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オールドレンズを付けて、金谷をお散歩 (機材紹介編) [スタッフRの「撮影に行こう」]

こんにちは、スタッフRです。
さて、マウントアダプターの基本的な解説は前回の記事にて行いました。
今回から、オールドレンズ紹介とその作例について載せていきたいと思います。
オールドレンズには様々なレンズがありますし、また価格もそれほど高くないものもあります。
オールドレンズの魅力について、紹介できればいいなと思います。
まずは、今回使用したレンズについて。
150206-10-takumar28.jpg
旭光学工業の「Asahi Opt. Co. Super-Takumar 28mm F3.5」です。
旭光学工業、すなわち現在のペンタックスブランドの前身です。
ペンタックスは、旭光学工業からペンタックスを経て、HOYA子会社からリコー子会社のペンタックスリコーイメージングになり、現在はリコーイメージングのブランドとなりました。
ペンタックスといえば「smc(Super Multi Coating)」という多層膜コーティング*1 が有名ですが、この頃はまだsmcではありません。
開放F値はF3.5とそこまで明るいレンズではありませんが、非常にコンパクトで持ち運びしやすいレンズといえます。
また、その分価格も手頃になるので、かなりの数が出回り、色々な人が使ったレンズと言えるはずです。
150206-11-takumar28.jpg
マウントは一般的に「M42マウント」や「プラクチカマウント」と呼ばれる、単なる呼び径42mmのねじ。
ペンタックスでは、「ペンタックスSマウント」と呼んでいます。
単純なねじで構成されるマウントのため、レンズの種類や数が多く、俗に「ユニバーサルマウント」とも呼ばれます。
多くは電気的な伝達機構を持たないため、互換性もあまり気にすることなく楽しむことができ、「レンズ遊び」としてはこれ以上ないマウントです。
このレンズは、「アサヒペンタックスS3」という、完全自動絞り機能*2 が実装された一眼レフカメラ用に用意されたレンズのうちの一つ。
マウント面に絞り込み用のピンがあり、撮影時にこのピンを押し込むことで自動絞りを実現しています。
こうしたカメラ・レンズの機能から、歴史に想いを馳せるのも「オールドレンズ遊び」の楽しみですね。

ちなみに、絞りF8、距離3m(10ft)の表記が赤くなっていますが、これは「F8まで絞ると、ピント位置を3mにしておけばほぼパンフォーカス的に使うことができる」ことを表します。
広角レンズは、スナップ撮影をするときによく使われるので、このような赤い指標で目印が書かれていました。

ペンタックスでは、今でも昔のレンズを取り付けるための「マウントアダプターK」を純正品として販売しています。
150206-12-takumar28.jpg
このアダプターをペンタックスのKマウントに嵌めることで、M42マウントのレンズが取り付けられるようになります。
このアダプターは「カメラのマウント」を変換するためのものであり、「レンズのマウント」を変換するわけではありません。
このため、アダプターは常にカメラに付いたままとなるので、他にKマウントのレンズと付け替えて撮影するような場合は、アダプターをカメラから取り外す「ひと手間」が必要です。
PENTAX K-3に、純正角形フード(PENTAX 28mm/35mm用プラスチック製フード)とともに取り付けてみます。
150206-13-takumar28.jpg
時代を超えた、純正同士の組み合わせ。結構しっくりとして、違和感はありません。
角型フードの影響もあり、なかなか、渋い見た目です。
レンズの径がそこそこ小さいので、Kマウントの接点やAFカプラーはむき出しになります。
(余談ですが、フードの内側に付いたホコリって、落ちにくいですよね…)

感度はあらかじめ固定しておくとして、絞りを基準にして撮影する場合、
  1. 被写体・構図を決める
  2. ピントを合わせる
  3. 絞りを決定する
  4. 露出に応じたシャッタースピードを決定する
  5. いよいよ撮影!

となります。
オールドレンズを使った撮影では、ピント合わせはマニュアル、つまり手でフォーカスリングを回して、ファインダーやライブビュー画面を見ながら合わせます。
また、絞りは連動しないため、撮影前に実際の絞りまで絞り込み、被写界深度を確認してシャッターを切ります。
多くの人はこの手順の「4. 露出に応じたシャッタースピードを決定する」がおそらく苦手ではないかと思います。
デジタル一眼は、フィルムの無駄を気にする必要がなく、失敗しても撮り直しが可能です。
なので、どんどんシャッタースピードを変更して撮影しましょう!*3 

さて、次回の記事では、カメラ「PENTAX K-3」に、このレンズ「Asahi Opt. Co. Super-Takumar 28mm F3.5」を取り付けて撮影した写真を、「SILKYPIX Developer Studio Pro 6」を使用して現像した作例をお見せします。
撮影場所は、千葉県の金谷。
南房総に位置する、東京湾フェリーが就航する港町です。

*1 レンズに使われているガラス(光学ガラス)には、通常反射防止のコーティングがなされています。 ガラスに光が入射すると反射が生じますが、コーティングされていないと、なんと4%もの光が反射します。 レンズは、1枚につき表と裏の2面あるので、1枚だけでも8%。 写真用レンズではトリプレット構成という3枚の単純な組み合わせがありますが、3枚のため、6面で24%もの光が失われることになります。 最新のズームレンズでは多数のレンズを使う構成が一般的になっているので、コーティングがなければ透過率はかなり低下します。 各社コーティング技術に名前が付いていますが、レンズコーティングの大切かがわかるかと思います。 記事に戻る

*2 一眼レフカメラで何気なくファインダーを覗いて撮影していると気付きませんが、普段はレンズの絞りは開放状態で、シャッターを切ると設定した絞り値まで絞り込んで撮影が行われます。 これを「完全自動絞り」といい、普段は開放状態の明るいファインダーを通してピント合わせができるという利点があります。 この機能が登場する以前は、ピントを合わせた後、手動で絞りを操作してからシャッターを切る「手動絞り」や「プリセット絞り」でした。 記事に戻る

*3 ペンタックスのカメラでは、マニュアルモードでの撮影で、非常に便利な機能があります。 それが「グリーンボタン」での「ハイパーマニュアル」機能で、ボタンを押すと絞り込み測光を行い、絞りに応じた適正露出のシャッタースピードを自動で設定してくれます。 もちろん、本来であれば対応をうたっていないレンズなので、誤差が生じることもありますが、設定を決める基準として、非常に有用です。 記事に戻る

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