ニコンのレンジファインダー機「Nikon SP」片手に東京さんぽ [スタッフRの「撮影に行こう」]
こんにちは、スタッフRです。
今回より、長めの記事はスタッフごとにカテゴリ分けすることになりました。
いつまで続くか、また更新ペースは未定ですが、私の記事は【スタッフRの「撮影に行こう」】カテゴリに順次掲載予定ですので、どうぞよろしくお願いします。
久しぶりついでに、初心に戻って趣旨を説明します。
まず、ブログ自体の趣旨は『見ていただいた皆様へ、写真の楽しさを紹介すること』です。
当カテゴリ【スタッフRの「撮影に行こう」】では、私こと「スタッフR」が様々な機材(カメラ・レンズ等)を持ち歩いて色々な場所で撮影した写真を、ちょっとした文章とともにご紹介します。
「こんなカメラがあるんだ」
「こんな場所があるんだ」
「こんな写真が撮れるんだ」
「じゃあ、ちょっと出掛けて撮ってみよう!」
写真を、あるいは文章を見て、少しでもそんな感じに思っていただければ幸いです。
さて、それでは今回の記事。まずは機材の紹介からしていきたいと思います。
タイトルにもあるように、「Nikon SP」というニコン(日本光学)の古いレンジファインダーカメラ*1を使ってきました。
(今回のカメラは私のものではなく、上司のコレクション品をお借りしました。この場を借りてお礼申し上げます。)
ニコンというと、ほとんどの方は「一眼レフカメラ*2」や「ミラーレス一眼カメラ*3」を想像すると思います。
ニコンが初めて一眼レフカメラ「ニコンF」を世に出したのは1959年のことです。
それ以前は主にレンジファインダーカメラを発売していました。
「Nikon SP」はニコンのレンジファインダーカメラの中でも高機能で完成度が高いと言われています。
発売は1957年で、私が生まれる遥か昔のカメラです。
もちろん、フィルムを装填して使用します。
ちなみに2005年に2500台限定で復刻生産されていますが、こちらは貴重なオリジナルのものです。
レンジファインダーカメラは、レンズの繰り出し量と距離計が連動しており、ファインダー*4の二重像を合わせることで正確なピント*5合わせを行うことができます。
カメラの上部にファインダー用の窓が2つ付いていて、これらが光学式距離計となっています。
一眼レフカメラと異なり、撮影用レンズの光学系とファインダーの光学系は別になっているため、ファインダー内には基準となる画角*6に合わせた枠が表示されています。
レンジファインダーカメラでは、撮影時の被写界深度*7はファインダーには反映されません。
撮影前にレンズの被写界深度目盛りでおおまかなピントの範囲を確認しつつ、絞り*8を決めて撮影する事となります。
レンズは「Nippon Kogaku Nikkor-S 5cm F1.4」。
焦点距離は近年ではmm表記が使われることが多いのですが、このレンズは「5cm」とcm表記となっています。
(すなわち、焦点距離は50mmです)
非常にコンパクトなレンズで、最近の大きなレンズに慣れた身としては本当にこれで大丈夫なのかと心配になります。
結論から言うと写りはまったく問題はありませんでした。
ギリギリまでずっしりと詰まった光学ガラスを見ると、まさしく当時のニコン(日本光学)の技術力の結晶とも思えてきます。
さて、このカメラ「Nikon SP」には「露出計*9」は付いておらず、撮影者が「露出*10」すなわち「絞り」と「シャッタースピード*11」を決定する必要があります。
露出の決定にはISO感度*12も重要ですが、フィルムの場合は途中交換ができないため固定値となります。
「Nikon SP」に限らず、古いカメラには露出計が付いていないものがほとんどです。
(もしくは、付いていても動作がおかしい「露出計不良」となっているかもしれません)
撮影するにはまず「構図」を決め、次に「ピント」を合わせ、そして意図した露出と被写界深度となるよう「絞り」と「シャッタースピード」を決めます。
こうして書くと難しそうだと思われるかもしれません。
そこで、あらかじめ基準となる絞りとシャッタースピードの組み合わせを覚えておき、後は条件によって調整するという方法である程度の写真は撮影できます。
(俗に「体感露出」などと言われています)
まず、基準となるシャッタースピードと絞りの組み合わせ。
これは「標準露光表」というものがあり、よくフィルムの箱に書いてあったりします。
ISO感度は固定して考え、シャッタースピードを基準に絞りを変えるか、あるいは絞りを基準にシャッタースピードを変えることでフィルムの露光量*13を決定します。
私がよく使用する基準(おそらく最もメジャーな基準)は、感度がISO100でシャッタースピードを1/250に固定したときのもので、
というものです。
ラチチュード*14が広いネガフィルム*15では露出に多少のズレがあっても大丈夫なことが多いため、基本的には「だいたい適正露出」であれば問題ありません。
後は絞って被写界深度を稼ぎたいからその分シャッタースピードを遅くしたり(プログラムシフト*16と同じ)、ハイキー*17に写したいからシャッタースピードだけ遅くしたり(露出補正*18と同じ)といった操作を行います。
もっとも、ラチチュードの狭いリバーサルフィルム*19では、単体露出計などでしっかりと設定されることをオススメします。
では、作例とまいりましょう。
フィルムには「Fujifilm 業務用 100」を使用し、東京の街歩きスナップ*20です。
