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ブログ更新終了のおしらせ [ブログの説明]

突然ですが、当ブログ「写真がRAWだから。」
本日をもちまして更新を終了させていただきます。

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これまで2年間ほど続けてきましたが、
記事を見ていただいた皆様に、少しでも
「写真の楽しさ」を感じていただけたら幸いです。

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短い間でしたが、ありがとうございました!
また、どこかでお会いしましょう!
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NDフィルターを使って長時間露光してみよう [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
みなさんは、「NDフィルター」を使ったことはあるでしょうか。
ND(Neutral Density)フィルターとは、減光フィルターともいい、暗くするためだけに使用するフィルターです。
ただ暗くするのではなく、色味に影響が生じないよう極力ニュートラルに減光するように設計されています。
どのような時に使うかというと、
  • 明るい環境で絞り*1を開いて撮影したいとき
  • シャッタースピード*2をなるべく遅くして撮影したいとき

このようなときに、NDフィルターを使用します。
具体的には、前者は昼間の屋外のポートレート*3等、後者は水の流れや人混みの表現等に使用することが多いです。
今回の記事では、後者の「流れ」の表現をしてみようと思います。

161210-00-ndfilter.jpg

NDフィルターは「ND○○」といった感じに、「ND」の後に番号が記載されています。
この番号は「入射する光を何分の一にするか」を表していて、例えば「ND8」であれば「1/8」に、「ND400」であれば「1/400」になります。
上の写真の左がND400、右がND8です。番号が大きいほど、フィルターは暗くなっています。
重ねて取り付けることもでき、その場合は番号を掛け合わせたフィルターと同等の効果となります。

今回は、ケンコー・トキナーのNDフィルター「Kenko PRO ND8」と「Kenko MC ND400」を使用し、長時間露光*4してきました。
普通に撮影した場合とどのように違うのか、どんな写真が撮れるのか、少しでも参考になればと思います。
カメラ・レンズは「PENTAX K-1」と「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」を使用しました。
写真はRAWモードで撮影し、RAW現像・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。
また、今回は「長時間露光」、すなわちシャッタースピードを長くしての撮影のため、三脚を使用しています。

161210-01-fountain.jpg

まずは、噴水を何も考えずに撮ってみました。
絞りは開放(F4.5)で、シャッタースピードは1/320秒となりました。
噴水から上がった水しぶきと、泡立つ水面の様子を写し撮っていますが、ちょっと中途半端に感じます。
(比較のためにはもっとシャッタースピードを速くしたかったのですが、このレンズではこれ以上絞りを開けることはできませんでした)
そこで、次に「ND8」フィルターを取り付け、絞りをF11まで絞って撮影してみました。

161210-02-fountain-nd.jpg

どうでしょうか。シャッタースピードは1/8秒、流れる水が白い線となり、より滑らかに写りました。
「一瞬」の再現であれば「絞りを開け、速いシャッタースピード」の撮影がいいですが、「流れ」の再現であれば「絞り込んで、遅いシャッタースピード」の撮影がいいですね。
明るい環境で「遅いシャッタースピード」で撮影しようとすると、かなり絞らないといけません。
しかし、絞りすぎると「回折ボケ*5」により解像感*6が失われてしまいます。
NDフィルターを使って光量自体を減らすことで、あまり絞らずに遅いシャッタースピードを実現できます。

161210-03-fountain-mono.jpg

こちらは、NDフィルターを付けずに絞り開放(F4.5)、シャッタースピードは1/1600秒で撮影。
逆光*7の午後の日差しを活かすため、SILKYPIXのテイスト「ハードモノクローム」を使ってハイコントラスト*8に表現してみました。
手前の水面の輝きによって生じたボケと、奥の噴水による躍動感が印象的になったのではないかと思います。

161210-04-fountain-mono-nd.jpg

一方、こちらは「ND400」フィルターを取り付けてF11まで絞り込んで撮影。
噴水の手前に流れを感じさせるものが少なかったため、絞り込んだことで平坦な雰囲気になってしまいました。
むしろ絞りは開放のまま撮影し、手前の水面のボケを際立たせた方がよかったかもしれません。
表現意図に応じてNDフィルターの使い分けや設定の変更が必要ですね。

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今度は砂浜と海を撮影してみます。
F11まで絞ってもシャッタースピードは1/500秒、太陽が写真に写っていることからも、とても眩しい条件だったことが分かります。
飛んでいるカモメも止まって写っていますね。

161210-06-beach-nd.jpg

次に、「ND8」フィルターと「ND400」フィルターを重ね、「ND3200」相当として撮影してみました。
シャッタースピードは5秒、先程の噴水と同じように、海面が滑らかに写っていますね。
この日は風が強かったこともあり、雲の流れも面白くなりました。
もっと遅いシャッタースピードとすることで、雲の流れを大きくできます。
フィルターを重ねたことで、反射面が増えたことによりゴースト*9が生じていますが、こればかりは仕方ないですね。
どちらの表現が、みなさんの好みでしょうか。

161210-07-pier.jpg

以前も撮影した場所ですが、先程と同じ条件(「ND3200」相当、F11、5秒)で撮影。
滑らかな水面が輝きを放ち、思った通りのハイコントラストで写ってくれました。
(ちょっと目立ったゴーストが入ってしまいましたが…)
風が強いと三脚の設置や撮影中の揺れ等に気をつかう必要がありますが、その分印象的な空になると思います。

161210-08-beach.jpg

こちらも、「ND3200」相当で、F11、4秒間。
現像時にSILKYPIXのテイスト「スウィートライトブルー」を使い、露出*10を明るくして柔らかく表現してみました。
コントラストの違いやホワイトバランス*11の違いなど、先程とはほぼ真逆の調整です。
「瞬間」や「流れ」の表現はあくまで「入口」、その先にどのような調整をするか、意図に応じて変えてみましょう。

