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中判オールドレンズ、楽しいですよっ♪ [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
これまで、いくつかの記事で「マウントアダプター*1」を使った「オールドレンズ遊び*2」について紹介しました。
これまでの記事についていくつか抜粋してみましたので、興味のある方はぜひ読んでいただきたいと思います。
オールドレンズ遊びのご案内
マウントアダプターやオールドレンズについての導入記事です。
「オールドレンズって何?」「どうやって使うの?」という方はこちらをご覧ください。
オールドレンズを付けて、金谷をお散歩 (機材紹介編 / 作例編)
PENTAX K-3」に「Asahi Opt. Co. Super-Takumar 28mm F3.5」を付けて、千葉県の金谷へ。
オールドレンズを使ってみよう。 ロシア製レンズ「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」
スタッフIさんによる「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」を買って「Sony α7R」で撮ってみた記事。勢いのある文体が人気です。
雨中の汽車とタクマーと
PENTAX K-3」に「Asahi Opt. Co. Auto-Takumar 55mm F2」を付けて、雨の中を。
テッサーと一緒に西千葉・稲毛をお散歩
PENTAX K-3」に「Carl Zeiss Jena Tessar 40mm F4.5」を付けて、千葉のお散歩。

※これ以外の記事へは「オールドレンズ」タグから閲覧できます。

オールドレンズには「外観」や「独特な写り」等の魅力があり、一度ハマると抜け出せない「レンズ沼」として知られています。
これまでの記事では、主に「M42マウント」というねじマウントのオールドレンズを紹介しました。
今回は、こちらのレンズを使ってみようと思います。

151016-11-takumar135_6x7.jpg

「Asahi Opt. Co. Super-Multi-Coated MACRO-TAKUMAR/6X7 135mm F4」です。
「6X7」の刻印が示す通り、中判*3の6x7cm判(ロクナナ)用の一眼レフカメラ「ペンタックス67」シリーズに対応するレンズです。
レンズにはイメージサークルというものがあり、35mm判のレンズでは24x36mmのフィルムサイズをカバーするよう設計されています。
これに対し、6x7cm判は文字通りの大きさのフィルムのため、面積比で4倍近くの大きさをカバーするイメージサークルが必要です。
このため、焦点距離*4が135mm、開放F値*5がF4と、スペックだけを見ると平凡な中望遠マクロレンズ*6ですが、「大きく重い」レンズです。
中判レンズ*7を35mm判フルサイズやAPS-Cサイズのセンサ*8で使う利点はというと、以下のようなものが挙げられます。
・レンズのイメージサークルの中心部分を使うことができる
レンズ周辺では、収差*9や周辺光量落ち*10が生じます。 イメージサークルの中心部分は、収差が少なく、理想的な画質が期待できます。
・レンズ資産の流用・共用
中判カメラの多くはフィルムカメラ*11で、デジタル化していないものも多くあります。 もし、これまで中判フィルムカメラを使っていたのなら、デジタルで中判レンズを使うことができます。 中判レンズは「フランジバック*12」が長いため、マウントアダプターを用意できれば様々なカメラに取り付けることができます。
・大きいレンズが好きならぜひ!
「大きい・重い」ということは、すなわち「携帯性が悪い」ため、確かに欠点です。 ですが、逆に「大きい」=「カッコいい」と考える人なら、これ以上のメリットはありません(笑

PENTAX K-7」に取り付けると、こんな感じです。

151016-12-takumar135_k-7.jpg

この写真を見て「カッコいい」と感じるなら、十分中判レンズを選択する理由になります。
今回、カメラは2世代前の「PENTAX K-7」を久しぶりに使いました。
(K-7 → K-5 → K-5II/K-5IIs → K-3 → K-3IIの順に新しくなっています)
このカメラを使った理由は特にありませんが、まだまだ現役で使うことができると思います。
中古価格も安くなっているので、ペンタックスを使ってみたい方にはオススメです。
ちなみに、マウントアダプターはこちら。

151016-13-6x7adapter.jpg

ペンタックスでは、純正の「67レンズ用アダプターK」により、「ペンタックス67マウント」のレンズを「ペンタックスKマウント」に取り付けることができます。
マウント径はそれぞれ、「ペンタックス67マウント」が72mm、「ペンタックスKマウント」が45mm。
マウント径を変換するために段の付いた形状となっていますが、径の違いがよく分かるかと思います。

前置きが長くなりましたが、以下、幕張海浜公園の付近で撮影し、現像には「SILKYPIX Developer Studio Pro 6」を使用しました。

151016-01-abelia.jpg

道の脇に、アベリアでしょうか。
たくさんの、白くて可愛らしい花をつけていました。
さすがにマクロレンズ*13というだけあって、ピントリング*14の回転角が大きく、微調整がしやすくなっています。

151016-02-matsuba.jpg

下の方では、マツバギクが咲いていました。
多肉質の葉の表面、こんな感じだったんですね。
マツバギクには2種類あり、この時期咲くものは耐寒性のマツバギクのようです。

