オールドレンズを使ってみよう。 ロシア製レンズ「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」 [撮影に行こう]
皆さん、どうも。
スタッフ I です。
最近、R 氏から、頻繁に
オールドレンズ沼へのいざないを受け、
とうとう、購入してしまいました。 オールドレンズ!
というわけで、今回は購入したオールドレンズをご紹介させていただきたいと思います。
調べて見た限り、厳密な定義はないように思います。
要は古いレンズです!
あなたがオールドレンズだと思えばそれはオールドレンズでしょう。*1
オールドレンズを使用するために、まずは確認しなければならないことがあります。
それは、
「カメラ側のマウントのフランジバック」と 「オールドレンズのマウントのフランジバック」です。
フランジバックとは、「レンズとカメラの接合部分(マウント) からセンサーまでの距離」のことをいい、各カメラ、レンズのマウントごとにその長さが決められております。
「カメラ側のマウントのフランジバック」 よりも 「オールドレンズのマウントのフランジバック」 の方が長ければ、 問題なく使用が可能となります。*2
次に必要になるのがマウントアダプターです。
マウントアダプターとは、以前の記事でも簡単に説明しましたが、
カメラとレンズそれぞれのマウントが異なる場合に、両者の間に取り付けることで、接続を可能としてくれる道具です。
マウントアダプターの説明は下記のサイトが分かりやすいと思いますので、
よろしければ参照してみてください。
https://news.mapcamera.com/mountadapter.php?itemid=23818
さて今回、オールドレンズ「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」 について紹介しましょう!
このレンズは旧ソビエト連邦にてつくられたレンズで、ドイツの有名なレンズメーカー「Carl Zeiss (カールツァイス)」で考案された「Tesser (テッサー)」と呼ばれるレンズを模して製造されたといわれています。
ソ連製のため、レンズの側面にはソビエト連邦の品質マークが施されていたり、レンズ名がキリル文字できざまれていたりと、異国情緒あふれる点がポイント高いですね。
さて、そんな「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」ですが、こいつには普通のレンズにはない魅力があるのです!
それは何かというと…
この 「 星 型 絞 り 」 です!
絞りの値を F5.6 ~ F8 程度に設定すると、このように絞りの形状がダビデ型の星形になるのです!
これ、何がすごいのかといいますと、この状態でイルミネーションなどの点光源に近いものをぼかして撮影すると、その形状を星形に撮影することができるのです!
ものは試しです。早速撮りに行きましょう!
幸い会社の近くにまだ点灯しているイルミネーションがあり、絶好の撮影スポットになりました。光のトンネル!綺麗ですね。
このイルミネーションを背景に入れて何か適当な被写体を撮影すれば念願の星ボケが見られます。*3
…だがしかし、その肝心な被写体が な い … !
いえ、何でも良いのですが、正直会社の近くなんで、目新しい物がなさすぎるのですよ。なんと言いますか、もっと別のものを撮りたいなと思ったわけです。
そんな時、私の脳裏にある被写体がよぎったのです。そうそれは、
「 し ゃ も じ 」 ! ! !
きた!キましたよ!このしゃもじ、なんとあの厳島神社に初詣に行った際に、神社入口で頂いたものです。どうですか、この洗練されたフォルム!圧倒的曲線美!!ひつじがかわいい!!!被写体にもってこいじゃあないですかっ!
貰ったはいいけど、「これどうすりゃいいの!?そのまま使っても大丈夫なの!」と、使い道に困り、完全に持て余してたとか、そんなんじゃあないですよ…。
というわけで、こいつにピントを合わせ、試写の結果を見てみましょう。
F5.6 で撮影。見事に星形です!こんな風に絞りの形状がそのままボケの形に現れるわけですね。不思議です。しかしこのレンズ。想像していたよりもボケが綺麗で驚きました。多少ボケの周りに輪郭が出てしまっていますが、むしろ星ボケの場合、輪郭が出てくれたほうが、その形状が強調されるという利点があるように感じます。ただ、 F5.6 だと、星の形が若干いびつですね、少し調整して再撮影してみます。
F5.6 より少し絞った位置での撮影です。 おそらく F6.3 程度かと (このレンズはオールドレンズであり、レンズの情報をカメラ側に伝える機能が無いため、正確な絞り値がわからないのです。ここではレンズに記載されている大まかな目盛りより推察しております) 。個人的にはこのF6.3の時に星形が一番きれいに映るように感じました。F8 でも一応星形に移りましたが、ほとんど六角形に見えてしまい、あまりお勧めできません。
F6.3 で、少しピントをずらして撮影。
ボケが小さくなると星の大きさも小さくなります。流れる星々をすくうしゃもじ…。
開放 F2.8 で撮影すれば、普通のカメラのように丸形状のボケを生み出すこともできます (開放とはそのレンズで設定できる一番小さな絞り値のこと) 。シーンによって多少の使い分けもできるわけですね。丸ボケもなかなか綺麗です。もっと輪郭がくっきりと出てしまうものかと思ってました。
ここでいくつか撮ってきた写真の方を御覧ください。
ここで紹介する写真はすべて SILKYPIX Developer Studio Pro6 で現像されています。
ISO 100, F6.3, 30”
F値が 6.3 と比較的大きいため、近づいて撮影しなければ、完全な星ボケはなかなか得にくいようです。代わりに大きな光源を入れると、光が 6 方向に帯を引くような効果を得られる場合があり、なかなか面白いですね。よくみると木々のボケが細かい星形になっていたりしています。
ISO 100, F6.3, 4”
街頭をバックに花を撮影してみました。
絵の中に星が現れると、
一気に写真のポップさが増しますね!