今回は、NDフィルターを使った表現について、ご紹介しました。
シャッタースピードと絞りの調整による表現は撮影後の画像処理では難しいため、現在でもNDフィルターは用いられることが多いフィルターといえます。
速いシャッタースピードによる「瞬間」の表現に、遅いシャッタースピードによる「流れ」の表現。
人間の視覚では捉えられない現象を写真に写し込めますので、ぜひ活用してみてください。
きっと写真の表現の幅が広がるはずです。



*1 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*2 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*3 ポートレートとは、人物を主題とした写真のことをいいます。
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*4 長時間露光とは、長い時間シャッターを開けて撮影することです。
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*5 回折ボケとは、絞りを絞り込んだときに生じる回折(光の回り込み現象)により、写真がぼやけることをいいます。
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*6 解像とは、レンズを通した像がしっかりと結像していることをいいますが、写真を見たときに解像しているように見える度合いを解像感といいます。
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*7 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*8 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*9 ゴーストとは、レンズに強い光が入ったときに内部で反射して生じる光の漏れのうち、はっきりとした形状となって表れるものをいいます。 フードを付け、余計な光が入らないようにすることで防止することができますが、逆光などの条件ではどうしても出てしまうことがあります。
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*10 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*11 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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お手軽マクロ、してみませんか?(お手持ちのレンズにクローズアップ編) [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
今回もお安くお手軽に「マクロ撮影*1」をしてみようというお話です。
「マクロ撮影」は身近な世界をクローズアップして撮ることで、普段とは異なる写真を撮ることができます。
被写体を探しやすいことから、標準ズームレンズ*2の次に検討する交換レンズとしてマクロレンズ*3が候補に挙がることも多いですね。
ですが、比較的高価なマクロレンズも多く、なかなか購入に踏み切れない方もいると思います。
また、いざ買ってみても「標準レンズに加えてもう一本持ち出すと荷物が多くなるし、かといってマクロレンズだけだと不安…」と二の足を踏む方もいるかと思います。

以前「レンズを逆向きに付けるとマクロ撮影ができる」という記事を掲載しました。

しかし、この方法は「マニュアルでの露出合わせ」「マニュアルでのピント合わせ」となり、少々敷居の高い方法です。
もっと簡単な方法が、今回ご紹介する「クローズアップレンズ」を使ったマクロ撮影です。

161208-00-closeup.jpg

「クローズアップレンズ」とは、カメラ用アクセサリとしてはレンズの前面に取り付ける「フィルター(レンズフィルター)」に分類されます。
ただし、通常の「フィルター」が平板ガラスを使っているのに対し、「クローズアップレンズ」はその名の通り「レンズ」です。
使い方は簡単で、交換レンズの前に、更に「クローズアップレンズ」を付けるだけ。
これだけで、より「近付いて、大きく撮影」することができるようになります。
クローズアップレンズには「No.x」と番号が記載されていて、この番号が大きいほど大きく撮影できるようになります。
また、画質は落ちますが複数のクローズアップレンズを重ね合わせて使用することで、更に大きく撮影できるようになります。

この方法の一番の利点は「フィルターと同じように取り付けるだけ」という点。
カメラ・レンズの機能をほとんど損なうことがないため、露出*4調整は普段通りカメラ任せのオートモードを活用できます。
ピント*5合わせも同様にオートフォーカス*6を使用できます。
(マニュアルフォーカス*7の方がピントを合わせやすいかもしれません)
値段も数千円からと手頃で、サイズも少し厚めのフィルター程度であるため、持ち出しも苦にならないはずです。
前回の記事では色々とカメラの知識が必要でしたが、今回は更にお手軽ですね。

欠点を挙げるとすれば、「フィルター径に合わせたクローズアップレンズが必要」なことくらいでしょうか。
また、クローズアップレンズを取り付けた状態では「ピントの合う範囲をずらした」ような状態のため、無限遠にはピントが合わなくなります。
画質は「専用に設計された」マクロレンズにはさすがに負けると思いますが、お手軽に撮影するのなら問題ないと思います。

・「なぜクローズアップレンズを取り付けるとマクロ撮影できるの?」
しっかりと原理から説明すると難しくなってしまうので、ここではざっくりとした説明のみとさせていただきます。
「クローズアップレンズ」とは、実は単純な「凸レンズ」。 「交換レンズ(=凸レンズ)」の前に「凸レンズ」を付けているわけですね。
(もちろん、光学的な特性がしっかりしたものを使用しています)
161208-00-closeup-image.jpg
(あくまで図はイメージです)
凸レンズは、光を収束させる働きをします。虫眼鏡と同じです。
虫眼鏡を通して見ると、実際の物体よりも大きくなった虚像を見ることができるため、物体を拡大して見ることができます。
人間の眼も「レンズ」ですので、「クローズアップレンズ」は、カメラの交換レンズ用の「虫眼鏡」というわけです。
(実際に虫眼鏡で代用することもできますが、画質的にも「お試し」程度に留めた方がいいと思います)
・「具体的な最大撮影倍率は何倍になるの?」
撮影倍率の計算には、レンズの構成を踏まえてしっかりと計算しないといけないため結構厄介なお話になってきます。
(レンズの近接撮影時の繰り出し量と焦点距離が分かれば近似計算は可能です)
あらかじめ最短撮影距離*8で同じ被写体を撮影し、撮影倍率を計算しておくのが一番分かりやすいかもしれません。
(元のレンズが0.3倍で1000pxの大きさで写り、取り付け後に2000pxで写ったのであれば0.6倍です) ちなみに、焦点距離*9が長いレンズの方が効果が大きいです。
・「最短撮影距離は何cmまで寄れるの?」
これも難しく、レンズによって異なりますが、逆に「何cmから寄れるのか」はすぐに分かります。
実はクローズアップレンズにはそれ自身の焦点距離が記載されていて、取り付ける交換レンズのピント位置が無限遠の時、撮影距離はクローズアップレンズの焦点距離となります。
例えば、クローズアップレンズの焦点距離が500mmの場合、ピント位置「無限遠」は「50cm(=500mm)」となり、具体的な最短撮影距離は分かりませんが50cm未満の距離でピントが合うようになります。