カラーネガフィルムですが、この時代のカメラでどこまで写るのかはわかりません。
(当時はネガフィルムはモノクロが主流で、カラーフィルムは「さくら天然色フヰルム」に代表されるリバーサルフィルムが使われていました)
また、デジタル化した写真のRAW現像*21は「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」にて行っています。
ネガフィルムのデジタル化についてはこちらの記事「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」をご覧ください。
画像中に取り込み時のゴミが見られますが、ご了承ください。
また、写真は雰囲気を重視し、極端なピンボケ*22やブレ*23がなければそのまま掲載しています。
午後の日差しの路地裏を一枚。
さっと撮ったため、多少手ブレ*24してしまいました。
無彩色*25の建物の中、自己主張する標識を。
赤や青の原色は、とても目立ちますね。
都市部の中は、意外なほどに公園が点在しています。
カメラを片手に歩いてみると、普段は目につかないような風景も物珍しく見えるかもしれません。
ふと、通りの向こうから視線を感じて。
モチーフはフクロウでしょうか。
脇道に逸れると、このようなものがありました。
何もないと思っていた場所にも、意外なほど多くの発見があります。
ガード下を、道路越しに。
電車が走っていれば、もう少し臨場感が得られたかもしれません。
停泊中の屋形船。
東京ならではの風景でしょうか。とても情緒がある風景だと思います。
さて、今回はレンジファインダーカメラ「Nikon SP」で撮影した写真をご紹介しました。
カメラ自体の操作性は非常に洗練されていて、ある程度の知識があればすんなりと使いやすいカメラという印象でした。
金属製でとても重厚感があるので、カメラを構えるだけで「撮るぞ!」という気持ちになりますね。
フィルムには、たまたま手元にあったカラーネガフィルム「Fujifilm 業務用 100」を使用しましたが、昔のカメラとは思えない、しっかりした写りです。
ぜひ、今度はモノクロフィルムを入れて撮影してみたいと思います。
(ぜひ、また貸してください!)
*1 レンジファインダーカメラとは、撮影用レンズとは別に光学式距離計を搭載したカメラのことです。
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*2 一眼レフカメラとは、撮像面とレンズの間に鏡を置く構造のカメラのことです。実際の撮影イメージを光学ファインダーで確認することができ、視差も生じないという利点を持ちますが、その分内部機構が大きくなるという欠点もあります。
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*3 一眼レフカメラの光学ファインダーの代わりに、液晶モニターや電子ビューファインダーを見ながら撮影するレンズ交換式のデジタルカメラのことです。一眼レフカメラから鏡を廃した構成であるため、内部機構が簡略化でき、小型軽量なものが多いです。
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*4 ファインダーとは、カメラで構図の決定やピント合わせに使用する覗き窓のことです。
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*5 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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*6 画角とは、実際に撮影可能な範囲のことを指します。画角が広ければ広角、狭ければ望遠です。
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*7 被写界深度とは、ピントの合っているように見える範囲のことを言います。
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*8 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*9 露出計とは、光の強度を測定し、標準露出となる露出値を割り出す装置のことです。
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*10 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*11 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*12 ISO感度とは、どの程度弱い光まで記録できるかを表します。感度を高くすると、同じ明るさでも速いシャッタースピードで撮影することができますが、その分ノイズが多くなります。
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*13 露光量とは、フィルムにレンズを通した光をどれだけ当てるかをいいます。
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*14 ラチチュードとは、フィルムが記録可能な露出の範囲のことをいいます。
