZIPにて圧縮していますので、ダウンロード後展開し、SILKYPIXにインポートしてください。
詳しくはこちら(SILKYPIX「創像」テイストの使用方法)を参考にしてください。
(上記テイストはSILKYPIX DSP7 / DSP6 / DS7 / DS6にてご使用いただけます)
写真 | トーンカーブ | |
ネガ反転前 | ||
ネガ反転後 (ポジ) |
余談ですが、カラーネガフィルムの取り込み結果をお持ちの方は、レベル補正*20前のヒストグラムを見比べてみてください。
カラーネガフィルムに比べフィルムの発色層の数が少ない分、モノクロネガフィルムのほうが多くの情報(階調*21)を持っていることが分かるかと思います。
この情報量の多さ、階調性の豊かさが、モノクロネガフィルムが今も人気がある理由の一つです。
3.4 「トーンカーブ」のRGBチャンネルを「レベル補正」
取り込んだままではネガフィルムの広いラチチュードがそのまま反映されて、コントラスト*22の低い、いわゆる「眠い」画像となっています。
まずはRGBチャンネルの「レベル補正」によりコントラストを調整します。
目安としては、「ハイライト*23として飛ばしたいところ」「シャドウ*24として落としたいところ」を意識すると調整しやすいと思います。
(カラーネガフィルムではRGBの発色層が別々となっているため、チャンネル毎に「レベル補正」を行いました)
ただし、ネガ反転後の調整となるため、「ハイライト」「シャドウ」は左右反転した状態となっています。
写真 | トーンカーブ | |
レベル補正前 (ネガ反転直後) |
||
レベル補正後 |
後は好みに応じて、各種調整を行います。
3.5 「トーンカーブ」によるコントラスト調整
トーンカーブにより、コントラストを調整します。
トーンカーブの調整では、「S字カーブ」を描くと「明るいところをより明るく」「暗いところをより暗く」することになり、「コントラストが高く」なります。
逆に、「逆S字カーブ」を描くと「明るいところを暗く」「暗いところを明るく」することになり、「コントラストが低く」なります。
ただし、ネガ反転後の調整となるため、左右反転した状態でトーンカーブを描く必要があることに注意しましょう。
撮影時の露光*25時間や現像時の現像時間でコントラストは変わってきますので、面倒でも一枚ずつ調整する必要があります。
レベル補正と同じく、写真全体の「ハイライト」と「シャドウ」、そして「中間調*26」を自分のイメージに合わせて調整していきます。
今回の写真では、西日の強い中で撮影したものであるため、ハイコントラストにしたいと考えて調整しました。
この写真は、ここまで調整した時点で完成です。
調整後の大きいサイズのものを載せておきました。
写真 | トーンカーブ | |
トーン調整前 (レベル補正直後) |
||
トーン調整後 |
3.6 「トーンカーブ」による「調色」
モノクロ写真について話をしたとき「セピア写真と何が違うの?」と聞かれたことがあります。
セピア写真とは、本来「古くなって褐色に経年劣化したモノクロ写真」のことを指します。
見た目のレトロ感やノスタルジックさのある風合いが人気で、一時期は専用フィルムが出ていたこともありますね。
現在でも、画像編集で意図的に処理することも多いです。
このような「モノクロ写真に色を加える」ことを「調色」といいます。
調色はデジタルになってから生まれたものではなく、モノクロ写真のプリントにおいてもベースの紙の色や調色剤によって行われます。
セピアのような茶色系の調色を「温黒調」、ブルー系の調色を「冷黒調」といいます。
また、このような「黒1色」に「更にもう1色」で調整することを「ダブルトーン」といいます。
トーンカーブでは、RチャンネルとBチャンネルを個別に調整することで、セピア調にしたりブルー調にしたりといった調色が可能です。
こちらもネガ反転後の調整となるため、(通常とは逆に)「Rチャンネルを下げ」「Bチャンネルを上げ」ることでセピア調となります。
逆に「Rチャンネルを上げ」「Bチャンネルを下げ」ることでブルー調となります。
通常の(ネガ反転処理をしていない)モノクロ写真であれば、「Rチャンネルを下げ」「Bチャンネルを上げ」ることでブルー調に、「Rチャンネルを上げ」「Bチャンネルを下げ」ることでセピア調になります。
今回はわかりやすくするため、ちょっと強めに調色を掛けてみました。
写真 | トーンカーブ | |
調色無し (モノクロ) |
||
セピア調色 | ||
ブルー調色 |
今回調整に使用した路地の写真では、セピア調の方が温かみがあっていいですね。
もちろん、赤や緑といった、これ以外の色に調色することもできます。
4. 作例(使用フィルム:Fujifilm NEOPAN 100 ACROS)
実は筆者は24枚撮りフィルムを使うことが多く、普段の撮影では「24枚」という制限が癖になっています。
36枚撮りの「Fujifilm NEOPAN 100 ACROS」を使って前回の作例を撮ったら、見事に10枚ほど余ってしまいました。
というわけで、せっかくなので残り枚数で東京駅付近をスナップ撮影してきました。
今回は調色も含めて調整してみました。
全てフィルターなしでの撮影結果を掲載しています。
また、デジタル化した写真のRAW現像は「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」にて行っています。
画像中に取り込み時のゴミが見られますが、ご了承ください。
まずはセピア調に調色した写真から。
東京駅を縦位置で。
レトロな外観の建物には、やはりセピア調でレトロ感を強調するのに向いていますね。
雑踏を、セピア調にしてみました。
どこか懐かしさや、優しさが漂うのが不思議なところです。
一方、逆にブルー調にしてみたのがこちらの写真。
ビルの合間を切り取ってみました。
無機質な構造物のシャープさや冷たさを感じさせるのに向いていますね。
午後の日差しを浴びた、ビルの側面。
寂しさや物悲しさを感じさせるブルー調と、温かみのあるセピア調とで悩みました。
5. まとめ
さて、今回はモノクロ写真の取り込みとデジタル化、そして調整方法の一例として「調色」をご紹介しました。
単純にグレーだけと思われるモノクロ写真ですが、ひと手間「調色」を加えることで雰囲気を変えることができます。
一言に「モノクロ写真」といっても、なかなか奥が深いですね。
みなさんも、ぜひ色々な雰囲気の作品として仕上げてみてください。