さて、作例とまいりましょう。
今回、カメラには「PENTAX K-1」、レンズには「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」を使用しました。
クローズアップレンズとして、複数のレンズにより色収差*10を補正したアクロマート*11レンズの「Kenko ACクローズアップレンズ No.2」を使用しました。
写真はRAW*12モードで撮影し、RAW現像*13・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。

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花壇に咲いていたヒメキンセンカ。冬場でも咲き誇る、まさしく寒さ知らずの花ですね。
「smc PENTAX-FA 28-105mm F3.2-4.5 AL [IF]」は最大撮影倍率が0.19倍。
ひと昔前のレンズとはいえ、このクラスの標準ズームとしては一般的な倍率です。
ヒメキンセンカはこの時期の花としては大きいため、あまり気になりませんでしたが、やはり「もう少し寄りたい」と思うケースがよくあります。
そこで、クローズアップレンズを取り付けて再度撮影してみました。

161208-02-kinsenka-closeup.jpg

かなり大きくなりましたね。
先程の写真では左側に写っていた花壇のフェンスが邪魔な感じがしましたが、花だけを写すことができました。
花の大きさでざっくりと計算すると、0.3倍くらいには撮影できているようです。
取り付け前と比べて、気持ちもう一歩寄れる、といった感じでしょうか。

161208-03-tsuwabuki.jpg

満開のツワブキの花。こちらもこの時期に目立つ花ですね。
逆光*14で撮影し、現像時にハイキー*15に調整。
あえてホワイトバランス*16を赤方向にずらしてみました。
広角*17気味ですが、背景の葉が輝いていたため見事にボケてくれました。

161208-04-tsuwabuki-closeup.jpg

クローズアップレンズを付けることで、このようになりました。
背景の大きさだけでなく、ボケの大きさも変化しています。
この被写体の場合、クローズアップレンズを付けた方がいいのかは意見が割れそうな気もしますね。
撮影時の意図に応じて、使い分けが必要です。

161208-05-weight.jpg

無機質なテントウェイトを撮影。
SILKYPIXのテイスト「ハードモノクローム」でコントラスト*18を高めて、更に無機質っぽさを強調してみました。

161208-06-weight-closeup.jpg

クローズアップレンズを付けて撮影。
先程は「複数のウェイトの並び」がわかりましたが、ここまで寄ると周りを取り除くことができます。
「ウェイト表面のザラザラした質感」が、より感じられる写真になりました。

161208-07-kamemushi.jpg

ふと、手すりにカメムシがとまっていたので、背景の葉を活かして撮影。
絞り*19をF11まで絞り込むことで、六角形の絞り形状を反映させています。
どうやら「ミナミトゲヘリカメムシ」という南国に多いカメムシのようですね。
調整時にSILKYPIXのテイスト「ノスタルジックトイカメラ」を使用しています。

161208-08-kamemushi-closeup.jpg

クローズアップレンズを付けて撮影。
さすがにカメムシは動いてしまいましたが、印象はかなり変わりました。
よりクローズアップした様子が分かるかと思います。

今回は、「クローズアップレンズ」を使ったお手軽マクロ撮影をご紹介しました。
一眼カメラは標準ズームレンズしか持っていないけど、ちょっとマクロ撮影に興味が出てきた、そんな時にいかがでしょうか。
あるいは、既にマクロレンズを持っているけどあまり出番が無い、そんな方にもオススメです。
道端で、旅先で、あるいはちょっとしたお出かけで気になるものを見かけたら、クローズアップレンズを付けて近寄ってみましょう。
もう一歩踏み込んだ写真は、きっといつもの写真と少し違って見えてくるはずです。



*1 マクロ撮影とは、被写体に近づいて拡大して撮影することです。
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*2 広角から望遠までの一般的なシーンの撮影に向いたズームレンズを標準ズームレンズといいます。35mm判換算で28-80mm(APS-Cで18-55mm)のものが多いです。
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*3 マクロレンズは、小さな被写体を大きく写すことのできるレンズです。
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*4 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*5 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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*6 オートフォーカス(AF)とは、ピントをカメラが自動的に合わせる機能のことです。
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*7 ピント合わせを撮影者が手動で行う方式をマニュアルフォーカスといいます。
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*8 最短撮影距離とは、レンズがピントを合わせることのできる最短の距離のことで、レンズ交換が可能なカメラでは通常センサから被写体までの距離となります。
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*9 焦点距離とは、レンズの中心点(主点)から焦点までの距離のことです。焦点距離が短いと画角が広く、長いと画角が狭くなります。
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*10 色収差とは、レンズの分散が原因で像に色ズレが生じることをいいます。
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*11 アクロマートとは、屈折率と分散の異なるレンズを組み合わせ、2つの波長で色収差を補正したレンズのことをいいます。
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*12 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
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*13 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*14 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*15 ハイキーとは、意図的に露出オーバーにする(明るくする)ことを言います。写真全体を明るくすることで、爽やかな印象に仕上げることができます。RAW現像では撮影後に露出補正やトーンカーブで調整することができます。
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*16 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*17 広角とは、画角(写る範囲)が広いことをいいます。35mm判換算で50mm付近の焦点距離を標準といい、これよりも短い焦点距離を広角といいます。
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*18 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*19 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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モノクロ写真をフィルターを使って撮ってみよう [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
以前の記事でモノクロフィルム*1を使った撮影について書きましたが、そのときちらっと「モノクロ用フィルター*2の使い分け」と書いたのを覚えている方がいるかもしれません。
というわけで、今回は「モノクロ用フィルター」について。
といっても、フィルムを使うと結構お高くなってしまうので、今回はデジタルカメラ*3で撮影した写真をベースに書いていこうと思います。
(若干難しい話になってしまいましたが...)
なお、撮影にはリコーの「GR」を使い、RAW現像*4・調整には「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用していますが、カメラやRAW現像ソフト・レタッチ*5ソフトは特に決まりはありません。

目次


  1. 「モノクロ用フィルター」とはどんなもの?
  2. 「モノクロ用フィルター」を使って風景を撮ってみた
  3. 「モノクロ用フィルター」を使って花の写真を撮ってみた
  4. 「モノクロ用フィルター」の種類と撮影時の注意点
  5. まとめ


1. 「モノクロ用フィルター」とはどんなもの?