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*15 ネガフィルムとは写真フィルムの一つであり、明暗や色が反転した状態で記録されるフィルムのことです。写真フィルムとしては最も身近で、印画紙へのプリント時に補正がしやすいという特徴があります。
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*16 プログラムシフトとは、プログラムオート(AE)によりカメラが決定した露出をキープした状態で、絞りとシャッター速度の組合せを変化させることです。
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*17 ハイキーとは、意図的に露出オーバーにする(明るくする)ことを言います。写真全体を明るくすることで、爽やかな印象に仕上げることができます。RAW現像では撮影後に露出補正やトーンカーブで調整することができます。
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*18 露出補正とは、カメラが決定した適正露出から撮影者の意図に応じて露出を調整する機能のことです。
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*19 リバーサルフィルムとは写真フィルムの一つであり、スライド映写などで直接鑑賞できるポジの状態で記録されます。ポジフィルムやスライドフィルムとも呼ばれ、ネガフィルムに比べ彩度に優れています。
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*20 スナップとは、日常の風景、人物の飾らない様子や素振りなど、気になったものや瞬間を素早く撮ることをいいます。
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*21 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*22 ピンボケとは、ピントが被写体に合っていないことをいいます。
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*23 ブレとは、被写体もしくは撮影者が撮影中に動くことにより生じます。写真が何枚も重なったように写り、写真の鮮明さが損なわれます。被写体が動くことで生じたブレを被写体ブレ、撮影者が動くことで生じたブレを手ブレといいます。
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*24 手ブレとは、シャッターが開いている間に撮影者が動くことにより生じるブレです。写真が何枚も重なったように写り、写真の鮮明さが損なわれます。
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*25 無彩色とは、白と黒とを混ぜ合わせて作る色のことです。
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今回より、長めの記事はスタッフごとにカテゴリ分けすることになりました。
いつまで続くか、また更新ペースは未定ですが、私の記事は【スタッフRの「撮影に行こう」】カテゴリに順次掲載予定ですので、どうぞよろしくお願いします。
目次
1. はじめに
久しぶりついでに、初心に戻って趣旨を説明します。
まず、ブログ自体の趣旨は『見ていただいた皆様へ、写真の楽しさを紹介すること』です。
当カテゴリ【スタッフRの「撮影に行こう」】では、私こと「スタッフR」が様々な機材(カメラ・レンズ等)を持ち歩いて色々な場所で撮影した写真を、ちょっとした文章とともにご紹介します。
「こんなカメラがあるんだ」
「こんな場所があるんだ」
「こんな写真が撮れるんだ」
「じゃあ、ちょっと出掛けて撮ってみよう!」
写真を、あるいは文章を見て、少しでもそんな感じに思っていただければ幸いです。
2. 今回のカメラ「Nikon SP」について
さて、それでは今回の記事。まずは機材の紹介からしていきたいと思います。
タイトルにもあるように、「Nikon SP」というニコン(日本光学)の古いレンジファインダーカメラ*1を使ってきました。
(今回のカメラは私のものではなく、上司のコレクション品をお借りしました。この場を借りてお礼申し上げます。)
ニコンというと、ほとんどの方は「一眼レフカメラ*2」や「ミラーレス一眼カメラ*3」を想像すると思います。
ニコンが初めて一眼レフカメラ「ニコンF」を世に出したのは1959年のことです。
それ以前は主にレンジファインダーカメラを発売していました。
「Nikon SP」はニコンのレンジファインダーカメラの中でも高機能で完成度が高いと言われています。
発売は1957年で、私が生まれる遥か昔のカメラです。
もちろん、フィルムを装填して使用します。
ちなみに2005年に2500台限定で復刻生産されていますが、こちらは貴重なオリジナルのものです。
レンジファインダーカメラは、レンズの繰り出し量と距離計が連動しており、ファインダー*4の二重像を合わせることで正確なピント*5合わせを行うことができます。
カメラの上部にファインダー用の窓が2つ付いていて、これらが光学式距離計となっています。
一眼レフカメラと異なり、撮影用レンズの光学系とファインダーの光学系は別になっているため、ファインダー内には基準となる画角*6に合わせた枠が表示されています。
