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コンパクトなタクマーと田んぼをお散歩 [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
しばらくフィルムカメラ*1を持ちだすことが多かった今日この頃ですが、今回は久しぶりのデジタル一眼レフ*2でのスナップ撮影です。
といっても素直に最新のレンズではなく、オールドレンズ*3を付けてきました。

160129-11-takumar35.jpg

「Asahi Opt. Co. Auto-Takumar 35mm F3.5」です。
以前ご紹介した「Asahi Opt. Co. Auto-Takumar 55mm F2」と同じく、「半自動絞り」という過渡期の絞り*4制御機構を搭載したレンズです。
絞りのチャージ用のレバー(写真中の右側)がマウント*5面付近に取り付けられており、チャージすると絞り環*6の設定に関わらず開放*7状態となります。
(マウントアダプター*8を使用した撮影では使用することはありません)
半自動絞りの仕組みや絞り制御機構の経緯について、詳しくは以前の記事を参照してください。

余談ですが、チャージレバーの形状が他の「Auto-Takumar」と異なり簡素な板状のものとなっています。
構造上の理由なのか、それとも製造上の理由なのかよくわかりません。

160129-12-takumar35.jpg

フィルター径*9が46mmの、非常にコンパクトなレンズです。
PENTAX K-3」に取り付けると、ややアンバランスな小ささです。

以下、写真は「PENTAX K-3」と「Asahi Opt. Co. Auto-Takumar 35mm F3.5」で撮影し、「SILKYPIX Developer Studio Pro 7」にて現像しています。
また、オールドレンズっぽさを失わないよう、コントラストはあまり調整していません。

160129-01-takumar.jpg

田畑は、冬場はお休み期間。
耕された土の冬景色です。
まだマルチコーティング*10がされていないレンズのため、コントラストもどこかぼんやり。
フード*11やハレ切り*12は必須かもしれません。
(ハレ切りをする際は、かざした手が写らないように気を付けましょう)

160129-02-takumar.jpg

電柱を見上げて。
順光でしっかり絞れば、線もはっきり出てきます。
このレンズはテッサータイプ*13の前面に凹メニスカスレンズ*14を取り付けた構成をしているため、テッサー譲りのシャープさです。

160129-03-takumar.jpg

小さな足長ポストがあったので、一枚。
後ろの神社がフレア*15っぽくなりましたが、どこか優しげに撮れたと思います。

160129-04-takumar.jpg

影の長い季節、神社を日陰から順光*16で撮影。
イチョウの落ち葉の解像感*17に影のコントラスト、いい感じです。

160129-05-takumar.jpg

ひっつき虫こと、コセンダングサの群集が日陰にありました。
開放F値*18がF3.5のため、さすがに後ろはざわざわすると思い、最短撮影距離*19で狙ってみました。

160129-06-takumar.jpg

同じ最短撮影距離でも、背景が少し離れているとこんな感じに。
こちらは斜光*20での撮影なので、キラキラとした葉の反射光の玉ボケが目立ちますね。
写真はホトケノザですが、春の七草の「ホトケノザ」は本種ではないため注意です。

さて、今回はオールドレンズ「Asahi Opt. Co. Auto-Takumar 35mm F3.5」で撮影した写真をご紹介しました。
非常にコンパクトなため、持ち出しやすくかなりのお気に入りです。
久しぶりのデジタル一眼レフ、すぐに撮影した写真を確認できることにあらためて感動してしまいました(笑



*1 フィルムカメラとは、被写体像をフィルム(写真フィルム)に露光するカメラです。フィルムの感光剤に銀化合物(銀塩)を用いることから銀塩カメラともいいます。
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*2 撮像面とレンズの間に鏡を置く構造のカメラを一眼レフカメラといいますが、このうち撮像素子にイメージセンサを使用するカメラのことをデジタル一眼レフといいます。
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*3 オールドレンズには厳密な定義はありませんが、フィルム時代の古いレンズやマニュアル操作のレンズを指すことが多いです。
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*4 絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機構のことです。
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*5 マウントとは、カメラとレンズの接合部のことです。
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*6 絞り環とは、絞りを設定・調整するときに回すリング部分です。
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*7 開放とは、レンズの絞りを最大に開けた状態のことです。
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*8 レンズをカメラに取り付ける部分をマウントといい、マウントには様々な規格があります。マウントを変換する部品をマウントアダプターといいます。
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*9 レンズには、フィルターの取り付け用のねじが切られているものがあり、このねじの径をフィルター径と呼びます。フィルターのねじの規格は異なるフィルターメーカー間で互換性があり、フィルター径が等しいものであれば取り付けが可能です。
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*10 レンズの反射防止コーティングは、レンズ表面へ酸化物等の薄膜を形成することで達成されます。薄膜の層が多層になっているものをマルチコーティング(多層膜コーティング)といいます。
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*11 フード(レンズフード)とは、撮影用レンズの先端部に取り付けることで、不要な光線を遮るアクセサリーです。
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*12 ハレ切りとは、不要な光がレンズから入らないように手をかざす動作のことをいいます。ハレーションやレンズフレア、ゴーストの抑制に効果があります。
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*13 カール・ツァイス(Carl Zeiss)のテッサーと同じ、3群4枚の凸凹凹凸の構成を持つレンズのことをテッサータイプのレンズといいます。
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*14 メニスカスレンズとは、レンズの片面が凸面で、もう片面が凹面になったレンズのことです。中央が周囲より厚い場合は凸レンズとして働き(凸メニスカスレンズ)、逆に周囲が中央より厚い場合は凹レンズとして働きます(凹メニスカスレンズ)。
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*15 フレア(レンズフレア)とは、明るい光源がレンズに入った時に生じる、暗部への光の漏れのことです。コントラストが低下し、画像のシャープさが失われる原因となります。
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*16 光源がカメラの背後から被写体に向かっている状態を順光といいます。順光では被写体にまんべんなく光が当たるため、立体感が抑えられ、記録的な写真を撮るのに向いています。
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*17 解像とは、レンズを通した像がしっかりと結像していることをいいますが、写真を見たときに解像しているように見える度合いを解像感といいます。
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*18 開放F値とは、レンズの絞りを最大に開けた状態、一番光を取り込める状態のF値です。 (F値は小さいと明るく、大きいと暗くなります)
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*19 最短撮影距離とは、レンズがピントを合わせることのできる最短の距離のことで、レンズ交換が可能なカメラでは通常センサから被写体までの距離となります。
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*20 被写体の横から光が当たっている状態を斜光といいます。影が被写体に写り込むため、立体感や質感を表現するのに向いています。
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