まず、「モノクロ用フィルター」と聞いて、どんなものかわからない方も多いのではないかと思います。
「モノクロ用フィルター」とは、文字通り「モノクロ写真」の撮影で使用するフィルターです。
見た目はこんな感じで、色の付いたフィルターです。

161129-00-monofilter.jpg

今回はこの3枚の「イエロー(Y2)」、「オレンジ(YA3)」、「レッド(R1)」のフィルターを使用しました。
使用したのはそれぞれケンコー・トキナーの黒白用フィルター「Kenko MC Y2」「Kenko MC YA3」「Kenko MC R1」です。
初めて見る方は「こんな濃い色なの?」と思うかもしれませんね。
実際にフィルターを通して見ると、フィルターの色に染まった世界が見えます。
カラー写真では(色彩効果や特殊効果を除き)まず使うことがありません。

2. 「モノクロ用フィルター」を使って風景を撮ってみた


まず、こちらは普通に撮影したカラー写真です。

161129-01-park-nofilter.jpg

そして、実際にフィルターを通してカラーで撮影したものはこのようになります。
ホワイトバランス*6は固定しておく必要があります。

161129-02-park-yellow.jpg

161129-03-park-orange.jpg

161129-04-park-red.jpg

Y2フィルター、YA3フィルター、R1フィルターの順です。
見事にフィルターの色味が反映されていますね。

それぞれ並べると、こんな感じです。

フィルター無 Y2フィルター
161129-01-park-nofilter.jpg 161129-02-park-yellow.jpg
YA3フィルター R1フィルター
161129-03-park-orange.jpg 161129-04-park-red.jpg


それでは、先ほどの写真をモノクロにしてみます。
まず、普通に撮影したカラー写真をモノクロ化したものです。

161129-05-park-nofilter-m.jpg

そして、実際にフィルターを通してカラーで撮影したものを、モノクロ化。
後述しますが、モノクロ用フィルターを通すと露出*7も変わりますので、ここでは木の幹を同じくらいの露出に調整しています。
また、フィルターの効果をわかりやすくするため、彩度*8を0にしてモノクロ化しました。

161129-06-park-yellow-m.jpg

161129-07-park-orange-m.jpg

161129-08-park-red-m.jpg

先程と同じく、Y2フィルター、YA3フィルター、R1フィルターの順です。
並べると、こんな感じです。

フィルター無 Y2フィルター
161129-05-park-nofilter-m.jpg 161129-06-park-yellow-m.jpg
YA3フィルター R1フィルター
161129-07-park-orange-m.jpg 161129-08-park-red-m.jpg


特に空の濃さが大きく違いますね。
フィルターの無い状態では、空は明るいグレーで、右の雲とのコントラスト*9も弱いですね。
Y2フィルター、YA3フィルター、R1フィルターの順に空が濃くなり、雲とのコントラストも強くなっていくのがわかります。
このように「モノクロ用フィルター」は「コントラストの強調」をすることができます。
一般的な風景であれば、ちょっと暗くなるくらいのY2フィルターで十分でしょうか。
どんよりとした雲を印象的にしたいような場合や、不安感を煽りたい場合などは、コントラストが強烈になるR1フィルターがよさそうです。

では、なぜ空の色だけが変化したのでしょうか。
モノクロ用フィルターを通した光は、波長によって透過特性が異なります。
特に今回使用した3種類は、それぞれの色の波長以下をカットする特性を持っています。
可視光線を波長の順に色で表すと、紫~青~緑~黄~橙~赤の順に波長が長くなります。
つまり、Y2フィルター(黄)、YA3フィルター(橙)、R1フィルター(赤)の順にカットされる波長の範囲が広くなっています。
青空は、元は太陽光で、青い光を中心に、他の色の波長も連続的に含んでいます。
光を最もカットするR1フィルターが、一番青空を暗くすることができるわけですね。

3. 「モノクロ用フィルター」を使って花の写真を撮ってみた


さて、青空以外についても考えてみましょう。
小学校で習ったように、ほとんどの物は光を反射することでその色に見えています。
例えば「赤い花」であれば赤い光を反射し、「緑の葉」は緑の光を反射しています。
「白い紙」だと可視光線全てを反射し、「黒い服」はほとんどの光を吸収しています。
ここで、次のような写真を撮影してきました。

161129-09-sazanka-nofilter.jpg

メインの被写体はサザンカの花。タイトルを付けるなら「紅一点」でしょうか。
文字通り、サザンカの花が鮮やかで、とても綺麗です。
残念ながらあまり多く咲いていなかったというのもありますが、ワンポイントで撮影してみました。
ところが、これをモノクロ化すると、こんな感じに。

161129-10-sazanka-nofilter-m.jpg

「サザンカの花」と「葉」そして「枝」が、ほとんど同じ濃さになってしまいました。
作り物のような雰囲気にするならいいですが、メインとしたい「サザンカの花」の紅一点さがまったく感じられません。
明るさの度合いに色の情報は含まれていないため、「違う色」で「同じ明るさ」のものがあると、まったく同じ濃さになります。
ここで「人間が感じる鮮やかさ」と「実際の明るさ」は異なるというのもポイントです。
そこで、R1フィルターを取り付け、同じように撮影。
露出は枝の辺りが同じくらいとなるように調整しています。

161129-11-sazanka-red.jpg

当然赤くなるわけですが、このままでもモノクロ化したときにどうなるか分かりそうです。
「サザンカの花」=「赤い花」は赤い光を多く反射していますので、花から反射した光はフィルターを通過し、明るくなります。
そして、「緑の葉」はあまり赤い光を反射していないため、フィルターを通過する光が少なく、暗くなります。
これをモノクロ化すると、当然こんな感じに。

161129-11-sazanka-red-m.jpg

狙い通りに、メインの被写体である「サザンカの花」が明るく、それ以外が暗くなりました。
並べると、かなりの差です。これならタイトルを「紅一点」としてもよさそうです。