レンジファインダーカメラでは、撮影時の被写界深度*7はファインダーには反映されません。
撮影前にレンズの被写界深度目盛りでおおまかなピントの範囲を確認しつつ、絞り*8を決めて撮影する事となります。
レンズは「Nippon Kogaku Nikkor-S 5cm F1.4」。
焦点距離は近年ではmm表記が使われることが多いのですが、このレンズは「5cm」とcm表記となっています。
(すなわち、焦点距離は50mmです)
非常にコンパクトなレンズで、最近の大きなレンズに慣れた身としては本当にこれで大丈夫なのかと心配になります。
結論から言うと写りはまったく問題はありませんでした。
ギリギリまでずっしりと詰まった光学ガラスを見ると、まさしく当時のニコン(日本光学)の技術力の結晶とも思えてきます。
3. 撮影時の露出について
さて、このカメラ「Nikon SP」には「露出計*9」は付いておらず、撮影者が「露出*10」すなわち「絞り」と「シャッタースピード*11」を決定する必要があります。
露出の決定にはISO感度*12も重要ですが、フィルムの場合は途中交換ができないため固定値となります。
「Nikon SP」に限らず、古いカメラには露出計が付いていないものがほとんどです。
(もしくは、付いていても動作がおかしい「露出計不良」となっているかもしれません)
撮影するにはまず「構図」を決め、次に「ピント」を合わせ、そして意図した露出と被写界深度となるよう「絞り」と「シャッタースピード」を決めます。
こうして書くと難しそうだと思われるかもしれません。
そこで、あらかじめ基準となる絞りとシャッタースピードの組み合わせを覚えておき、後は条件によって調整するという方法である程度の写真は撮影できます。
(俗に「体感露出」などと言われています)
まず、基準となるシャッタースピードと絞りの組み合わせ。
これは「標準露光表」というものがあり、よくフィルムの箱に書いてあったりします。
ISO感度は固定して考え、シャッタースピードを基準に絞りを変えるか、あるいは絞りを基準にシャッタースピードを変えることでフィルムの露光量*13を決定します。
私がよく使用する基準(おそらく最もメジャーな基準)は、感度がISO100でシャッタースピードを1/250に固定したときのもので、
シーン | 絞り(F値) |
快晴 | F11 |
晴れ | F8 |
明るい曇り | F5.6 |
曇り・日陰 | F4 |
というものです。
ラチチュード*14が広いネガフィルム*15では露出に多少のズレがあっても大丈夫なことが多いため、基本的には「だいたい適正露出」であれば問題ありません。
後は絞って被写界深度を稼ぎたいからその分シャッタースピードを遅くしたり(プログラムシフト*16と同じ)、ハイキー*17に写したいからシャッタースピードだけ遅くしたり(露出補正*18と同じ)といった操作を行います。
もっとも、ラチチュードの狭いリバーサルフィルム*19では、単体露出計などでしっかりと設定されることをオススメします。
4. 作例(使用フィルム: Fujifilm 業務用 100)
では、作例とまいりましょう。
フィルムには「Fujifilm 業務用 100」を使用し、東京の街歩きスナップ*20です。
カラーネガフィルムですが、この時代のカメラでどこまで写るのかはわかりません。
(当時はネガフィルムはモノクロが主流で、カラーフィルムは「さくら天然色フヰルム」に代表されるリバーサルフィルムが使われていました)
また、デジタル化した写真のRAW現像*21は「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」にて行っています。
ネガフィルムのデジタル化についてはこちらの記事「ネガフィルムをデジタル化してみませんか?」をご覧ください。
画像中に取り込み時のゴミが見られますが、ご了承ください。
また、写真は雰囲気を重視し、極端なピンボケ*22やブレ*23がなければそのまま掲載しています。
午後の日差しの路地裏を一枚。
さっと撮ったため、多少手ブレ*24してしまいました。
無彩色*25の建物の中、自己主張する標識を。
赤や青の原色は、とても目立ちますね。
都市部の中は、意外なほどに公園が点在しています。
カメラを片手に歩いてみると、普段は目につかないような風景も物珍しく見えるかもしれません。
ふと、通りの向こうから視線を感じて。
モチーフはフクロウでしょうか。
脇道に逸れると、このようなものがありました。
何もないと思っていた場所にも、意外なほど多くの発見があります。
ガード下を、道路越しに。
電車が走っていれば、もう少し臨場感が得られたかもしれません。
停泊中の屋形船。
東京ならではの風景でしょうか。とても情緒がある風景だと思います。
5. まとめ
さて、今回はレンジファインダーカメラ「Nikon SP」で撮影した写真をご紹介しました。
カメラ自体の操作性は非常に洗練されていて、ある程度の知識があればすんなりと使いやすいカメラという印象でした。
金属製でとても重厚感があるので、カメラを構えるだけで「撮るぞ!」という気持ちになりますね。
フィルムには、たまたま手元にあったカラーネガフィルム「Fujifilm 業務用 100」を使用しましたが、昔のカメラとは思えない、しっかりした写りです。
ぜひ、今度はモノクロフィルムを入れて撮影してみたいと思います。
(ぜひ、また貸してください!)