*1 モノクロフィルムとは、白黒写真の写真フィルムのことをいいます。カラーフィルムと異なり銀粒子が写真を形成するため、独特の粒子感があります。
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*2 ネガフィルムとは写真フィルムの一つであり、明暗や色が反転した状態で記録されるフィルムのことです。写真フィルムとしては最も身近で、印画紙へのプリント時に補正がしやすいという特徴があります。
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*3 レンジファインダーカメラとは、撮影用レンズとは別に光学式距離計を搭載したカメラのことです。
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*4 スナップとは、日常の風景、人物の飾らない様子や素振りなど、気になったものや瞬間を素早く撮ることをいいます。
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*5 フィルムカメラとは、被写体像をフィルム(写真フィルム)に露光するカメラです。フィルムの感光剤に銀化合物(銀塩)を用いることから銀塩カメラともいいます。
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*6 一眼カメラとは、レンズ交換が可能なカメラ全般を指します。実際の撮影イメージを光学ファインダーで確認することができる一眼レフカメラと、液晶画面によって確認することができるミラーレスカメラがあります。
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*7 スライドとは、映写機を用いてフィルムを拡大投影すること、または投影に用いるマウントに収めた状態のポジフィルムのことです。
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*8 ベローズとは、蛇腹のことで、紙や布等で山折りと谷折りを繰り返した構造のことをいいます。カメラではピント調整機構として使用され、調整範囲を大きくすることが容易なため接写装置として用いられます。
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*9 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
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*10 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*11 ラチチュードとは、フィルムが記録可能な露出の範囲のことをいいます。
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*12 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*13 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*14 トーンカーブとは、画像の諧調を補正するツールのことです。グラフの横軸が補正前の画像のデータ、縦軸が補正後の画像のデータとなっており、明るさの補正やコントラストの調整などを細かく行うことができます。
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*15 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*16 フィルムベースとは、写真用フィルムのベースとなる材料のことです。
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*17 光源とは、被写体を照らす光のことです。太陽光等の天然光源の他、蛍光灯や電球等の人工光源を総称していいます。
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*18 C-41現像とは、カラーネガフィルムの現像に用いられる標準的な方法です。
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*19 彩度とは、色の三属性の一つで、鮮やかさを表します。無彩色では0で、純色で最大となります。
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*20 レベル補正とは、黒として補正する輝度値と、白として補正する輝度値を指定する補正のことです。
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*21 階調とは、濃淡の段階数のことです。
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*22 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*23 ハイライトとは、写真の中で明るい部分や白い部分のことをいいます。
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*24 シャドウとは、写真の中で暗い部分や黒い部分のことをいいます。
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*25 露光とは、露出ともいい、フィルムにレンズを通した光を当てることをいいます。
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*26 中間調とは、写真の中で中間の輝度の部分のことをいいます。
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ニコンのレンジファインダー機「Nikon SP」にモノクロフィルムを入れて川越に行ってきた [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
今回も、前回に引き続き「Nikon SP」の記事です。
前回予告したとおり、今回の記事ではモノクロフィルム*1を使ってみました!