フィルター無 R1フィルター
モノクロ変換前 161129-09-sazanka-nofilter.jpg 161129-11-sazanka-red.jpg
モノクロ変換後 161129-10-sazanka-nofilter-m.jpg 161129-11-sazanka-red-m.jpg


モノクロ用フィルターを有効活用してメインの被写体を際立たせることで、視線誘導*10を行うことができますね。
撮影後のレタッチで「色抽出」を行い、メインの被写体だけ鮮やかにするのと同じような感覚です。

基本的に、人間の眼は色のある世界を見ています。
一方、モノクロ写真の世界は「モノクロ」すなわち「単色」の世界です。
一般的には「モノクロ写真」=「白黒写真」ですので、「白と黒の濃淡」だけで表現されることになります。
つまり、モノクロ化した後には白黒の濃淡しか残らないので、いかに色を割り当てるか、コントラストを強調するかがポイントになるというわけです。

4. 「モノクロ用フィルター」の種類と撮影時の注意点


「モノクロ用フィルター」は、用途別に分けると次のようなものがあります。
・色彩強調、コントラスト強調用
Y(イエロー)、YA/O(オレンジ)、R(レッド)
・色彩強調用
PO/G(グリーン)
・赤外撮影用
R72など


イエロー(Y)、オレンジ(YA/O)、レッド(R)の3つは光の透過特性が急峻で、それぞれのフィルター色の光の波長よりも短い波長の光をほぼ完全にカットすることができます。
イエロー(Y)、オレンジ(YA/O)、レッド(R)の順にカットする範囲が広くなるため、コントラストも強くなります。
今回の例のように青空と雲のコントラストを上げたり、緑の中の花を目立たせたりすることができます。
また、短い波長の光は散乱しやすいためコントラストが下がりやすく、特にフィルムカメラではこれらのフィルターがよく使われていました。
モノクロフィルムが主流の時代、一般的な撮影では適度なコントラストのイエローが常用フィルターとされていました。
今回は使っていませんが、これに対してグリーン(PO/G)は比較的なだらかな透過特性のフィルターで、人間の眼に近い特性となっています。
新緑を明るく写したり、ポートレート*11撮影で肌や唇を落ち着かせるのに使います。
また、これとは別に赤外撮影用フィルターもありますが、ここでは説明は割愛し紹介のみとしておきます。

当然ですがこれらのフィルターを使うと光量も落ちるため、普通に撮影するときと比べて絞り*12を開けたりシャッタースピード*13を遅くする必要があります。
以前の記事で紹介した「PLフィルター」でも同様でしたね。
大まかな目安は「露出倍数*14」「フィルター係数」として段*15数が記載されていることが多いので、これを参考にしてください。
一般的には、イエロー(Y2)が1段、オレンジ(YA3)が2段、レッド(R1)が3段くらいですが、フィルターによって、そして被写体の反射光によって変わってきます。
あくまでも目安とお考えください。

5. まとめ


モノクロ用フィルターを使うことで、写真のコントラストを調整・強調することができます。
有効に使うことで、見た時の印象に近付ける、あるいはより独創的なイメージを作り出すことができます。
今は、デジタルでの画像処理で撮影後にお好みの調整ができますね。
デジタルカメラでモノクロ用フィルターを再現する設定が使用できる機種もあります。
ただ白黒にするだけでなく、どのように白黒に置き換えるか。色々と考えると、非常に奥の深い世界です。
白黒なのにカラーで考えなくてはいけないというのが、モノクロ写真の面白さ。
フィルターを使用しての撮影を実際に行うことで、写真をどのように仕上げるかイメージしやすくなるかもしれません。
デジタルカメラであればやり直しがいくらでもできますので、ぜひ試行錯誤しつつ楽しんでみてください。



*1 モノクロフィルムとは、白黒写真の写真フィルムのことをいいます。カラーフィルムと異なり銀粒子が写真を形成するため、独特の粒子感があります。
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*2 フィルターとは、レンズに取り付けることで様々な効果を得ることのできるアクセサリーです。レンズ前面に取り付けるもののほか、レンズに内蔵されているもの等があります。
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*3 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*4 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*5 レタッチ(フォトレタッチ)とは、画像データを加工や修正のことです。
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*6 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*7 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*8 彩度とは、色の三属性の一つで、鮮やかさを表します。無彩色では0で、純色で最大となります。
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*9 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*10 視線誘導とは、写真を見る人の視線を主題に引き寄せることを言います。構図の工夫や明暗差により行うことができます。
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*11 ポートレートとは、人物を主題とした写真のことをいいます。
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*12 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*13 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*14 露出倍数とは、フィルターなどによって減少する光量の補正値のことです。
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*15 露出の単位として、段が用いられることがあります。これは2倍もしくは1/2倍を1段とし、例えば「1段絞る」=「F値を約1.4倍にする」となります。
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幻想的な多重露光撮影を試してみませんか? [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
前回の記事では、少し昔のデジタルカメラ*1での撮影と、SILKYPIXを使ったJPEG写真の現像(調整)について紹介しました。
そのとき、ふと「JPEG撮影といえば多重露光かな」と思ったので、今回は多重露光について。

多重露光(多重露出)とは、フィルムの巻き上げ操作をせずにもう一度露光*2を行うことです。
こうすることで、フィルム1コマに対して2つのシーンを重ねることができます。
本来はありえない被写体の繋ぎ合わせができますので、幻想的な写真や、意図的な表現が可能です。
デジタルカメラではフィルムの巻き上げはもちろんないので、レタッチ*3での合成と何が違うのかと思うかもしれませんし、実際に得られる写真は合成と変わりません。
ですが、カメラ単体での多重露光は撮影時に行う操作であるため、後処理での合成よりも撮影時の意図を反映させやすいと私は考えています。

ある程度マニュアルでの操作が可能なカメラであれば、撮影メニューの中に「多重露光」や「多重露出」といった項目があると思います。
今回はリコーの「GR」を使って撮影しましたが、GRでは「撮影設定」の中に「多重露光撮影」があります。