*1 レンジファインダーカメラとは、撮影用レンズとは別に光学式距離計を搭載したカメラのことです。
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*2 一眼レフカメラとは、撮像面とレンズの間に鏡を置く構造のカメラのことです。実際の撮影イメージを光学ファインダーで確認することができ、視差も生じないという利点を持ちますが、その分内部機構が大きくなるという欠点もあります。
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*3 一眼レフカメラの光学ファインダーの代わりに、液晶モニターや電子ビューファインダーを見ながら撮影するレンズ交換式のデジタルカメラのことです。一眼レフカメラから鏡を廃した構成であるため、内部機構が簡略化でき、小型軽量なものが多いです。
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*4 ファインダーとは、カメラで構図の決定やピント合わせに使用する覗き窓のことです。
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*5 ピントとは、結像点のことをいいます。ピントが合っている部分が鮮明に写るため、メインとなる被写体にピントを合わせるのが写真撮影の基本となります。
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*6 画角とは、実際に撮影可能な範囲のことを指します。画角が広ければ広角、狭ければ望遠です。
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*7 被写界深度とは、ピントの合っているように見える範囲のことを言います。
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*8 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*9 露出計とは、光の強度を測定し、標準露出となる露出値を割り出す装置のことです。
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*10 露出とは、記録される写真の明るさのことです。 露出はレンズの絞りやシャッタースピード、そしてセンサの感度により決まります。
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*11 シャッタースピードとは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間(露光時間)のことをいいます。
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*12 ISO感度とは、どの程度弱い光まで記録できるかを表します。感度を高くすると、同じ明るさでも速いシャッタースピードで撮影することができますが、その分ノイズが多くなります。
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*13 露光量とは、フィルムにレンズを通した光をどれだけ当てるかをいいます。
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*14 ラチチュードとは、フィルムが記録可能な露出の範囲のことをいいます。
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*15 ネガフィルムとは写真フィルムの一つであり、明暗や色が反転した状態で記録されるフィルムのことです。写真フィルムとしては最も身近で、印画紙へのプリント時に補正がしやすいという特徴があります。
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*16 プログラムシフトとは、プログラムオート(AE)によりカメラが決定した露出をキープした状態で、絞りとシャッター速度の組合せを変化させることです。
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*17 ハイキーとは、意図的に露出オーバーにする(明るくする)ことを言います。写真全体を明るくすることで、爽やかな印象に仕上げることができます。RAW現像では撮影後に露出補正やトーンカーブで調整することができます。
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*18 露出補正とは、カメラが決定した適正露出から撮影者の意図に応じて露出を調整する機能のことです。
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*19 リバーサルフィルムとは写真フィルムの一つであり、スライド映写などで直接鑑賞できるポジの状態で記録されます。ポジフィルムやスライドフィルムとも呼ばれ、ネガフィルムに比べ彩度に優れています。
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*20 スナップとは、日常の風景、人物の飾らない様子や素振りなど、気になったものや瞬間を素早く撮ることをいいます。
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*21 RAW現像とは、デジタルカメラのセンサから出力された未加工のデータ(RAWデータ)をJPEGやTIFFなどの汎用画像ファイルに変換する処理のことをいいます。RAWデータはJPEG画像よりもデータ量が多いため、RAW現像では高画質な写真編集を行うことができます。
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*22 ピンボケとは、ピントが被写体に合っていないことをいいます。
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*23 ブレとは、被写体もしくは撮影者が撮影中に動くことにより生じます。写真が何枚も重なったように写り、写真の鮮明さが損なわれます。被写体が動くことで生じたブレを被写体ブレ、撮影者が動くことで生じたブレを手ブレといいます。
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*24 手ブレとは、シャッターが開いている間に撮影者が動くことにより生じるブレです。写真が何枚も重なったように写り、写真の鮮明さが損なわれます。
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*25 無彩色とは、白と黒とを混ぜ合わせて作る色のことです。
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