(上司へ:また貸していただきありがとうございます!)
目次
前回の記事「ニコンのレンジファインダー機「Nikon SP」片手に東京さんぽ」では、タイトルの通り「Nikon SP」というカメラでスナップ*2撮影をしてきました。
古いマニュアルカメラ*3には、被写体に合わせて「絞り*4」と「シャッタースピード*5」の指針を決めてくれる「露出計*6」というものが付いていません。
そこで、基準となる「絞り」と「シャッタースピード」の組み合わせをあらかじめ覚え、その場で感覚によって調整します。
この「体感露出」と呼ばれる方法を使うことで、ある程度気軽に撮影することができるようになります。
詳しくは前回の記事をご覧ください。
前回はフィルムに「Fujifilm 業務用 100」という感度*7100のカラーネガフィルム*8を使用しました。
今回は「Fujifilm NEOPAN 100 ACROS」という感度100のモノクロネガフィルムを使用して、追加の作例を撮ってきました。
モノクロフィルムを取り込んでデジタル化する方法について、詳しくは次回以降に説明したいと思います。
作例の前に、まずはモノクロフィルムでの撮影についてお話しておこうと思います。
みなさんが一番馴染みがあるフィルムは、おそらく「カラーネガフィルム」だと思います。
本格的なカメラを使ったことが無くても、多くの方が「写ルンです」のような「レンズ付きフィルム(使い捨てカメラ)」等で少なくとも一度は手にしたことがあるはずです。
カラーネガフィルムは、フィルムベース*9がオレンジや茶色に着色されており、その上に明暗・色が反転されたネガ画像が形成されます。
一方モノクロネガフィルムでは、白黒のネガ画像が形成されます。
モノクロフィルムにもリバーサル(ポジ)フィルム*10がありますが、ネガフィルムの方が一般的です。
以下では「モノクロフィルム」=「モノクロネガフィルム」として説明します。
普段私たちは眼でカラーな映像を見ているので、色の無い世界を想像するのは初めてだととっつきにくいかもしれません。
被写体自身の「形状」や写真全体の「構図」、あるいは陰影等の「階調*11表現」を意識して撮影してみるのがいいと思います。
色が無い分シンプルで、それでいて奥が深いのがモノクロフィルムでの撮影です。
モノクロフィルムでの撮影では「人間がカラーで見た時の明るさの感じ方」と「白黒での濃淡表現による明るさ」とが異なるため、最終的な画像に違和感を覚えることがあります。
見た時のイメージに近付けたり、あるいは強調したりするため、色のついたモノクロ用フィルター*12を取り付けることで最終的な画像を変化させることがあります。
この辺りのフィルターの使い分けについても考えていたのですが、ややこしくなりそうなので今回は使用していません。
機会があれば、また後日にご紹介したいと思います。
余談ですが「モノクロ(モノクローム)」という言葉は「単色」を表し、「白黒」という意味を持ちません。
そのため、英語圏では「白黒フィルム」あるいは「黒白フィルム」と呼ばれています。
ネガフィルムのデジタル化についてはこちらの記事「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」をご覧ください。
リンク先はSILKYPIXを使用したカラーネガフィルムの取り込みとRAW現像の例ですが、トーンカーブ*13の調整可能な画像編集ソフトであれば同様の処理が可能です。
モノクロフィルムの取り込みでもほとんど同じですが、一部の処理が異なります。
この辺りのお話については、長くなってしまったので次回以降に説明したいと思います。
では、今回の作例です。
フィルムには前述のとおり「Fujifilm NEOPAN 100 ACROS」を使用し、川越のスナップ写真を撮ってきました。
全てフィルターなしでの撮影結果を掲載しています。
また、デジタル化した写真のRAW現像は「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」にて行っています。
画像中に取り込み時のゴミが見られますが、ご了承ください。
また、極端なピンボケ*14がなければ、そのまま掲載しています。
私の撮影コースではすっかりお馴染みの熊野神社。
木目まではっきりと写し取ってくれました。
ポートレート*15気分で丸ポスト。
明暗差のない被写体ですが、トーンカーブを調整したところしっかりと階調が出てきました。
亀屋の看板を。
ささくれ立った木目の質感といい、見事な解像感*16です。
以前も撮影したフクロウさんを一枚。
元々白黒の被写体なら、現像結果もわかりやすいです。
置いてあった人力車を。
ハイコントラスト*17気味に調整しています。
こちらも再び、亀屋の看板。
蔵造りの街並みの中、情緒のある佇まいです。
漬物屋さんにて。
妙に愛嬌のある大根ですね。
さて、今回はレンジファインダーカメラ「Nikon SP」で撮影したモノクロ写真をご紹介しました。