161121-01-multiple.jpg

具体的な撮り方ですが、多重露光では「露光していない(暗い)部分」に「別の像を重ねる」ことが基本となります。
ある程度明暗差のある被写体を選ぶことで、よりはっきりとした重ね合わせが可能となります。
とはいえ、撮影後のイメージに「慣れ」が必要な手法ですので、まずは色々な被写体で試してみるといいかと思います。

以下、写真は撮影後にJPEGで記録される多重露光した画像に対し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」で調整しました。
全て三脚等は使わず、手持ちでの撮影です。

161121-02-split.jpg

まずは、2枚の多重露光です。
1枚目には木を見上げて葉の影を撮影し、2枚目は花を撮影しました。
何もないところに、無理矢理分割構図*4を作り出した感じです。
もう少し1枚目を白飛び*5させてしまい、境界をはっきりさせてもよかったですね。

161121-03-hand.jpg

ありきたりですが、手をかざして多重露光。
こちらは3枚での多重露光で、最初の一枚は空に手をかざした写真、2枚目と3枚目で花を撮影して重ねています。
空に手をかざすと、明るい空が白飛び気味になり、暗く写った手の部分に残りのモチーフを入れることができます。
曇り空だったので、雲の部分はぼんやりとした写り込みになりました。
最終的に、SILKYPIXのテイスト「ノスタルジックトイカメラ」を適用して全体的に彩度を下げてみました。
ノスタルジックトイカメラにより周辺が暗くなりますので、中心部分への視線誘導*6の効果も持たせることができます。

161121-04-bokeh.jpg

イルミネーションの撮影にも、多重露光がよく使われます。
こちらは1枚目でピント*7を外してイルミネーションをぼかして撮影し、2枚目でイルミネーションにピントを合わせて撮影しました。
普通に撮影すると光がただの点になってしまいますが、実際にイルミネーションを見た時の雰囲気とは異なることが多いと思います。
特に、文字や絵をかたどって配置したイルミネーションを撮影するような場合、ピントを合わせて撮影してもわかりにくいです。
多重露光を用いることで、ソフトフィルターとは違った感じの写真に仕上がり、文字や絵をかたどったイルミネーションもわかりやすくなります。
1枚目と2枚目をなるべく同じ位置から撮るようにしましたが、あえて違う位置から重ねても面白いです。

161121-05-composite.jpg

イルミネーションがないところに、その場の雰囲気を写し込むのも方法のひとつ。
脳裏によぎった瞬間や、心象風景を描くのにぜひ活用してみてください。

今回は、多重露光について紹介しました。
1枚の写真に写し込める景色が増えると、表現も大幅に増やすことができます。
とはいえ見ている景色と異なる写真を撮るということは、冒頭にも説明したとおりイメージが難しいですね。
デジタルカメラでは、失敗を恐れずに色々と試してみるのが一番だと思います。
普段の何気ない景色からイルミネーションまで、色々な撮影方法を試してみてください!


*1 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*2 露光とは、露出ともいい、フィルムにレンズを通した光を当てることをいいます。
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*3 レタッチ(フォトレタッチ)とは、画像データを加工や修正のことです。
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*4 分割構図とは、写真の構図のひとつで、画面内をいくつかの領域に分割する構図のことです。
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*5 白飛びとは、本来明るさに階調を持つ部分が、真っ白に記録されてしまっていることをいいます。
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*6 視線誘導とは、写真を見る人の視線を主題に引き寄せることを言います。構図の工夫や明暗差により行うことができます。
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*7 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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少し昔のデジタルカメラを持って ~SILKYPIXでJPEG調整編~ [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
今回は、少し昔のデジタルカメラ*1を持って、幕張を散歩してきました。
持って行ったのは、2004年発売(なんと12年前!)のコンパクトデジタルカメラ*2Ricoh Caplio R1S」。

161028-01-caplio.jpg

本体前面のスライド式の電源スイッチが特徴的な、小さい割にずっしりと金属感のあるコンパクトデジタルカメラです。
一般的な「JPEG画像*3」の記録のみに対応したデジタルカメラで、「RAW*4モード」での撮影はできません。

当ブログ(少なくとも「撮影に行こう」カテゴリ)では、これまでJPEG記録のみに対応したカメラで撮影した写真はあまり取り扱っていませんでした。
「RAW現像*5」での調整が最も効果的なのは、当然ながら情報量の豊富な「RAWデータ」を現像するときです。
ですが、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」をはじめとするSILKYPIXシリーズでは、「JPEG画像」であっても拡張して処理することで高画質な画像調整を行うことができます。
処理自体はレタッチ*6ですが、RAW現像と同じ調整項目を使用して調整できることがメリットです。
JPEG専用に特化した「SILKYPIX Jpeg Photography 7」もあり、こちらはRAWデータを取り扱えない分お安くなっています。

と、少し宣伝が入ってしまいましたね。
以下、写真は「Ricoh Caplio R1S」のJPEG画像に対し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」で調整しています。
今回はカメラの色を残したかったため、JPEG画像から色味をあまり変更しないように調整しています。

161028-02-makuhari.jpg

まずは、空を見上げての一枚。
調整したのは、調子(コントラスト*7)とシャープネス*8、ノイズリダクション*9
画素数*10は400万画素、2016年現在のデジタルカメラとは比較になりませんが、それ以外は今でも十分通用すると思います。
シャープネスにはSILKYPIXの「ナチュラルシャープ」を使用。
効かせ過ぎには注意ですが、細部の輪郭をくっきりと強調させることができます。

161028-03-makuhari.jpg

コンパクトデジタルカメラといえば、マクロ*11モードが売りの一つ。
近場のマリーゴールドに寄って撮影してみました。
「ボカすのが難しい」と言われることの多いコンパクトデジタルカメラですが、マクロモードを活用することでボケ表現が可能です。