星が流れている感じを表現したかったため、
少し写真を「回転・デジタルシフト」機能を使用して、若干傾けています。
背景の濃い紫の花を見ると、こちらは綺麗にボケてくれています。点光源でなければ、ほぼ通常通りのボケが得られます。
今回初めてオールドレンズを入手し、「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」を使用してみましたが、安く手に入る割には写真の写りもよく驚きました。
星形絞りというユニークな特徴があり、このレンズにしか取れないシーンがきっとあるように思います。何より、撮っていて楽しいというのがこのレンズの魅力でしょうか。星形のボケが表れるだけでテンションが上がります。
今回紹介したレンズは1点だけでしたが、他のオールドレンズにもこのレンズのような魅力があるのでしょうか。気になります。
一度はまると抜け出せないというレンズ沼。今後私が沼にのみ込まれていくかどうかは分かりませんが、まずはこの「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」を使い倒してから、財布事情と相談ですね。
以上です。貴重なお時間ありがとうございました。
*1 オールドレンズ
一般的に、大体以下のようなレンズはオールドレンズに分類されるかと思います。
*2 オールドレンズを装着出る条件の例外
カメラ側のフランジバックがレンズ側よりも短くても、カメラ、レンズ側の形状が特殊であるために装着できない場合もあります。ご注意ください。 記事に戻る
*3 写真をぼかす条件
ボケは下記のような条件で発生しやすくなります。
スタッフ I です。
最近、R 氏から、頻繁に
オールドレンズ沼へのいざないを受け、
とうとう、購入してしまいました。 オールドレンズ!
というわけで、今回は購入したオールドレンズをご紹介させていただきたいと思います。
オールドレンズとは
調べて見た限り、厳密な定義はないように思います。
要は古いレンズです!
あなたがオールドレンズだと思えばそれはオールドレンズでしょう。*1
オールドレンズを使うには?
オールドレンズを使用するために、まずは確認しなければならないことがあります。
それは、
「カメラ側のマウントのフランジバック」と 「オールドレンズのマウントのフランジバック」です。
フランジバックとは、「レンズとカメラの接合部分(マウント) からセンサーまでの距離」のことをいい、各カメラ、レンズのマウントごとにその長さが決められております。
「カメラ側のマウントのフランジバック」 よりも 「オールドレンズのマウントのフランジバック」 の方が長ければ、 問題なく使用が可能となります。*2
次に必要になるのがマウントアダプターです。
マウントアダプターとは、以前の記事でも簡単に説明しましたが、
カメラとレンズそれぞれのマウントが異なる場合に、両者の間に取り付けることで、接続を可能としてくれる道具です。
マウントアダプターの説明は下記のサイトが分かりやすいと思いますので、
よろしければ参照してみてください。
https://news.mapcamera.com/mountadapter.php?itemid=23818
今回購入したレンズ、「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」の魅力
さて今回、オールドレンズ「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」 について紹介しましょう!
このレンズは旧ソビエト連邦にてつくられたレンズで、ドイツの有名なレンズメーカー「Carl Zeiss (カールツァイス)」で考案された「Tesser (テッサー)」と呼ばれるレンズを模して製造されたといわれています。
ソ連製のため、レンズの側面にはソビエト連邦の品質マークが施されていたり、レンズ名がキリル文字できざまれていたりと、異国情緒あふれる点がポイント高いですね。
さて、そんな「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」ですが、こいつには普通のレンズにはない魅力があるのです!
それは何かというと…
この 「 星 型 絞 り 」 です!
絞りの値を F5.6 ~ F8 程度に設定すると、このように絞りの形状がダビデ型の星形になるのです!
これ、何がすごいのかといいますと、この状態でイルミネーションなどの点光源に近いものをぼかして撮影すると、その形状を星形に撮影することができるのです!
試し撮り
ものは試しです。早速撮りに行きましょう!
幸い会社の近くにまだ点灯しているイルミネーションがあり、絶好の撮影スポットになりました。光のトンネル!綺麗ですね。
このイルミネーションを背景に入れて何か適当な被写体を撮影すれば念願の星ボケが見られます。*3
…だがしかし、その肝心な被写体が な い … !