モノクロフィルムを入れての撮影は、カラーネガフィルムと比べて難しいと考える方が多いかもしれません。
「白黒」の単純な世界に全てを込めるため、しっかりと撮ろうとすると考えることが多いのは確かです。
フィルム代も現像料金も掛かるので、失敗がもったいないと考えてしまうかもしれませんね。
ですが、フィルムカメラを使うのならぜひ気軽に試してみてほしいと思います。
白と黒との濃淡だけで表される世界は、とてもシンプルに撮影者の想いを伝えることができるはずです。
*1 モノクロフィルムとは、白黒写真の写真フィルムのことをいいます。カラーフィルムと異なり銀粒子が写真を形成するため、独特の粒子感があります。
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*2 スナップとは、日常の風景、人物の飾らない様子や素振りなど、気になったものや瞬間を素早く撮ることをいいます。
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*3 マニュアルカメラとは、電気的なオート機能を持たないカメラのことです。内蔵露出計を持たず、撮影者が絞り値、シャッター速度を選択し、またピント合わせも手動で行います。
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*4 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*5 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*6 露出計とは、光の強度を測定し、標準露出となる露出値を割り出す装置のことです。
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*7 感度(ISO感度)とは、どの程度弱い光まで記録できるかを表します。感度を高くすると、同じ明るさでも速いシャッタースピードで撮影することができますが、その分ノイズが多くなります。
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*8 ネガフィルムとは写真フィルムの一つであり、明暗や色が反転した状態で記録されるフィルムのことです。写真フィルムとしては最も身近で、印画紙へのプリント時に補正がしやすいという特徴があります。
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*9 フィルムベースとは、写真用フィルムのベースとなる材料のことです。
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*10 リバーサルフィルムとは写真フィルムの一つであり、スライド映写などで直接鑑賞できるポジの状態で記録されます。ポジフィルムやスライドフィルムとも呼ばれ、ネガフィルムに比べ彩度に優れています。
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*11 階調とは、濃淡の段階数のことです。
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*12 フィルターとは、レンズに取り付けることで様々な効果を得ることのできるアクセサリーです。レンズ前面に取り付けるもののほか、レンズに内蔵されているもの等があります。
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*13 トーンカーブとは、画像の諧調を補正するツールのことです。グラフの横軸が補正前の画像のデータ、縦軸が補正後の画像のデータとなっており、明るさの補正やコントラストの調整などを細かく行うことができます。
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*14 ピンボケとは、ピントが被写体に合っていないことをいいます。
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*15 ポートレートとは、人物を主題とした写真のことをいいます。
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*16 解像とは、レンズを通した像がしっかりと結像していることをいいますが、写真を見たときに解像しているように見える度合いを解像感といいます。
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*17 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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今回も、前回に引き続き「Nikon SP」の記事です。
前回予告したとおり、今回の記事ではモノクロフィルム*1を使ってみました!