161028-04-makuhari.jpg

公園の樹と、空の対比を一枚。
コントラストの激しい被写体をJPEGで撮影する場合は、意図しない白飛び*12・黒つぶれ*13をいかに防ぐかが重要になります。
このシーンでは空が飛ばないようマイナスに露出補正*14をして撮影し、SILKYPIXの覆い焼き*15で芝生のシャドウ*16部分を持ち上げました。
さすがにシャドウ部分はディティール*17が潰れてしまっていますが、全体のバランスを考えて調整しています。

161028-05-makuhari.jpg

こちらも、前の一枚と同じような調整を行っています。
さすがに拡大するとディティールも粗いですが、そこは雰囲気を楽しんでいただければ。

161028-06-makuhari.jpg

マクロモードで、お休み中のアキアカネに寄ってみました。
逆光*18ともなると、さすがに露出が細かく調整できないコンパクトデジタルカメラでの撮影は難しいですね。
後から露出を全体的に持ち上げ、調整しています。
調整を頑張ったおかげで、お気に入りの一枚です。

今回は、12年前のデジタルカメラ「Ricoh Caplio R1S」で撮影した写真をSILKYPIXで調整してみました。
さすがに画素数が心許無かったですが、初心に返ってピント*19合わせと手ブレ*20、そして露出補正に気を付けて撮影してきました。
(そういう意味では、いつもとあまり変わらないかもしれません)
画素数の小ささ故、極端なトリミング*21や引き伸ばしての印刷には向かないですが、ちょっとした散歩のお供や2L判くらいまでの印刷であれば十分といえます。
みなさんのお手元に少し古いデジタルカメラが転がっていたら、久しぶりに写真を撮ってみるのもいいかもしれませんよ。

RAW現像ソフトの多くは、RAWデータだけでなくJPEG画像の調整も可能です。
よく撮影中に「普段はRAWモードで撮影していて、たまたまJPEGモードに切り替わっていた」なんてときもあると思います。
そのようなときも、RAWほどではありませんが調整できますので、ぜひ活用してみてください。



*1 デジタルカメラとは、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして記録するカメラのことです。
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*2 カメラにレンズが一体化され、小型軽量に設計されたデジタルカメラのことをいいます。
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*3 JPEGとは静止画像の圧縮形式のひとつで、一般的に用いられる画像のフォーマットです。
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*4 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
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*5 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*6 レタッチ(フォトレタッチ)とは、画像データを加工や修正のことです。
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*7 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*8 シャープネスとは、画像のコントラストを調整して輪郭をはっきりと見えるようにする処理のことです。
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*9 ノイズリダクションとは、画像のノイズを軽減する処理のことです。
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*10 デジタルカメラのイメージセンサには受光素子が並んでいますが、この素子の数のことを画素数といいます。
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*11 マクロ撮影とは、被写体に近づいて拡大して撮影することです。
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*12 白飛びとは、本来明るさに階調を持つ部分が、真っ白に記録されてしまっていることをいいます。
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*13 黒つぶれとは、本来明るさに階調を持つ部分が、真っ黒に記録されてしまっていることをいいます。
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*14 露出補正とは、カメラが決定した適正露出から撮影者の意図に応じて露出を調整する機能のことです。
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*15 覆い焼きとは、写真の露出が不足している部分を明るくする処理のことをいいます。
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*16 シャドウとは、写真の中で暗い部分や黒い部分のことをいいます。
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*17 ディティールとは、写真の細部のことです。
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*18 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*19 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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*20 手ブレとは、シャッターが開いている間に撮影者が動くことにより生じるブレです。写真が何枚も重なったように写り、写真の鮮明さが損なわれます。
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*21 トリミングとは、撮影後に画像の周囲を削り、画像の一部分を切り出すことをいいます。
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コンパクトカメラを片手に夕焼けの幕張の浜へ [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
今回は、市川ソフトラボラトリーからも近い「幕張の浜」へ夕焼けを撮りに行ってきました。
持って行ったのは、以前の記事でも使っているコンパクトデジタルカメラ*1PENTAX MX-1」。
クラシカルな外観が特徴のコンパクトデジタルカメラです。
一眼カメラ*2は高画質ですが大きくて重いので、ふとどこかへ出かけたくなったり、ちょっと持ち歩く場合はコンパクトカメラ*3の方が便利なことも多いですね。
「PENTAX MX-1」をはじめ「高級コンパクトデジタルカメラ」と呼ばれるカメラは、RAW*4形式での保存が可能で、普段の持ち歩きやスナップ*5、更には一眼カメラの補助用途としても活躍できるように作られています。
以下、写真は「PENTAX MX-1」のRAWモードで撮影し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」で調整・RAW現像しました。
夕焼けっぽさを出すため、ホワイトバランス*6を黄色・赤色方向に調整し、コントラスト*7を強めにして調整してみました。

161018-01-makuhari.jpg
まずは、夕陽に照らされた砂浜を一枚。
斜めからの日を受けた、砂浜の波跡の陰影がとても綺麗です。
幕張の浜は遊泳禁止となっていますが、とてものんびりしていて散歩にはいいと思います。

161018-02-makuhari.jpg
雲の形が翼のようで印象的だったため、近くの流木と対比させて撮影してみました。
絞り*8はF5.6、被写界深度*9を深くして手前の流木から背景の対岸まではっきりと写してみました。
コンパクトデジタルカメラの多くはフード*10が無いので、この写真のように逆光*11だとゴースト*12が出やすいです。
ですが、これはこれで眩しさが感じられて、いい味付けになったと思います。

161018-03-makuhari.jpg
ぐっとカメラを地表付近に下げて、広角*13マクロ*14的な一枚。
先程と同じF5.6ですが、遠景をボカすために思い切り近付きました。
波打ち際が下がっているため、元々広角側で撮影したことに加えて遠近感を強調できたと思います。

161018-04-makuhari.jpg
こちらは絞りをF2.0まで開け、花壇のマリーゴールドをマクロ撮影。
広角でマクロ撮影するメリットとして、背景を一緒に写し込めることがあげられます。
撮影後の結果が直感的にわかるので、一眼レフであっても液晶モニタを見ながらのライブビュー撮影の方が撮りやすいです。