いえ、何でも良いのですが、正直会社の近くなんで、目新しい物がなさすぎるのですよ。なんと言いますか、もっと別のものを撮りたいなと思ったわけです。
そんな時、私の脳裏にある被写体がよぎったのです。そうそれは、
「 し ゃ も じ 」 ! ! !
きた!キましたよ!このしゃもじ、なんとあの厳島神社に初詣に行った際に、神社入口で頂いたものです。どうですか、この洗練されたフォルム!圧倒的曲線美!!ひつじがかわいい!!!被写体にもってこいじゃあないですかっ!
貰ったはいいけど、「これどうすりゃいいの!?そのまま使っても大丈夫なの!」と、使い道に困り、完全に持て余してたとか、そんなんじゃあないですよ…。
というわけで、こいつにピントを合わせ、試写の結果を見てみましょう。
F5.6 で撮影。見事に星形です!こんな風に絞りの形状がそのままボケの形に現れるわけですね。不思議です。しかしこのレンズ。想像していたよりもボケが綺麗で驚きました。多少ボケの周りに輪郭が出てしまっていますが、むしろ星ボケの場合、輪郭が出てくれたほうが、その形状が強調されるという利点があるように感じます。ただ、 F5.6 だと、星の形が若干いびつですね、少し調整して再撮影してみます。
F5.6 より少し絞った位置での撮影です。 おそらく F6.3 程度かと (このレンズはオールドレンズであり、レンズの情報をカメラ側に伝える機能が無いため、正確な絞り値がわからないのです。ここではレンズに記載されている大まかな目盛りより推察しております) 。個人的にはこのF6.3の時に星形が一番きれいに映るように感じました。F8 でも一応星形に移りましたが、ほとんど六角形に見えてしまい、あまりお勧めできません。
F6.3 で、少しピントをずらして撮影。
ボケが小さくなると星の大きさも小さくなります。流れる星々をすくうしゃもじ…。
開放 F2.8 で撮影すれば、普通のカメラのように丸形状のボケを生み出すこともできます (開放とはそのレンズで設定できる一番小さな絞り値のこと) 。シーンによって多少の使い分けもできるわけですね。丸ボケもなかなか綺麗です。もっと輪郭がくっきりと出てしまうものかと思ってました。
作例
ここでいくつか撮ってきた写真の方を御覧ください。
ここで紹介する写真はすべて SILKYPIX Developer Studio Pro6 で現像されています。
ISO 100, F6.3, 30”
F値が 6.3 と比較的大きいため、近づいて撮影しなければ、完全な星ボケはなかなか得にくいようです。代わりに大きな光源を入れると、光が 6 方向に帯を引くような効果を得られる場合があり、なかなか面白いですね。よくみると木々のボケが細かい星形になっていたりしています。
ISO 100, F6.3, 4”
街頭をバックに花を撮影してみました。
絵の中に星が現れると、
一気に写真のポップさが増しますね!
星が流れている感じを表現したかったため、
少し写真を「回転・デジタルシフト」機能を使用して、若干傾けています。
背景の濃い紫の花を見ると、こちらは綺麗にボケてくれています。点光源でなければ、ほぼ通常通りのボケが得られます。
まとめ
今回初めてオールドレンズを入手し、「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」を使用してみましたが、安く手に入る割には写真の写りもよく驚きました。
星形絞りというユニークな特徴があり、このレンズにしか取れないシーンがきっとあるように思います。何より、撮っていて楽しいというのがこのレンズの魅力でしょうか。星形のボケが表れるだけでテンションが上がります。
今回紹介したレンズは1点だけでしたが、他のオールドレンズにもこのレンズのような魅力があるのでしょうか。気になります。
一度はまると抜け出せないというレンズ沼。今後私が沼にのみ込まれていくかどうかは分かりませんが、まずはこの「INDUSTAR-61 L/Z MC 50mm F2.8」を使い倒してから、財布事情と相談ですね。
以上です。貴重なお時間ありがとうございました。
*1 オールドレンズ
一般的に、大体以下のようなレンズはオールドレンズに分類されるかと思います。
- フィルムカメラ時代に使用されていたレンズ
- すでに製造が終了しているマウントのレンズ
*2 オールドレンズを装着出る条件の例外
カメラ側のフランジバックがレンズ側よりも短くても、カメラ、レンズ側の形状が特殊であるために装着できない場合もあります。ご注意ください。 記事に戻る
*3 写真をぼかす条件
ボケは下記のような条件で発生しやすくなります。
- カメラのセンサーの大きさが大きいほどボケやすくなる。
- レンズの焦点距離が長いほどボケやすくなる。
- 絞り値 (F 値) が小さいほどボケやすくなる。
- ピントがあっている被写体とカメラとの距離が近いほどボケやすくなる。
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