(上司へ:また貸していただきありがとうございます!)
目次
1. 前回のおさらい
前回の記事「ニコンのレンジファインダー機「Nikon SP」片手に東京さんぽ」では、タイトルの通り「Nikon SP」というカメラでスナップ*2撮影をしてきました。
古いマニュアルカメラ*3には、被写体に合わせて「絞り*4」と「シャッタースピード*5」の指針を決めてくれる「露出計*6」というものが付いていません。
そこで、基準となる「絞り」と「シャッタースピード」の組み合わせをあらかじめ覚え、その場で感覚によって調整します。
この「体感露出」と呼ばれる方法を使うことで、ある程度気軽に撮影することができるようになります。
詳しくは前回の記事をご覧ください。
前回はフィルムに「Fujifilm 業務用 100」という感度*7100のカラーネガフィルム*8を使用しました。
今回は「Fujifilm NEOPAN 100 ACROS」という感度100のモノクロネガフィルムを使用して、追加の作例を撮ってきました。
モノクロフィルムを取り込んでデジタル化する方法について、詳しくは次回以降に説明したいと思います。
2. モノクロフィルムでの撮影について
作例の前に、まずはモノクロフィルムでの撮影についてお話しておこうと思います。
みなさんが一番馴染みがあるフィルムは、おそらく「カラーネガフィルム」だと思います。
本格的なカメラを使ったことが無くても、多くの方が「写ルンです」のような「レンズ付きフィルム(使い捨てカメラ)」等で少なくとも一度は手にしたことがあるはずです。
カラーネガフィルムは、フィルムベース*9がオレンジや茶色に着色されており、その上に明暗・色が反転されたネガ画像が形成されます。
一方モノクロネガフィルムでは、白黒のネガ画像が形成されます。
モノクロフィルムにもリバーサル(ポジ)フィルム*10がありますが、ネガフィルムの方が一般的です。
以下では「モノクロフィルム」=「モノクロネガフィルム」として説明します。
普段私たちは眼でカラーな映像を見ているので、色の無い世界を想像するのは初めてだととっつきにくいかもしれません。
被写体自身の「形状」や写真全体の「構図」、あるいは陰影等の「階調*11表現」を意識して撮影してみるのがいいと思います。
色が無い分シンプルで、それでいて奥が深いのがモノクロフィルムでの撮影です。
モノクロフィルムでの撮影では「人間がカラーで見た時の明るさの感じ方」と「白黒での濃淡表現による明るさ」とが異なるため、最終的な画像に違和感を覚えることがあります。
見た時のイメージに近付けたり、あるいは強調したりするため、色のついたモノクロ用フィルター*12を取り付けることで最終的な画像を変化させることがあります。
この辺りのフィルターの使い分けについても考えていたのですが、ややこしくなりそうなので今回は使用していません。
機会があれば、また後日にご紹介したいと思います。
余談ですが「モノクロ(モノクローム)」という言葉は「単色」を表し、「白黒」という意味を持ちません。
そのため、英語圏では「白黒フィルム」あるいは「黒白フィルム」と呼ばれています。
3. モノクロフィルムの取り込み・デジタル化について
ネガフィルムのデジタル化についてはこちらの記事「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」をご覧ください。
リンク先はSILKYPIXを使用したカラーネガフィルムの取り込みとRAW現像の例ですが、トーンカーブ*13の調整可能な画像編集ソフトであれば同様の処理が可能です。
モノクロフィルムの取り込みでもほとんど同じですが、一部の処理が異なります。
この辺りのお話については、長くなってしまったので次回以降に説明したいと思います。
4. 作例(使用フィルム:Fujifilm NEOPAN 100 ACROS)
では、今回の作例です。
フィルムには前述のとおり「Fujifilm NEOPAN 100 ACROS」を使用し、川越のスナップ写真を撮ってきました。
全てフィルターなしでの撮影結果を掲載しています。
また、デジタル化した写真のRAW現像は「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」にて行っています。
画像中に取り込み時のゴミが見られますが、ご了承ください。
また、極端なピンボケ*14がなければ、そのまま掲載しています。
私の撮影コースではすっかりお馴染みの熊野神社。
木目まではっきりと写し取ってくれました。
ポートレート*15気分で丸ポスト。
明暗差のない被写体ですが、トーンカーブを調整したところしっかりと階調が出てきました。
亀屋の看板を。
ささくれ立った木目の質感といい、見事な解像感*16です。
以前も撮影したフクロウさんを一枚。
元々白黒の被写体なら、現像結果もわかりやすいです。
置いてあった人力車を。
ハイコントラスト*17気味に調整しています。
こちらも再び、亀屋の看板。
蔵造りの街並みの中、情緒のある佇まいです。
漬物屋さんにて。
妙に愛嬌のある大根ですね。