161018-05-makuhari.jpg
橋の形がおもしろかったので、撮ってみました。
金属の曲面は、日が当たると綺麗ですね。

161018-06-makuhari.jpg
帰り道、ふと上を見上げるとジョロウグモがいました。
シルエットが綺麗だったので撮影してみました。

今回は、コンパクトデジタルカメラでのスナップ撮影でした。
デジタルカメラでの撮影では、普段はホワイトバランスをオートにしている方が多いと思います。
ほとんどのシーンではオートで問題ないのですが、夕焼け時には「夕焼けっぽさ」を補正して、普通の写真にしてしまうことがあります。
もしRAWモードが無いカメラの場合は「曇り」や「日陰」に設定してみましょう。
こうすることで黄色味が強くなり、夕焼けっぽさを強調することができます。
黄色味が強すぎると思った場合や、空の青も綺麗に撮りたい場合は、「太陽光」がオススメです。
うまく夕焼けが撮れないと思ったら、一度ホワイトバランスを見直してみてください。
RAWモードで撮影したのであれば、今回のように後からホワイトバランスを変更し、納得のいくまで調整することができます。


*1 カメラにレンズが一体化され、小型軽量に設計されたデジタルカメラのことをいいます。
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*2 一眼カメラとは、レンズ交換が可能なカメラ全般を指します。実際の撮影イメージを光学ファインダーで確認することができる一眼レフカメラと、液晶画面によって確認することができるミラーレスカメラがあります。
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*3 コンパクトカメラとは、小型軽量に設計されたカメラのことです。レンズ交換が可能なカメラに対し、レンズ交換が不可能なカメラの総称としても用いられます。
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*4 RAWデータとは、デジタルカメラにおいてイメージセンサが捉えた光の情報をそのまま記録したデータのことです。
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*5 スナップとは、日常の風景、人物の飾らない様子や素振りなど、気になったものや瞬間を素早く撮ることをいいます。
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*6 ホワイトバランスとは、光源の影響を打ち消したり、強調したりするために色味を変更する機能です。ホワイトバランスを調整することで、「自然な色」の再現のほか、作品としての「色作り」を行うことができます。
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*7 コントラストとは、最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の差のことです。コントラストが高いとはっきりとした印象になります。
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*8 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*9 被写界深度とは、ピントの合っているように見える範囲のことを言います。
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*10 レンズフードとは、撮影用レンズの先端部に取り付けることで、不要な光線を遮るアクセサリーです。
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*11 レンズが光源を向いている状態を逆光といいます。逆光では光と影の明暗差が大きくなるためコントラストが高く、光を印象的に写すことができます。また、レンズフレアが出てぼんやりと写ることもあります。
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*12 ゴーストとは、レンズに強い光が入ったときに内部で反射して生じる光の漏れのうち、はっきりとした形状となって表れるものをいいます。 フードを付け、余計な光が入らないようにすることで防止することができますが、逆光などの条件ではどうしても出てしまうことがあります。
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*13 広角とは、画角(写る範囲)が広いことをいいます。35mm判換算で50mm付近の焦点距離を標準といい、これよりも短い焦点距離を広角といいます。
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*14 マクロ撮影とは、被写体に近づいて拡大して撮影することです。
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今日のカキ ~スタッフRの場合~ [企画 今日の○○]

こんにちは、スタッフRです。
今回の企画は、秋の味覚の中から「カキ(柿)」です。
カゴに入っていたので、これを活かして撮影する事にしました。

160922-01-kaki.jpg

撮影には、「PENTAX K-1」と「smc PENTAX-FA 100mm F3.5 Macro」を使用し、電球光下で撮影しました。
ピントは右下のカキのヘタに合わせ、カゴを切り取るようにしてみました。
RAW現像と調整には、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」を使用しています。

カキといえば、SILKYPIXの「創像」サイトには「柿渋色」テイストがありますね。
こちらは若い渋柿の果汁を発酵させた液体「柿渋」で染めた色を再現したものです。
レトロな風合いのテイストとして、ぜひ使ってみてください。

160922-02-kakishibu.jpg

今回の写真はいかがでしたでしょうか。
すっかり夏も終わり、一気に冷え込んできましたね。
みなさん冬支度はお早めに!
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今日のオレンジ ~スタッフTMの場合 [企画 今日の○○]

スタッフTMです。
今回はルビーブラッドという品種のオレンジを
PENTAX K-50 で撮影してみました。

まず、ルビーブラッドをご覧ください。
orange1.jpg

非常に鮮やかですね!

次に、冷蔵庫でこれまで冷やされていたかのような
ルビーブラッドを表現するため、
RAW現像ソフト, SILKYPIX Developer Studio Pro7 を用いて
ホワイトバランスを調整してみました。

orange2.jpg

どうでしょうか....なんかすごく冷たそうじゃないですか?

こんな感じに、RAW現像ソフトを使うと、
後から写真の雰囲気を変えることができるので実に楽しいです。
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今日のオレンジ ~スタッフ T の場合 [企画 今日の○○]

スタッフ T です。
今回のお題はオレンジです。

オレンジを正面から撮り、SILKYPIX Developer Studio Pro7
現像した結果がこちらです。

IMGP0055_before.jpg

オレンジのみずみずしさと品種特有の赤みも出ていて、悪くはないと思いますが、
どうも面白みに欠ける写真になってしまっています。
また、背景のフェルト生地がいかにも「暗室で撮りました」感を出しているのが、
個人的にはあまり好ましく思えません。

そこで、露出補正で写真全体を暗くして背景を黒くつぶし、

IMGP0055_under.jpg

部分補正ツールの円形補正フィルタで被写体のみを明るくしてみると

IMGP0055_partial.jpg

背景のフェルト生地が消えた上に、被写体のみを浮かび上がらせて
強調することができました。

最後に、ホワイトバランスを調整し、あまりに日の丸構図すぎるので
トリミングで被写体の位置を調整して、完成です。

IMGP0055_after.jpg

元々の写真と比べて、ダイナミックに被写体を強調できる写真になったと思います。

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