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千葉城より、夜桜を望む [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
既に関東では、桜の見頃は終わってしまいましたね。
北海道の方では、まだ見ることができるでしょうか。
私はというと、残念ながら休日昼間にあまり見に行くことができませんでした。
そのかわり、今回は夜桜を見に行ってきました。
(当初は近場で皆既月食と夜桜の絡みを狙っていたのですが、あいにくの曇り空で断念しました)

まずは、今回の機材から。
カメラはいつものように「PENTAX K-3」です。
レンズは、なるべく明るいものが欲しかったため、開放F値がF2.8通し*1 の標準ズームレンズ*2 TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF] (Model A16)」を持ち出しました。
150424-00-tamron17-50.jpg
このレンズは、APS-Cセンサ*3 用のF2.8通しの標準レンズとしては、非常にコンパクトで安価なため、大口径ズームレンズ*4 の入門用としてオススメです。
また、「PENTAX K-3」のキットレンズ*5 は「smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL WR」ですが、このレンズに比べて広角*6 側が1mm短いこともあり*7 、意外と広く風景を撮ることができます。
今回は出発時間が遅くなったため、人出はあまり多くないと予想し、しっかりとした三脚も持ち出しました。
(夜桜の撮影の場合、場所によっては混雑しますので、そのような場合の三脚使用は遠慮しておきましょう)
また、手元でシャッターを切るため、ペンタックス純正の「ケーブルスイッチCS-205」も持っていきました。
以下、写真のRAW現像には「SILKYPIX Developer Studio Pro 6」を使用しています。

撮影場所は、千葉市の亥鼻公園
千葉城(亥鼻城)のライトアップが行われ、公園内では提灯も点灯されます。
…のはずですが、時間が遅すぎて、最低限の街灯のみ点灯されている状態でした。
150424-01-sakura.jpg
肌寒い時間ですが、白黒のにゃん様がうろうろ。
風の強い日だったため、長秒時露光*8 では枝が揺れてしまっています。
(にゃん様もうろうろ、ブレてますね)
ちなみに、この天守は千葉市立郷土博物館
お城があった当時はこのような形ではなかったそうなので、誤解のないよう記しておきます。
150424-02-sakura.jpg
桜の幹が照らされていて綺麗だったので、一枚。
夜桜の撮影では、ライトアップの光源をよく見ましょう。
今回は、電球によるライトアップだったため、色温度*9 をなるべく電球に合わせています。
見た時の印象は黄色味の強い電球に照らされた色でしたが、今回は「桜=ピンク」という先入観を持つだろうと思い、写真全体の色味をこのようにしました。
「電球の下で撮った」ということを強調したい場合は、色温度を太陽光に近付けることで、電球光の赤味・黄色味が出てきます。
150424-03-sakura.jpg
続いて、光源を入れて一枚。
ぼんやりとレンズフレア・ゴースト*10 が発生しました。
とはいえ、眩しげな雰囲気を出すには、これくらい出てくれた方がいいかもしれません。
150424-04-sakura.jpg
既に閉まった屋台を一枚。
閑散とした「祭りの後の静けさ」の雰囲気、出ているでしょうか。
150424-05-sakura.jpg
基本的に、「夜桜ではストロボを使わない」とよく言われますが、それはあくまでライトアップされている夜桜の場合。
この写真のときは、更に雲間から出てきた満月を入れようとしたため、明暗差がありすぎました。
ストロボが少し強すぎて桜に影ができていますが、これはこれで屏風のような雰囲気でいいかもしれません。
150424-06-sakura.jpg
こちらは、場所を移してライトアップされた夜桜越しに月を一枚。
桜をぼかし気味に、撮ってみました。
撮ってみたことのある方ならわかると思いますが、月の日周運動は思いのほか速いです。
三脚での固定が前提の場合、月を狙った場所に入れていても、少し経つと外れてしまいます。

筆者は、実はしっかりとした装備で夜桜を撮りに行くのは今回が初めてでした。
なるべく色々な撮影が可能な装備で繰り出しましたが、ちょっと装備が不十分に感じることもありました。
撮影に行く前に、「こういう撮り方がある」「この機材を使う」などと考えていても、後から「これがあればよかった」と思うことは多々あります。
(さすがに、天気についてはどうしようもないですが…)
みなさんも「撮ってみたい」と思ったら、機材について考えるのは後にして、まず撮りに行ってみましょう。
そのあとに必要なものを再度考えてみると、自分に必要な機材が見えてくると思います。

*1 開放F値とは、レンズの絞りを最大に開けた状態、一番光を取り込める状態のF値です。 (F値は小さいと明るく、大きいと暗くなります)記事に戻る

*2 ズームレンズは1本で様々な焦点距離にして撮影することができるレンズですが、広角から望遠までの一般的なシーンの撮影に向いたズームレンズを標準ズームレンズといいます。35mm判換算で28-80mm(APS-Cで18-55mm)のものが多いです。記事に戻る

*3 センササイズには、主に以下のようなものがあります。 センサが大きい方が画質面で有利ですが、その分カメラ・レンズは大きくなります。
フルサイズ
(35mmフルサイズ)
フィルムカメラの「35mmフィルム」フォーマットとほぼ同じ大きさ(おおよそ36 x 24 mm)です。
APS-Cサイズ コンパクトな「APS (Advanced Photo System)フィルム」の「Cサイズ」とほぼ同じ大きさ(おおよそ23 x 15 mm)です。
フォーサーズ
マイクロフォーサーズ
小型のフォーサーズサイズ(おおよそ 17.3×13.0 mm)のセンサです。
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*4 大口径レンズの具体的な定義はありませんが、35mmフィルムカメラやAPS-Cサイズのセンサを搭載する一眼カメラであれば、ズームレンズは開放F値がF2.8通しのものを、単焦点標準レンズはF2よりも小さいものを指すことが多いです。記事に戻る

*5 一眼カメラを初めて買う人に向けて、カメラ本体の他にレンズも付いた「レンズキット」が販売されていますが、このとき付いているレンズのことを「キットレンズ」と呼びます。記事に戻る

*6 広角とは、画角が広い状態を指します。一般的に35mm判のフィルムカメラで50mm付近が標準と呼ばれ、それよりも焦点距離が短いものを広角といいます。記事に戻る

*7 キットレンズ「smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL WR」は、広角側の焦点距離が18mmです。 今回の「TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF]」は広角側が17mmと1mmだけ短いですが、画角で見ると3度ほどの違いがあります。 (画角と焦点距離は、三角関数で計算できます。同じ1mmの違いでも、広角側と望遠側では大きく異なりますので注意してください。) 「smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL WR」での作例がこちらの記事にありますので、興味があれば参考にしてみてください。 記事に戻る

*8 シャッターを長い時間開けて露光することを長秒時露光といいます。長秒時露光は、暗い中での撮影の他、水の流れや光の軌跡を写し込むのにも使われます。記事に戻る

*9 色温度とは、光源の色を温度で表したもので、単位はK(ケルビン)を用います。写真では、太陽光が5500Kとして想定されています。 タングステン電球は色温度の低い3200Kくらいの光。 一方、昼光色蛍光灯は太陽光よりも青みの強い6500Kくらいの光です。記事に戻る

*10 強い光源がある場合に、レンズ内面の反射によって生じる光の漏れをレンズフレアあるいは単にフレアといいます。このうち、特にはっきりと形のあるものをゴーストといいます。記事に戻る

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