5. まとめ
さて、今回はレンジファインダーカメラ「Nikon SP」で撮影したモノクロ写真をご紹介しました。
モノクロフィルムを入れての撮影は、カラーネガフィルムと比べて難しいと考える方が多いかもしれません。
「白黒」の単純な世界に全てを込めるため、しっかりと撮ろうとすると考えることが多いのは確かです。
フィルム代も現像料金も掛かるので、失敗がもったいないと考えてしまうかもしれませんね。
ですが、フィルムカメラを使うのならぜひ気軽に試してみてほしいと思います。
白と黒との濃淡だけで表される世界は、とてもシンプルに撮影者の想いを伝えることができるはずです。
*1 モノクロフィルムとは、白黒写真の写真フィルムのことをいいます。カラーフィルムと異なり銀粒子が写真を形成するため、独特の粒子感があります。
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*2 スナップとは、日常の風景、人物の飾らない様子や素振りなど、気になったものや瞬間を素早く撮ることをいいます。
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*3 マニュアルカメラとは、電気的なオート機能を持たないカメラのことです。内蔵露出計を持たず、撮影者が絞り値、シャッター速度を選択し、またピント合わせも手動で行います。
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*4 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*5 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*6 露出計とは、光の強度を測定し、標準露出となる露出値を割り出す装置のことです。
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*7 感度(ISO感度)とは、どの程度弱い光まで記録できるかを表します。感度を高くすると、同じ明るさでも速いシャッタースピードで撮影することができますが、その分ノイズが多くなります。
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*8 ネガフィルムとは写真フィルムの一つであり、明暗や色が反転した状態で記録されるフィルムのことです。写真フィルムとしては最も身近で、印画紙へのプリント時に補正がしやすいという特徴があります。
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*9 フィルムベースとは、写真用フィルムのベースとなる材料のことです。
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*10 リバーサルフィルムとは写真フィルムの一つであり、スライド映写などで直接鑑賞できるポジの状態で記録されます。ポジフィルムやスライドフィルムとも呼ばれ、ネガフィルムに比べ彩度に優れています。
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*11 階調とは、濃淡の段階数のことです。
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*12 フィルターとは、レンズに取り付けることで様々な効果を得ることのできるアクセサリーです。レンズ前面に取り付けるもののほか、レンズに内蔵されているもの等があります。
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*13 トーンカーブとは、画像の諧調を補正するツールのことです。グラフの横軸が補正前の画像のデータ、縦軸が補正後の画像のデータとなっており、明るさの補正やコントラストの調整などを細かく行うことができます。
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*14 ピンボケとは、ピントが被写体に合っていないことをいいます。
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*15 ポートレートとは、人物を主題とした写真のことをいいます。
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*16 解像とは、レンズを通した像がしっかりと結像していることをいいますが、写真を見たときに解像しているように見える度合いを解像感といいます。
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*17 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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