151016-03-ibobatta.jpg

岩の上に、イボバッタがじっとしていました。
文字通り、背中にゴツゴツとしたイボがあるので、イボバッタ。
3cmくらいと小さいですが、トノサマバッタの仲間です。

151016-04-himedaidai.jpg

この日は、前日に雨が降っていたこともあり、地面にオレンジ色のキノコが生えていました。
おそらくヒメダイダイタケか何かだと思いますが、苔の中からニョキニョキと群生していました。

151016-05-komorebi.jpg

公園の木が、木漏れ日に照らされていたので一枚。
こうした写真は、現像時に調整すると仕上げやすいですね。
メインの被写体が中心にない時ほど、周辺減光の少なさが役立ちます。

151016-06-tamabokeh.jpg

ベンチの屋根(?)にピントを合わせ、後ろの葉っぱをぼかしてみました。
開放絞りがF4とあまり明るくなく、そして周辺まで余裕のある中判レンズのため、玉ボケにも口径食*15の影響が見られません。
ボケの形を気にするような人にも、中判レンズはオススメです。

今回は、中判マクロレンズ「Asahi Opt. Co. Super-Multi-Coated MACRO-TAKUMAR/6X7 135mm F4」を使ってみました。
フランジバックの長い中判オールドレンズなら、様々なマウントのカメラで楽しむことができます。
機会があれば、また別の中判用レンズも試してみたいところです。

*1 レンズをカメラに取り付ける部分をマウントといい、マウントを変換する部品をマウントアダプターといいます。
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*2 オールドレンズ遊びとは、金属製鏡筒の外観や、独特なボケ味等、オールドレンズの魅力を楽しむことをいいます。
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*3 中判カメラとは、写真用フィルムのうち120フィルムや220フィルムを使用するカメラのことをいいます。フィルムサイズが35mm判よりも大きく、高画質が期待できます。
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*4 焦点距離とは、レンズの中心点(主点)から焦点までの距離のことです。焦点距離が短いと画角が広く、長いと画角が狭くなります。
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*5 開放F値とは、レンズの絞りを最大に開けた状態、一番光を取り込める状態のF値です。 (F値は小さいと明るく、大きいと暗くなります)
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*6 35mm判換算焦点距離で50mm付近を標準といいますが、これよりもやや望遠寄りの焦点距離を中望遠といいます。ポートレートのバストアップ等でよく使用される画角です。また、この焦点距離のマクロレンズを中望遠マクロレンズといいます。
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*7 中判レンズとは、中判カメラ用に設計されたレンズのことで、35m判フィルムサイズに比べて大きなイメージサークルをカバーできるように設計されています。
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*8 センササイズには、主に以下のようなものがあります。センサが大きい方が画質面で有利ですが、その分カメラ・レンズは大きくなります。
6x7cm判(フィルム) 120フィルムや、その倍の長さの220フィルムを使うフォーマットで、大きさは55 x 70 mmです。「ロクナナ」と読みます。
6x6cm判(フィルム) 120フィルムや、その倍の長さの220フィルムを使うフォーマットで、大きさは56 x 56 mmです。「ロクロク」と読みます。
6x4.5cm判(フィルム) 120フィルムや、その倍の長さの220フィルムを使うフォーマットで、大きさは56 x 41.5 mmです。「ロクヨンゴ」と読みます。
645デジタル 中判デジタルカメラに使用されているフォーマットで、フィルムの6x4.5cm判よりも小さい、おおよそ44 x 33 mmの大きさです。
フルサイズ
(35mm フルサイズ)
フィルムカメラの「35mmフィルム」フォーマットとほぼ同じ大きさ(おおよそ36 x 24 mm)です。
APS-C コンパクトな「APS (Advanced Photo System)フィルム」の「Cサイズ」とほぼ同じ大きさ(おおよそ23 x 15 mm)です。
フォーサーズ
マイクロフォーサーズ
小型のフォーサーズサイズ(おおよそ 17.3×13.0 mm)のセンサです。
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*9 収差とは、レンズによって生じる色付きやボケ、歪みのことです。ザイデルの5収差と呼ばれるものがよく評価に用いられます。多くの収差は像高(光軸中心からの距離)ないしは像高の乗数に比例します。
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*10 周辺光量落ちとは、画像の中心に比べて周辺部分が暗くなる現象です。レンズへの入射角によって光量が変化するために生じます。
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*11 フィルムカメラとは、被写体像をフィルム(写真フィルム)に露光するカメラです。フィルムの感光剤に銀化合物(銀塩)を用いることから銀塩カメラともいいます。
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*12 フランジバックとは、レンズのマウント面からセンサ面までの距離をいいます。
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*13 マクロレンズは、小さな被写体を大きく写すことのできるレンズです。
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*14 ピントリングとは、ピントを合わせるときに回すリング部分です。
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*15 口径食とは、中心と周辺との周辺光量の低下のことで、レンズに対して斜めに入射した光束がレンズ径などによって制限されるために生じます。絞りを開放にした状態では円形のボケとなりますが、口径食によってレモン状の形となることがあります。
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